経理担当者が社長に試算表を説明するポイント




経理担当者が社長に試算表を説明するポイント

こんにちは!

 

ぼっち税理士の齋藤幸生です!!

 

今回は経理担当者が社長へ試算表を説明する

ポイント!!を解説します。

 

私が関与先の社長さんへするやり方の

ご紹介を交えて行います。

 

ただ、社内の人と税理士とでは立場が異なります。

私が社内の人だったらという仮定で書いていきます。

 

それでは、スタートです!!

 

社長の関心は業績にあり!

経理担当者さんにお聞きしますが、

自社の社長さんが試算表に興味がありますか?

 

興味がある場合には、まれな社長さんですね(笑)

 

普通は数字とよくわからない勘定科目の羅列で

見ることも嫌だと思っているはずです。

 

簿記知識があれば、読むことはできますが、

なかなか試算表に興味を持つことは難しいようです。

 

ここの大前提を元に、経理担当者さんは

社長さんへ報告をすることになります。

 

では、どんな伝え方が良いでしょうか?

 

私は業績から興味を持ってもらう様に

説明を行っています。

 

つまり、損益計算書から説明をする

ということですね。

 

ここで知ってほしいのは、社長さんは素人です

上から順番に報告をしてもつまらなくさせます。

 

まずは、試算表の見方を知ってもらうより、

業績を知ってもらうことから始めましょう!

 

ごく普通の社長さんであれば、

今月はどれくらい儲かったのか?

ということを知りたいはずです。

 

説明するところはピンポイントでします。

 

①売上高
②売上総利益(粗利)
③営業損益
④税引前当期純損益

 

上記をピンポイントで説明する理由は、

社長さんは細かいことが苦手な人が多いです。

 

まずは

・今月いくら売り上げたのか?
・粗利の金額は?
・会社の業績は?
・法人税ってどれくらいになる?

を知ることになれば、色々な考えをする

社長さんが多いようです。

 

ここから皮切りに、質問されたことを

うまく説明するスキルが必要になってきます。

 

例えば、売上の計上時期については、

入金があったときではないのか?など

社長さんが疑問に思ったことを解説していけば

少しずつ試算表に興味を持ってくれます。

 

まずは、毎月、決まった日時、時間に

説明を行うようにしてみましょう!

 

最初は社長さんだけで大丈夫です。

やっているうちに幹部社員にも知ってもらおうなど

社長さんの中で考えが至ります。

 

資金繰りの疑問を解消する説明方法

続いては、社長さんに説明するのが

最も難しい資金繰りの疑問を解消する

説明方法となります。

 

まず、なぜ資金繰りの説明が難しくなるのか?

こちらを知っておかないとうまく説明はできません。

 

資金繰りの問題で最も顕著な質問を考えます。

それは、利益は出ているのになぜ通帳に現金が

残らないのだ!という質問です。

 

すぐに使ってしまうからです!

と答えとしては単純ですが、

 

会社のお金の流れの仕組みがイメージできない

不明確と思っている社長さんが多いのです。

 

だから、資金繰りの説明が難しくなります!

 

あとは、経理担当者さんが簿記の知識を持っていると

さらに専門用語が増えるので分かりにくくなります。

 

利益と資金繰りの関連を説明するには、

損益計算の仕組みから説明する場合があります。

 

実現主義と発生主義ですね。

また現代の損益計算では現金の部分もあります。

例えば、家賃は口座引落になりますで

現金支出時に費用となります。

 

給料も基本的には振込をした時に

計上するのが実務上の慣習でしょう。

 

そうなると、実現主義と発生主義は資金繰り上では

未来の収支に影響を与えておきながら、

現金での支出が損益計算に反映されて・・・・

 

なんて説明したらよく分からなくなってしまいます。

そうなると気が短い社長さんだと、

 

君の説明は分かりにくい!!

となってしまいますね(笑)

 

このように、社長さん自身のイメージと

経理担当者さんの説明とがちょっとかみ合って

いないことが原因であると思います。

 

 

 

 

 

私は次のように社長さんに説明しています。

利益が出ているのに資金繰りが厳しいのは、

前月に出した利益をすぐに今月の会社の維持費に

使っているからという説明です。

 

会社の維持に必要なのは、

販売費及び一般管理費が主です。

(製造業などは、原価の人件費、製造経費
といったことも会社維持費になってくると思います。)

 

それで、毎月の利益<会社の維持費

という状態であればお金は残りませんよね?

