新型コロナウイルス感染症特別利子補給事業について解説!




新型コロナウイルス感染症特別利子補給事業について解説!

こんにちは!

 

税理士・行政書士の齋藤幸生です!

 

今回は・・・

新型コロナウィルス感染症特別利子補給事業について

解説する記事です。

 

新型コロナウィルス感染症特別貸付については

一定の要件のもとに最長3年間の利子補給を受けて

実質無利子化になる制度があります。

 

今回は、ようやくその実質無利子化の申請の概要が

中小機構から発表されましたのでご案内の記事となります。

 

それでは、スタートです!!

 

新型コロナウィルス感染症特別利子補給制度とは?

制度の概要

特別利子補給の対象となる貸付に対して支払う

最長3年間分の利子相当額を一括で助成する

制度となります。

 

助成金(利子補給金)の交付を受け

その助成金を利子の支払に充てることで

借入当初から最長3年間は実質的に無利子となります。

 

助成対象期間終了後、交付された助成金と

実際に支払った利子額に差が生じた場合は

追加交付または助成金の返還により精算することになります。

 

特別利子補給制度の対象貸付

日本政策金融公庫(日本公庫)、沖縄振興開発金融公庫(沖縄公庫)

商工組合中央金庫(商工中金)、日本政策投資銀行が行う

以下の貸付制度が特別利子補給の対象です。

 

公的金融機関名 利子補給制度の対象となる貸付
日本公庫 中小事業 新型コロナウィルス感染症特別貸付
日本公庫 国民事業 ・新型コロナウィルス感染症特別貸付

・生活衛生関係営業新型コロナウィルス感染症特別貸付

・小規模事業者経営改善資金(マル経)(新型コロナウィルス感染症関連)

・生活衛生関係営業経営改善資金特別貸付(衛経)(新型コロナウィルス感染症関連)

沖縄公庫 中小企業資金 新型コロナウィルス感染症特別貸付
沖縄公庫 生業資金 ・新型コロナウィルス感染症特別貸付

・小規模事業者経営改善資金(マル経)(新型コロナウィルス感染症関連)

・沖縄雇用・経営基盤強化資金貸付(沖経)(新型コロナウィルス感染症関連)

商工中金 新型コロナウィルス感染症特別貸付(危機対応融資)∗中小企業向け制度に限る
日本政策投資銀行 危機対応業務(危機対応融資)

 

既往の債務の借換をしたとしても

借換した後の制度の貸付が上記に該当すれば

特別利子補給の対象となります。

 

対象者

売上高の要件

①小規模企業者(個人事業主、事業性のあるフリーランス含む)
⇒要件はありません

②小規模企業者(法人事業者)⇒売上高15%以上の減少

③中小企業者等(上記①、②を除く)⇒売上高20%以上の減少

 

小規模企業者と中小企業者等の判定

本事業の「(別紙2)申告書」の裏面にある

「日本産業分類(注区分番号)表」に基づき定義されます。

 

因みに、このような感じとなります。

 

対象者に関連するその他の事項

常時使用する従業員の定義は正社員・パート・アルバイト

すべての人が対象となります。

個人事業主ご本人や会社の役員は従業員に含まれません。

 

日本産業分類の業種を特定するときに複数事業を

行っている場合には最も売上高が高い事業で判断します。

 

 

新型コロナウィルス感染症特別利子補給制度申請の流れ

申請の流れについて

①申請資料の入手

借入を行った金融機関より申請に必要な資料が

2020年8月下旬以降郵送されてきます。

 

②申請

①の資料を作成して事務局宛の専用封筒で郵送します。

 

③審査

事務局により、申請内容が交付の要件を満たしているかどうか

審査が行われます。

申請に不備があった場合には電話・メール等で連絡が来ます。

 

④交付決定

事務局の審査の結果、交付の要件を満たしている場合には

事務局から「特別利子補給助成金交付決定通知書」により

交付決定及び事務局が計算した助成金額が通知されます。

 

⑤助成金交付

事務局より申請書に記入した振込先の口座に助成対象期間の

利子相当額が一括で振り込まれます。

 

⑥助成対象期間中

助成対象期間中に対象貸付の条件変更や約定外返済により

利子の支払額に変更が生じ、交付された助成金と金融機関に

支払った利子額に差が生じた場合、助成金の追加交付や

返納手続について通知されます。

 

⑦助成期間終了・精算

助成対象期間終了後には、金融機関からの情報に基づき

事務局より「特別利子補給助成金確定通知書」が送付されます。

 

交付された助成金と金融機関に支払った利子額に差が生じている場合

追加交付または助成金の返納により精算されます。

 

 

