税理士試験の科目選択は実務にどう影響するのか?




税理士試験の科目選択は実務にどう影響するのか?

今回は、税理士試験の科目選択は実務に

どう影響するのかを考えます!

 

私見ですが、税理士試験で申告納税方式の

税金を中心にした方が実務では役に立ちます。

 

加えて、法人税、消費税の知識は

もはや必須とさえ言えるわけです。

 

実務を通して学んでいくという選択も

ありますが、税理士試験に合格していると

+アルファの知識がついてきますので、

かなり有利となる感は否めません。

 

それでは、スタートです!!

 

税理士試験は実務に直結か?

初めに、税理士試験は実務に直結しているのか

ということを検討したいと思います。

 

税理士試験の実務への影響

税理士の実務においては、分解して考える

必要があります。

 

記帳代行業務では、仕訳をするわけですが、

この仕訳をするときに消費税の知識が必要です。

 

それに、創業支援をやっている場合には、

創業期から消費税の課税事業者となるのかどうか

といった検討も必要となります。

 

つまり、実務では処理面で使う消費税の知識と

税務コンサル面で使う知識が異なります。

 

処理面は実際にどのような処理があるのか

という知識をもとに処理を行います。

 

税務コンサル面は、手続きの知識が必要で

その適用関係でアドバイスが変わってきます。

(実際にはキャッシュフローと翌事業年度以降の
納付額などを加味して考えるわけですが)

 

結論としては、税理士試験は実務に必要な知識を

得るのに有用な試験であると思います。

 

税理士事務所の時間短縮

さて、新人が入ってきた場合に問題となるのが

教育分野のことになります。

 

丸っきりの素人と税法受験者では当然

教えるときの言い回しが異なります。

 

税理士業界は専門商売です。

従って、専門用語が飛び交うことは当たり前です。

 

この点、税法受験者だと専門用語について

すでにハードルは低くなります。
(院免の人たちも学習を通して知っているので
この点に差はないと思います。)

 

ですから、教える方としても楽に感じるはずです。

専門用語を使えますし、分かりやすい言葉で置き換えて

説明する必要性がないからです。

 

また、仕事を任せるにしても任せやすいです。

 

たとえば、法人税の別表作成です。

細かくは無理だとしても、前年を参考にやり、

計算方式を理解させればいいわけです。

 

つまり、税理士試験で税法科目を通ってきた

新人であれば、個人のスペックはピンキリですが、

教える工数は素人さんに教えるよりもかからない

ということになろうかと思います。

 

 

税理士業界に就職で有利な科目は?

さて、税理士業界に就職したい人が疑問に思うことが

就職に有利な税理士試験科目です。

 

こちらを解説してきたいと思います!

 

就職に有利な科目は?

就職したい税理士事務所によるわけですが、

資産税に特化しているような事務所だと、

所得税、相続税、消費税だと思います。

 

法人メインでやっている税理士事務所であれば、

法人税、消費税だと思います。

 

現状としては、税理士事務所は2つに構造が

分かれていると思われます。

 

法人メインと資産税メインです。

 

法人メインの税理士事務所のほうが多いですね。

昔ながらの税理士事務所から、国際税務特化、

業種特化など色々な税理士事務所があります。

 

資産税に特化している税理士事務所は、

基本的には相続税がメインですが!

 

事業をやっている個人がいたりすると、

手続きで、所得税や消費税の知識が必須になります。

 

また、相続後のバイアウトについても検討したり、

法人の経営者で、自己株式の取得スキームを

考えるとなると微妙に法人の知識も必要で、

その時々で気が付かないと大変なことになる

場合がありますね。

 

ですから、就職時点では、法人税、所得税、

相続税、消費税のうち、法人税、所得税が

もっとも就職に有利になる科目だと思います。

 

 

 

 

就職したら仕事をやらせてもらえるか?