と説明すると納得感があるようです。

 

まずはイメージで分かりやすく伝えることが

良いのだと思います。

 

簿記の世界から言えば、

毎月の利益<会社の維持費

という状態であってもお金が残る

という場合がありますね。

 

例えば、売上と仕入が同時に計上される前に、

お金をやり取りをできる場合です。

 

例えば、建設業では、初回、中間、完成と

売上の計上とは別に請求をしてお金を

もらうことができます。

 

通常は売上の請求⇒お金の回収⇒お金を使う

という流れなのですが、

 

お金の請求⇒お金を使う

ということになります。

 

売上が計上できなければ仕入といった原価も

計上できませんから、その月に計上される

利益だけとなります。

 

もしその月の利益<販売費及び一般管理費

であっても、手元にはお金が残るという

不思議現象が起こる場合がありますね。

 

 

CVP分析を活用して説明する

最後に、社長さん向けで受け良かったものを

ご紹介していきます。

 

CVP分析は受けが良いように思います。

CVP分析を知っている社長さんも多いです。

 

CVP分析は、どれだけ稼げば黒字になるのかを

図と数字で説明することになります。

 

限界利益と営業利益の目標指標になりますね。

 

会社の業績をよくするためには、

・売上の増加
・利益率の向上

2つしか選択はないわけです。

 

ここで詳細な分析を経理担当者さんがして

提案できればよい経理担当者さんになれます。

 

売上の増加は営業だけの仕事ではありません。

得意先ごとに売上の移動年計表を作成して

棒グラフと折れ線グラフを作ってみてください。

 

私が過去にそういった分析をやったところ、

関与先で次のようなことがありました。

 

関与先の得意先で毎年5月ー7月まで

仕事を受注できない期間があったのです!

 

分析してみないとこういったことは

分かりません。

 

試算表の数字を眺めているだけでは

絶対に発見できないことなのです。

 

CVP分析から売上の中身を分析する

という手法は会社に利益を与えます。

 

それと変動費についてですね。

 

売上と連動する変動費は経理側だけでは

判別が難しいことがあります。

 

なぜなら売上と直結していない費用だけども

変動費に該当することがあるからです。

 

例えば、旅費交通費は良い例だと思います。

営業に行くのに交通費を使いますが、

売上と連動して上がっていくわけではないです。
(将来の売上に連動していると考えられます。)

 

それと原価に入れているから変動費

という判断は短絡的になってしまいます。

 

例えば、製造工場の賃料、資材を置く土地の賃料

といったものは通常原価に計上しますが、

CVP分析上では固定費になると思います。

 

このように考えていくと、

意外に変動費が少なくて固定費のほうが多かった!

なんてこともあり得ます。

 

そうなってくるとコストカットを考えた時に

削減の方策も変わってきますね。

 

例えば、工場と資材置き場が一緒になっている

場所を探して賃料・運送代の圧縮をするといった

考え方もできるようになると思います。

 

意外ですが、経理担当者さんであっても

会社の利益向上に一役買うことができます。

 

 


編集後記

今日は訪問はありませんね。

記帳代行の資料がいろんなところから来たので

今日は記帳代行大祭りを自分で開催します!

 

仕事が終わったら買い物と映画を見てこようかと

思っています。

 

 

 

ではぼっち税理士の齋藤でした~
それではまた👍

 

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この記事は、その時の状況、心情で書いています。
また、法令に関しては、その後改正された場合には、
異なる取り扱いになる可能性があります。

 

 




ABOUT US
齋藤 幸生税理士・行政書士・経営革新等支援機関・ブロガー
都内税理士事務所にて7年間の勤務後独立。 2017年に税理士として独立後は建設業、フォワーディング業、IT業に特化した税務を行っています。また財務支援として資金繰り支援(会社の資金繰りと資金調達支援)を行っています。行政書士としては建設業許可、利用貨物運送事業の許可業務に特化しております。