【税理士業】これから独立開業する税理士のための知っておくべき税理士法のルール

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【税理士業】これから独立開業する税理士のための知っておくべき税理士法のルール

こんにちは!

 

税理士・行政書士・社会保険労務

の齋藤幸生です!

 

今回は・・・

独立開業をするための税理士向け

の税理士法について

最低限の解説を行います。

 

それでは、スタートです!!

 

二か所事務所と執務場所の違い

税理士法では40条において

事務所を設けなければならない

とされています。

 

同条3項においては

税理士は、税理士事務所を二以上設けてはならない

とされています。

 

現実に当てはめると

税理士事務所と呼称する事務所は

 

1つだけおくことができる

と解釈できます。

 

ここで税理士法の通達40‐1

によれば

税理士業務を行うための場所とは、税理士業務の本拠をいい、本拠であるかどうは、委嘱者等に示す連絡先など外部に対する表示に係る客観的事実によって、判定するものとする。

この場合において、外部に対する表示には、看板等物理的な表示やウェブサイトへの連絡先の掲載のほか、契約書等への連絡先の記載などが含まれることに留意する。

 

要するに看板を出す場合以外に

サイトや契約書に表示するものなど

 

住所も2つ以上もっては

いけないとされています。

 

税理士法の通達40-2では

二か所事務所の禁止について

以下のようにされています。

 

法第40条第3項の「税理士事務所を二以上設けて」いる場合とは、例えば、自宅以外の場所に税理士事務所を設け、40-1の「外部に対する表示」をしている状態で、自宅においても40-1の「外部に対する表示」をして税理士業務を行っている場合などをいう。

したがって、自宅等の税理士事務所以外の場所で税理士業務を行っていても、その場所に40-1の「外部に対する表示」に係る客観的事実がなく、法第40条第1項に規定する「税理士業務を行うための事務所」と判定される状態でない場合には、税理士事務所を二以上設けている場合には該当しない。

 

なぜこのように明確な通達を

設けているのかというと

 

原因はコロナでテレワークが

行われたからです。

 

現実では事務所が1つあり

自宅などで税理士業務をして

いる場合には

二か所事務所の禁止にあたるのでは?

という疑問を払しょくするため

新設された通達です。

 

以前から税理士業務はどこでも

できるという認識がありました。

 

ただ税理士業務を行っている

場所が事務所になるのではないか

という解釈をしている税理士もおり

 

こういった解釈をされないため

通達40-2が新設された経緯が

あったと記憶しています。

 

言い換えると税理士事務所と

執務場所の違いを明確にした

と考えられます。

 

業務処理簿の作成・保存

税理士法においては

業務処理簿

の作成義務があります。

 

知っていますでしょうか?

 

現在お勤めの事務所では

業務処理簿の作成はされて

いますでしょうか。

 

業務処理簿は

税理士法41条に規定する帳簿

になります。

 

税理士法41条では以下のように

なっています。

税理士は、税理士業務に関して帳簿を作成し、委嘱者別に、かつ、一件ごとに、税務代理、税務書類の作成又は税務相談の内容及びそのてん末を記載しなければならない。

 

同条2項では閉鎖後5年間

の保存義務があり

 

同条3項では電磁的記録を

もって作成することができる

旨の規定になります。

 

 

実務上では業務処理簿を

作成することは面倒なため

 

日税連の会員サイトの

税理士業務処理簿から

 

エクセルのひな形をダウンロード

して作成するとよいと思います。

 

業務処理簿に記載する内容は

日税連の税理士業務処理簿に

関するQ&Aから抜粋すると

 

委嘱者別に、かつ、1件ごとに、税理士業務(税務代理、税務書類の作成、税務相談)の内容及びそのてん末を記載します。

(税務代理) 申告、調査、処分に対する主張等について処理をした内容を日付順に記載します。

(税務書類の作成) 税務官公署に提出する書類で、財務省令で定めるものを作成した旨を記載します。

(税務相談) 相談者の個別具体的な納税義務にかかわるものにつき、相談内容及びそのてん末を記載します。

 

