中小企業の一人総務経理へのリスク対応を税理士が解説!




中小企業の一人総務経理へのリスク対応を税理士が解説!

こんにちは!

 

ぼっち税理士の齋藤幸生です!!

 

今回のテーマは・・・

一人総務経理のリスクです!!

 

中小企業に関与していると割と見る

一人総務経理担当者ですが、

 

落とし穴のようなリスクが潜在していることに

社長が気が付いていないことが多いです。

 

関与税理士もあまり組織について

いうことははばかられるため、

社長へアドバイスすることはありません。

 

それでは、スタートです!!

 

一人総務経理のリスクとは?

一人総務経理のリスクは2点存在します。

 

①本人が辞めた時のリスク

②不正チェックのリスク

 

一人で会社の総務と経理をやっているので、

上記のリスクは免れません。

 

このリスクに対応できる唯一の人は、

社長だけになります。

 

まずは、このことに気が付いて欲しいです。

 

では、一つずつ確認してきます。

 

辞めたときのリスク

まずは、一人総務経理の担当者が辞めたときの

リスクについて解説していきます。

 

一人総務経理となると、ほぼ会社を仕切っている

と言っても過言ではありません。

 

仕事ができる人であれば、事実上、

総務経理であるにも関わらず。

 

総務+経理+人事*財務

以上の4つを牛耳っている状態です。

 

こんな人が辞めたときにどうするのかです。

 

まず、辞めた穴埋めの人員補充が必要です。

ハローワークを使えば募集はできますが、

人材の質に影響する場合がほとんどです。

 

要するに、あまり良い人材が来てくれる

という訳ではありません。

 

この点、人材バンクなどを活用したとしても

同様のことは起こります。

 

従って、新たな人材募集は社長が行いますから、

社長の時給換算した時給×募集に使った時間

これが、機会損失となります。

 

つまり、社長さんの人材募集に使った時間分だけ

営業などの売上に回せば取れていたであろう

ことを犠牲にしているのです。

 

実際には、社長さんの時給以上の機会損失が

生じるはずです。

 

なぜなら、取ってく来れるはずの売上が

取ってこれないことになるからです。

 

さらに、人材バンクなど使うと、

採用した人の年収の35%が紹介料として

発生する点も考えものですね。

 

それと、新しい人が来るまでの対応ですね。

外注に回すとなると、恐らくは税理士や社労士が

対象となります。

 

記帳代行、給与計算などに別途報酬が必要で、

この点の支払が増えますね。

 

そして、新しい人が見つかった後の

育成時間も必要ですね。

 

なんせ、前任者が辞めてしまっている状態かも

知れませんから、当然引継ぎなんてありません。

 

外部の税理士や社労士から記帳や給与計算の

助言を受けることはできますが、

どのように仕事をやっているのかを社長が紐解いて

教えねばならないことになると思います。

 

ですから、社長が教える時間について

発生する時給分だけが機会損失となります。

 

よく中小企業で起こるのが、社長さんが

採用した人にすべて丸投げをしてしまうパターンです。

 

つまり、後はあなたに任せた!

という感じです。

 

精神的に弱い人だと、

すぐに辞めてしまうことになります。

 

不正チェックのリスク

一人総務経理だと、不正のチェックを

誰も行わないことが挙がります。

 

つまり、一人総務経理のやりたい放題

ということになるわけです。

 

数字に強くないから・・・

という社長さんがいます。

 

月次の報告を受けていても、

よくわからないので行われない

となっていませんか?

 

経理をやっている人間からすれば、

不正にお金を会社から引き出すことは

簡単にできますよ!

 

一人総務経理は総務と経理だけをやっている

という訳ではないと思います。

 

未収金や未払いの管理、給料の振込など

お金にまつわるエトセトラをやっているのが

普通ではないでしょうか?

 

数字を見ないとどうなるかというと、

こんな単純な不正さえ見つけることが

できません。

 

給料の振込時に、一人総務経理の担当者へ

給料以上の金額を振り込むことさえ分かりません。

 

単純な手法ではありますが、

給料という通常業務に隠れた振込は

意外にもチェックされないことが多いです。

 

税理士が関与しているから大丈夫!!

と反論をする社長さんがいるとは思いますが、

 

税理士は給料の振込額と通帳の移動を

突き合わせてチェックするといったことは

しませんよ?

 

基本的には、会社から提示された会計資料は

性善説に立って確認を行います。

 

そのうえで、税法上のミス、処理を変えて

税務リスクの軽減を提言するといったことを

することが税務顧問の仕事です。

 

このように不正に関するけん制機能がないのが

中小企業ですから、リスクとなるのです。

 

リスクへの対応を!

上記のリスクに対応するためには

どうすれば良いのかを考えます。

 

対応の方法は割と簡単です。

普通に考えられることをやれば良いのです。

 

辞めたときのリスクへ対応する

答えは、簡単です。

一人にしないです!