申請について

本ブログを書いている2020年9月1日現在では

金融機関から申請書類が送られてきたという

報告は私の関与先からはありません。

 

今後、報告があると思われます。

 

申請に必要な資料は以下の通りです。

①(様式1)特別利子補給助成金交付申請書及び請求書

②(別紙1)誓約・同意書

③(別紙2)申告書(A~Dのいずれか該当する1枚)
・申告書A 業歴1年1ヵ月以上の法人の方
・申告書B 業歴3ヶ月以上1年1ヵ月未満の法人等の方
・申告書C 業歴1年1ヵ月以上の個人事業主の方
・申告書D 業歴3ヶ月以上1年1ヵ月未満の個人事業主等の方

 

上記のうち、中小機構のホームページからは

②と③の書式はPDFで公開されています。

新型コロナウイルス感染症特別利子補給事業について

 

申請の方法は郵送だけとなります。

 

金融機関から申請に必要な資料が郵送されてきますが

その中に事務局宛の専用封筒が同封されています。

 

その専用封筒を使った郵送となりますので

注意が必要となります。

 

もし申請書を紛失した場合には

貸付を受けた金融機関に問い合わせることになります。

 

ただし、商工中金から貸付を受けている場合には

事務局まで連絡することになります。

 

申請を行った資料の還付制度はありませんので

郵送する前にコピーやスキャンするなどして

保管することをお勧めします。

 

新型コロナウィルス感染症特別利子補給制度申請について

申告書作成に必要な資料

申告書の内容は次の客観的にわかる資料を基に

記入をすることになります。

 

記入内容 根拠なる資料の例
業種番号 商業登記簿謄本、定款など
常時使用する従業員数 事業概況説明書、労働保険概算・増加概算確定保険料申告書、標準報酬月が決定通知書、従業員名簿など
月別の売上高 確定申告書、決算書、試算表、売上帳など

 

申告書作成に使用した根拠資料の提出は不要ですが

申請日から10年間保管することになっています。

事務局が必要に応じて資料の提示を求めることがあるためです。

 

売上の減少の判定

【ステップ1】
減少した売上高を「基準となる月の売上高」として、

「最近1ヵ月」、「翌月」、「翌々月」の売上高から

いずれかを選び記入します。

 

【ステップ2】

(業歴1年1ヵ月以上の方)
「比較する時期の売上高」を、「ステップ1」で選んだ

基準となる月の「前年同期」または「前々年同期」の

売上高から選び記入します。

 

(業歴3か月以上1年1ヵ月未満の方)
「最近1ヵ月から遡った3ヶ月の平均売上高」、

「令和元年10月から12月の平均売上高」、

「令和元年12月の単月売上高」からいずれかを

選び記入します。

 

【ステップ3】

ステップ1で記入した売上高とステップ2で記入した

売上高を比較し、売上減少率が要件を満たしているか

確認します。

 

上記については中小機構のQ&Aがあり

売上の判断について詳細に解説されていますので

ご確認ください。

新型コロナウィルス感染症特別利子補給制度に関するQ&A

 

申請後に変更が生じた場合

以下の内容に変更があった場合には

速やかに、事務局へ「申請内容変更届」の

提出が必要となります。

 

・氏名、商号又は名称を変更した場合

・法人である場合における代表者を変更した場合

・住所、電話番号又はメールアドレスを変更した場合

 

 


編集後記

ようやく利子補給が助成されることになります。

ただ私としてはちょっと不満があります。

理由は一括で概算を助成する制度だからです。

 

通常、利子補給制度は法人税・所得税の課税対象となります。

3年分を一括で助成されたときには将来の利子分に対応する

助成金について課税されることになります。

 

この点、今年の事業が赤字であれば税金は課税になりませんが

黒字になった場合には問題なのではないかと思います。

 

それと、助成期間が終了するまでは実質的に借換や繰り上げ返済は

行わない方が良いです。

理由は今回の助成金について返納しなければならなくなるからです。

 

借換や繰り上げ返済を行う場合には助成期間が

修了した後に行うのが現実的であると考えます。

 

 

では税理士・行政書士の齋藤幸生でした!!

それでは、また!

 

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この記事は、その時の状況、心情で書いています。
また、法令に関しては、その後改正された場合には、
異なる取り扱いになる可能性があります。

 

 




ABOUT US
齋藤 幸生税理士・行政書士・経営革新等支援機関・ブロガー
都内税理士事務所にて7年間の勤務後独立。 2017年に税理士として独立後は建設業、フォワーディング業、IT業に特化した税務を行っています。また財務支援として資金繰り支援(会社の資金繰りと資金調達支援)を行っています。行政書士としては建設業許可、利用貨物運送事業の許可業務に特化しております。