【決算分析と資金繰り】決算を行って確認できる資金繰り改善の考え方

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【決算分析と資金繰り】決算を行って確認できる資金繰り改善の考え方

こんにちは!

 

税理士・行政書士・社会保険労務

の齋藤幸生です!

 

今回は・・・

決算分析から考える資金繰り

改善の考え方を解説します。

 

それでは、スタートです!!

 

資金繰り改善のための決算分析とは?

決算分析とは

決算書の数字で割合を計算して数字を確認すること

になります。

 

資金繰り改善のための

決算分析のポイントになる

指標は

①棚卸資産回転率

②売掛債権回収率

③仕入債務回転率

になります。

 

それぞれ次のような意味が

あります。

①1年間で何回、商品が仕入されて販売されているのかを確認できます

②どれくらいの期間で売上金が回収できているのかを確認できます。

③どれくらいの期間で仕入代金を支払っているのかを確認できます。

 

上記がそれぞれどのように

資金繰りに影響するのかは

後述します。

 

これらの指標を確認するときに

前提として持っておく考え方は

1年間の平均値である点です。

 

決算書は貸借対照表では

決算末日時点の金額が

表示されます。

 

対して損益計算書は1年分の

損益が表示されます。

 

決算分析では1か月分の金額で

1年間の金額を割るため

1年間の平均値でしか確認

できないことになります。

 

 

回収と支払いサイトの改善

資金繰り改善の最初は

①売上債権の回収期間を短くすること

②仕入債務の支払期間を長くすること

③在庫を少なくすること

を検討することです。

 

決算分析では年間の平均で

数字が表示されます。

 

売掛債権の構成は売掛金と

受取手形になります。

 

まずは、売掛金だけで構成

されているものを解説します。

 

決算分析では取引先ごとに

売掛債権の回収期間を確認する

ことが難しいです。

 

このため、取引先ごとの回収

期間を確認してみます。

 

この中で2か月以上の回収期間

が発生する取引を抽出してから

 

回収期間を早める交渉や

理由付けをして取引先を

説得する必要があります。

 

受取手形も発生する場合には

手形割引を行い早めの資金回収

を行うように検討します。

 

現在だと紙の手形よりもでんさい

の方が多い可能性がありますので

 

手形割引をやってくれて

割引料が少なくて済む銀行で

行うことも検討をします。

 

このように少しずつ資金回収の

早期化を図っていきます。

 

因みに、手形割引は銀行から

すると今後の顧客になってくれる

可能性がある見込み客です。

 

財務条件などは銀行によりますが

信金などでは全く取引がなくても

応じてくれる可能性があるので

 

事業所近くの信金でお願いすると

うまくいくことがあります。

 

 

次に支払期間の見直しです。

実際には2つの考え方をします。

 

1つ目は単純な支払期間を延ばす

試みを行います。

 

売掛債権の回収と合わせて

仕入債務を支払うことができれば

 

売上金の回収によって仕入債務

を支払うことが可能になります。

 

浮いたお金で設備投資や

販管費の支出に余裕が出る

ことがあるので

 

あまりにも取引先有利な

期間の場合には交渉をします。

 

特に卸業だと商品の納期前の

支払を要求されることがあるので

こちらを通常の支払期間へ変更

できないかを検討します。

 

次に値下げ交渉になります。

中小企業では最も難しい交渉に

なると考えています。

 

しかし、1%でも値下げできれば

年間で1千万円の取引がある場合

10万円浮く計算になります。

 

これだけでも資金繰り改善の

足がかりになります。

 

このような取引先が20社あると

仮定すると年間で200万円の

支払を減少させることができます。

 

値下げになる理由を見つけたり

して取引先と交渉をしてみましょう。

 

在庫をお持ちの事業であれば

在庫はあまり持ちたくないです。

 

売れるまでは倉庫代などの

販管費がかかってしまい

 

仕入債務以外の隠れた資金

圧迫の原因になりえますし

 

商品管理のコストも追加で

発生するため棚卸資産の回転率

向上を考えることになります。

 

例えば、商品が販売されるまで

3か月を要するという数字がある

場合には

 

前もって仕入先に発注する量を

調整するとか

 

発注するタイミングを遅らせる

とかといった考え方があります。

 

利益の向上で資金繰りを改善する考え方

さて、資金繰り改善に最も

効果があるのは利益の向上です。

 

売上債権と仕入債務の視点から

申し上げると

 

売上債権ー仕入債務=利益債権

といったイメージになります。

 

こちらは収支計算での利益

になります。

 

上記の計算からわかることは

売上債権を増やして仕入債務

を減らすと利益は増えます。

 

抜本的な資金繰り改善では

売上債権を増やすことになります。

 

つまり、売上を増やすことです。

 

売上は

単価×販売数

で計算されるので

 

単価と販売数を向上させれば

売上は増えることになります。

 

ただ、販売数を増やすと

仕入債務も増える場合には

 

そもそも仕入債務が先払いに

なる可能性があるため

 

資金を維持できるのかを

検討しておく必要はあります。

 

さて、仕入債務が増えないよう

売上を増やすためには

単価を上げることになります。

 

単価は市場価格がありある程度

固定されていることが多いです。

 

しかし、単価をいくら上げたら

今までの販売数から減少するのかは

やってみないとわかりません。

 

まずはやってみるしかない

というのが現実です。

 

私見になりますが100円の商品

が110円になったからと言って

 

販売数が半分になることは

考えられないと思います。

 

150円にしたらどうでしょうか?

従前の金額から50%の値上げです。

 

これだと販売数は減少する可能性

が高いかなと思います。

 

私が言いたいことは従前の

商品の単価を上げる場合には

 

従前の商品に何か単価が上がる

ものを追加して販売して

 

それが値上げ分の価値があると

多くの人に納得感があれば

販売数は減少しない可能性がある

と考えます。

 

 


編集後記

資金繰りが厳しい場合には

色々な要因が絡まっている

ことがあります。

 

いきなり全部を何とかする

のは非常に難しいです。

 

すでに難しい状態で事業を

やっているため変化させる

ことが難しいからです。

 

私が考える方法は数字を改善

するためにどういった行動を

すればよいのかです。

 

売掛債権の回収に3か月かかり

仕入債務は1か月で支払っている

という場合には

 

売上金が入ってくるまでの

2か月間は自社のお金で

事業を回す必要があります。

 

この間に商品を発注したら

2か月分の仕入債務のお金も

必要になり

 

さらに販管費も必要になり

いくらお金があっても足りない

資金構造になります。

 

お金があることはそれだけ

大きな金額で事業をやることが

できることになりますので

 

資金繰りを改善させることで

今までできなかったことが

できるようになります。

 

 

では税理士・行政書士・社会保険労務士

の齋藤幸生でした!!

 

それでは、また!

 

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この記事は、その時の状況、心情で書いています。
また、法令に関しては、その後改正された場合には、
異なる取り扱いになる可能性があります。

 

 




ABOUT US
齋藤 幸生税理士・行政書士・経営革新等支援機関・ブロガー
都内税理士事務所にて7年間の勤務後独立。 2017年に税理士として独立後は建設業、フォワーディング業、IT業に特化した税務を行っています。また財務支援として資金繰り支援(会社の資金繰りと資金調達支援)を行っています。行政書士としては建設業許可、利用貨物運送事業の許可業務に特化しております。