租税法とはどんなことをやるのか?【税理士業】




租税法とはどんなことをやるのか?

今回は、租税法について解説していきます。

 

私は恥ずかしながら、独立してようやく

租税法の学習を始めました。

 

実際にやってみると、学術的な見解もありますが、

それとともに、通説、判例を用いた考え方、

より実務の対応を学ぶことが多いです。

 

それでは、スタートです!!

 

租税法とは?

初めに、租税法とは?ということを

解説していきたいと思います。

 

租税法とは?

租税法という法律が存在するわけではない

ということは、ご存知だと思います。

 

基本的には、以下の法律を考えていく

学問的なものだと言えます。

 

国税通則法、所得税法、法人税法、消費税法、

相続税といった法律関係を体系化して、

学んでいく学問と言えます。

 

ですから、基本的には国税全般的な法律について

手続法、実定法から考えていくことになります。

 

租税法で考えていくこと

租税法の問題点を考えていくことに

なります。

 

ですから、ある取引について、税法では

こういった取扱いとなるが、

文言においては、解釈が必要なこともあります。

 

この点、判例から考えてくこともありますし、

どういった検討をすればよいのか

ということも当然考えていきます。

 

ですから、税理士試験の税法科目のように、

ある取引について、画一的な回答をすればよい

ということではないです。

 

確かに、正解となる回答が存在するのであれば、

回答となり得ますが、

 

問題点を考察する場合には、

回答が無い場合もありますね。

 

例えば、行為事実があったとして、

それを民法での取引と同様に税法を適用すると

租税を過少にしか納付しない様な取引と

なった場合には、その取引は税法上の取引に

引き直すことができるのか?

といった検討も行います。

 

例えば、本来は交換で取引を行えばよいものを

2つの売買をすることで、租税負担を回避する

といった手法が税法上認められるのか?

ということですね。

 

上記で検討される判例は岩瀬事件が

広く知られているところです。

 

私法上の取引で認められている取引を

税法固有の取引に引き直して課税権を行使して

それが認められるのか?ということですね。

 

判決は私法上で行わなれる取引を

明文の規定がない税法固有の取引に直して

課税をすることはダメ!となっています。

 

このように、私法上(例えば民法)で選択可能な

法形式を税金計算上で、税法固有の法形式に直して

課税を行う場合には、明文規定が必要という

判断になることが分かります。

 

租税法とは、このようにして

考えていくことになります。

 

実務に活かす租税法

それでは、租税法を実務に活かそうと考えると

どのようにすればよいのでしょうか?

 

税金の流れを考える

税金がどのように課税されるのかという

流れを考えることになります。

 

この辺りは、税理士先生であれば基本的に

できる分野であると思いますが、

 

実際に説明せよ!と言われると

ちょっと難しいのではないでしょうか?

 

要するに、事実行為を課税要件に当てはめることで

課税を決定していくことです。

 

例えば、収入に関して言えば、

会計上の実現主義で処理することが普通です。

 

この点、何を持って実現とするのか?

ということが問題となりますね。

 

つまり、実現という部分については、

解釈の余地があるわけです。

 

基本的には、財・サービスの提供と

その対価を収受する権利を得た時でしょうが、

 

例えば、不動産事業で、敷金を受け取って、

2年後から償却して、返金がなされない

といった場合には、どのように売上に

計上すれば良いのか?ということになります。

 

また、IT事業で保守を請求することがありますが、

アメリカの会計基準では、契約日から売上に

計上する会計処理をしません。

 

この場合に、アメリカの会計基準で

収入計上することが公正処理基準になるのか?

ということを検討しなければなりません。

 

このように、会計処理上では、収入計上が

問題となり得なくても、

 

税金計算は、課税の公平性を確保する観点から、

どういった処理が公平性に資するのかということを

検討します。

 

ですから、租税法規における、税金の課税の流れを

考えることは実務でも活かすことができる

分野であると思います。

 

 

 

 

 

税務判例から考える実務

租税法については、税務判例から考えることも

もちろんありますね。

 

例えば、有名な判例ですと、

荒川民商事件です。

 

昔の判例ではありますが、

未だに形成権があり、拘束されます。

 

荒川民商事件では、税務調査における

必要と認められるときについての解釈が

判示されたことが有名です。

 

税務調査は、税理士業務において、

注目される業務の一つであると思います。

 

税務署と色々交渉するといったことが

ネットや巷では言われていますが、

 

税金の課税の公平性の観点からすれば、

交渉の余地などないはずです。

 

交渉の余地があるということは、

法解釈にそれぞれの立場から違いがあり、

その解釈の違いが課税される、されない

という結論になるわけです。

 

事業における税務調査における資料の取扱いについて、

ネットビジネスをやっているから、

プラットフォームのデータをすべて提供する

必要性があるのかということも検討の余地があります。

 

要するに、解釈の異なりをどのようにして、

相手に説明して、税務署に有利な解釈を止めるのか

ということにも使うことができるわけです。

 

 

税務コンサルティングに生かす租税法

私が租税法を学習するに至った理由としては、

税務コンサルティングの現場において、

必要な知識であると思ったことです。

 

国際的な租税回避スキームをするわけではなく、

どのようにすると、課税されずに、

無駄な税金を支払う必要がなくなるのか?

という観点から関与したいと思っています。

 

この点、要件事実と課税要件といった

事実行為と法律行為をきちんと分けて、

 

そして、文理解釈が租税法規の原則的な

立場であることを知っておくことで、

税務コンサルティングをすることができます。

 

例えば、私が得意としている国際税務では、

未だに、租税条約の届出書の提出によって、

源泉所得税の減免や軽減の適用ができる

といった誤った解釈をする人が後を

立ちません。

 

また、貿易実務においては、

EMSを多用する商品売買における

取扱について、問題が生じることが

多々あります。

 

価額が20万円の判定はどこで行うのか

という問題ですね。

 

国際税務特有の問題ではありますが、

判断の根拠を知って、それを事実に落とし込む

という逆説的ではありますが、

そういった手法をアドバイスすることが

できるようになります。

 

そういった意味で、租税法を

税務コンサルティングに活かすことで、

新たな収益に結びつけていったり、

 

さらに専門分野を先鋭化させることが

できるのではないかと思います。

 

 

 


編集後記

今日は、朝から顧問先へ訪問でした。

ですから、ブログの更新も夕方となりました。

 

最近、マクロ、VBA、RPAに

ようやく着手することができる時間的

余裕が生まれてきました。

 

まずは、請求書システムとそれを弥生会計に

入力するシステムを作ろうかなあと思います!

 

 

ではぼっち税理士の齋藤でした~
それではまた👍

 

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この記事は、その時の状況、心情で書いています。
また、法令に関しては、その後改正された場合には、
異なる取り扱いになる可能性があります。

 

 




ABOUT US
齋藤 幸生税理士・行政書士・経営革新等支援機関・ブロガー
都内税理士事務所にて7年間の勤務後独立。 2017年に税理士として独立後は建設業、フォワーディング業、IT業に特化した税務を行っています。また財務支援として資金繰り支援(会社の資金繰りと資金調達支援)を行っています。行政書士としては建設業許可、利用貨物運送事業の許可業務に特化しております。