 

一人総務経理が辞めると会社はかなりの

機会損失を抱えることになります。

 

ですから、最低2人で対応することです。

 

ここで、考えてほしいのは、

正社員2人にして対応することではない

ということですね。

 

通常、中小企業では、一人で回せる規模では

正社員2人も必要ないことが普通です。

 

ですから、アシスタントを付けて、

業務を分散させることを提案します。

 

例えば、経理の入力はアシスタントに

やってもらうようなことです。

 

つまり、会社が回る基本的な雑務をやってもらうと

理解をして頂きたいです。

 

アシスタントは、パートタイムで

社会保険の対象とならない範囲で働いて

もらうということでも良いと思います。

 

そうすれば、会社としては労働保険の負担だけで

済みますので、コスト負担は最小限です。

 

 

 

 

不正への対応

不正への対応も割と簡単です。

一人総務経理の担当者から月次の報告を

受けることだけでもけん制効果があります。

 

それで、疑問や分からないことを

本人へ質問していくのです。

 

恐らく、社長さんの月次での報告における

疑問点は一人総務経理の担当者からすれば、

無意識のところで知っている領域です。

 

担当者ご本人の説明スキルの向上も

期待できます。

 

社長さんは収支ベースと損益ベースの

違いを理解できるようになると良いです。

 

そうすると、資金繰り、損益、収支が

感覚的に分かってきます。

 

その中で、おかしなお金の流れは

させない効果が出てくると思います。

 

おかしいと思った点は、すべてチェックです。

内部統制と言いますが、

 

内部統制を中小企業へ適用すると

逆に業務がうまく行かなかったりします。

 

締めるところは締めて、

緩めるところは緩めるのが会社経営として

柔軟性があって良いと思います。

 

組織育成はどこから始めるか?

上記までのことは、組織育成の話です。

 

中小企業では、会社経営と事業運営が

混同されがちです。

 

社長さんが外観的に言う言葉で、

うちは(規模が)小さいから・・・

ということがあります。

 

規模が小さいことと、会社経営は別のことです。

 

規模が小さいとは事業が小さいということなので、

会社経営は会社全部を見て判断します。

 

この点、自社でどこまでバックヤード業務を

行うのかという判断も考える必要がありますね。

 

実際に、一人総務経理の会社となる目安は、

年商が1億円を超えるような会社からです。

 

それまでは、税理士や社労士へ外注に出して、

コストを抑制するのが普通だと思います。

 

両方に依頼したとしても、年間で200万円を

予算として考えておけばおつりがくるはずです。

 

正社員を雇うと考えた場合には、

年収200万円で事業会社が人を雇えるとは

私は思いません。

 

こうしたことを踏まえて、バックヤード業務のどこまでを

会社の内部に残してやって行くのかを考えます。

 

私が関与して思うに、

一人総務経理の担当者を雇っている

意味がないことがあります。

 

つまり、なぜ自社内に総務経理がいるのかという

なぜ?への答えがないのです。

 

総務と経理は主に、給料計算などのHR業務と

帳簿作成から始まる経理業務+財務業務に分かれます。

 

こうしたことが一人で自社内でできる

何かしらのメリットを社長さんが享受したいと

思っているのだと思います。

 

総務経理は社長さんと距離が近いです。

つまり、社長さんの意向が反映できる人が

近くにいることになります。

 

組織育成を考えると、バックヤード側からやって、

総務と経理で会社の守りを固めていくことが

王道のやり方です。

 

売上などの営業については、

会社は仕事をしないと生きていけませんので、

社長さんが口を出さずともうまく回ることが多いです。

 

しかし、会社の内部のことは、

社長さん自身が決めていかないと決まりません。

 

組織育成を考えた場合には、

総務と経理は重要なのです。

 

この点、重要性を認識していない

社長さんがたくさんおられるのか現実です。

 

 


編集後記

今日は9月決算の会社の申告書チェックをして、

分岐別の消費税の申告書も作成しようかと

思っています。

 

先週くらいから、自分のビジネスの件で

外出する機会が多いのでちょっと疲れ気味です。

 

今週は大学院が休みとなっていると

それがちょうどよかったと思っています。

 

 

ではぼっち税理士の齋藤でした~
それではまた👍

 

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この記事は、その時の状況、心情で書いています。
また、法令に関しては、その後改正された場合には、
異なる取り扱いになる可能性があります。

 

 




ABOUT US
齋藤 幸生税理士・行政書士・経営革新等支援機関・ブロガー
都内税理士事務所にて7年間の勤務後独立。 2017年に税理士として独立後は建設業、フォワーディング業、IT業に特化した税務を行っています。また財務支援として資金繰り支援(会社の資金繰りと資金調達支援)を行っています。行政書士としては建設業許可、利用貨物運送事業の許可業務に特化しております。