税理士事務所の方針によるかと思います。

 

また、新人ができる仕事は意外に限られていて、

仕事をそのまま任せることは危険だと思います。

 

昔と違って、すぐ税賠になりますので、

ある程度の経験がものをいう世界です。

 

税法合格したから、すぐやらせてもらえる

ということでない点は覚えておくことが良いです。

 

私の例をお伝えしますと、

相続税法の学習をしていた2年目に

初めて相続案件を任されました。

 

とはいっても、私がその税理士事務所に

就職してから初めて事務所で受けた相続案件

だったわけですが・・・

 

それで、非常に円滑な相続だったようで、

相続人は2人、財産分与済み、もめてない、

財産も全部把握されているという状態で

まるで相続税の試験問題のような状態でした。

 

土地の評価も倍率方式の界隈だったので、

固定資産税評価表明書ベースでできました。

 

それが・・・

 

相続税の試験は問題とならなかったことが

色々と現実では問題となるのです。

 

まずは、預金の出金が明確でないわけです。

説明を受けましたが、生前贈与加算するかが

微妙なところでした。

(結果として、主張をそのままで生前贈与加算せずに
申告しましたが)

 

また、山を持っているようで、立木の評価が

ありましたね。

 

問題では、3つの割合をかけて評価しますが、

その3つの割合を出す方法があります。

 

小出し価格などですね。

山から切って、ふもとへ下ろす作業があり、

それを持って割合を決めます。

 

申告報酬を低くしたいとのことだったので、

現地に行くことができず、前の申告を参考に

変わっていないことを前提で計算しました。

 

まあ、このような実務上の難しさがあります。

どのように仕事についての考えがあるかは

人それぞれですが、実務には試験にはない

難しさが潜んでいることを知っておくことが

肝要ですね。

 

 

税理士試験で取った方が良い科目は?

それでは、上記を踏まえて、

税理士試験で取った方が良い科目は?

という色々議論となるところです。

 

結論としては、税法科目は3つだけしか

受験できないことを前提とすると、

 

法人税法、所得税法、消費税法、相続税法の

4つから選択することになります。

 

このうち、就職の場を広くしたいのであれば、

法人税、所得税、消費税ですね。

 

相続税は捨てるということです。

 

まあ、受験するとはまってしまう可能性が

高い科目でもあるので、そう簡単にオススメを

することができない現実的な面もあります。

 

また、近年の傾向としてですが、

納税者も税理士にも向き不向きがあることを

知っている傾向があります。

 

加えて、仕事をする税理士側も宣伝がうまく

なっている傾向がありますので、

自分の専門性を前面に打ち出してやっています。

 

この点、資産税は専門特化している

税理士事務所に行くことが普通です。

 

ですから、相続税の知識としては、株の評価くらいで、

より専門的な土地の評価については、

外部の専門家集団を使った方が良い場合もありますね。

 

あとは、将来独立を目指すのであれば、

上記の税法は全部必要とはなりますので、

ちょっと話は変わってきます。

 

独立したい場合には、法人税、消費税、相続税の

3つを選択することをお勧めします。

 

理由は、所得税は巷で売っている租税法を

購入して読めば実務上はやけどしません。

 

それに、税理士になれば分かりますが、

周りの税理士はそれほど学習していません。

 

所得税は年に1回の関与となっているので、

知識の比重は、法人税や消費税と異なります。

 

また、相続税は全般的な知識を持っているのと

そうではないとのことでは、独立後の精神的な

安定感が異なります。

 

私は独立後のほうが、相続の案件に関わって

いますし、実際に申告する回数が増えています。
(たとえば、住宅取得等資金の非課税措置と
住宅ローン控除ダブル適用の申告など)

 

相続税と所得税のそれぞれの知識がないと

ちょっと申告を受けようかどうしようか

迷う案件になってしまうので、

全般的な知識の獲得が必要となりますね。

 

 

 


編集後記

今日は、1件申告書の作成・申告までやってから、

動画撮影を行いたいと思います。

 

最近根を詰めて色々やっていたことが

原因だと思いますが、自分の中の士気低下が

起こっています。

 

 

ではぼっち税理士の齋藤でした~
それではまた👍

 

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この記事は、その時の状況、心情で書いています。
また、法令に関しては、その後改正された場合には、
異なる取り扱いになる可能性があります。

 

 




ABOUT US
齋藤 幸生税理士・行政書士・経営革新等支援機関・ブロガー
都内税理士事務所にて7年間の勤務後独立。 2017年に税理士として独立後は建設業、フォワーディング業、IT業に特化した税務を行っています。また財務支援として資金繰り支援(会社の資金繰りと資金調達支援)を行っています。行政書士としては建設業許可、利用貨物運送事業の許可業務に特化しております。