現実に当てはめると

税務代理と税務署類の作成は

なんとくイメージできますが

 

問題は税務相談をどこまで

書くのかといったことです。

 

これについてはQ&Aにて

以下のように説明されています。

業務処理簿を作成しなくてはならないのは「税理士業務」であることから、法第2条第1項第3号に規定する税務相談について記載する必要があります。

具体的には、基本通達2-6では、税務相談は、納税者からの具体的な質問に対して答弁し、指示し又は意見を表明することをいうとされていますので、これに該当する場合は、相談内容とそのてん末が最低限わかる程度に簡記する必要があります。

なお、以下のような相談は税務相談とはされないため、記載の必要はありません。

【税務相談とされない相談事例】

・具体的な答弁、指示、意見の表明を伴わない事務的な相談 例)
法定書類の提出期限、税務調査の日程等

・租税に関する法令に係る一般的な法解釈等の相談 例)
税制改正の概要等

・法第2条第2項の付随業務に関する相談 例)
財務書類の作成に関する相談、会計帳簿の記帳代行に係る相談等

 

例えば、インボイス登録をした

方がよいかどうかといった

相談を依頼者から受けた場合は

 

インボイス登録をすることで

消費税の納税義務に影響するので

 

相談として業務処理簿へ簡潔に

記載する必要があると考えられます。

 

懲戒処分を受けないための対応

懲戒処分とは税理士法では

以下のようになっています。

44条(懲戒の種類)
税理士に対する懲戒処分は、次の三種とする

・戒告

・二年以内の税理士業務の停止

・税理士業務の停止

 

44条に紐づく税理士法が45条違反

と46条違反になります。

 

45条が脱税相談等をした場合の

懲戒になり

 

46条は一般の懲戒として

規定されているところです。

 

国税庁が公表している懲戒処分

を確認してみると

 

45条違反では

故意による不真正税務署類の作成

があります。

 

要するに脱税に加担して

事実とは異なる申告書を作成

したという認定です。

 

税理士法36条違反になりますので

懲戒処分が行われます。

 

46条違反ではおおむね2つが

あります。

・税理士法第41条に規定されている帳簿の作成義務違反

・自己脱税行為による信用失墜行為

 

帳簿の作成義務違反は2つ目に

解説した業務処理簿の作成を

怠ったという違反です。

 

懲戒処分の対象になる可能性

があるため、実務上のポイントです。

 

自己脱税は、2年連続の期限内申告

の脱漏とか不正な所得圧縮による

税金逃れですね。

 

これが信用失墜行為として

税理士法37条違反になるとして

懲戒処分になります。

 

税理士法による懲戒処分について

全部を知る必要はないのですが

 

毎月各会から発行されている

機関紙が郵送されてきて

 

懲戒処分された事案などの

公表が行われています。

 

こちらを基にあなたの行為

を戒めて行動することが

懲戒処分を受けない方法です。

 

 


編集後記

公表されている懲戒処分を

確認していると

 

税理士業の停止中に申告書を

作成していたとか

 

請求がないにもかかわらず

会社に無断で請求書を作成して

更正の請求書を提出していたとか

 

ちょっと・・・え!?という

行動をしている人がいます。

 

一般的な行動規範に則って

税理士業をしているのであれば

 

基本的には懲戒処分になる

ということはないかと思います。

 

 

では税理士・行政書士・社会保険労務士

の齋藤幸生でした!!

 

それでは、また!

 

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この記事は、その時の状況、心情で書いています。
また、法令に関しては、その後改正された場合には、
異なる取り扱いになる可能性があります。

 

 




ABOUT US
齋藤 幸生税理士・行政書士・経営革新等支援機関・ブロガー
都内税理士事務所にて7年間の勤務後独立。 2017年に税理士として独立後は建設業、フォワーディング業、IT業に特化した税務を行っています。また財務支援として資金繰り支援(会社の資金繰りと資金調達支援)を行っています。行政書士としては建設業許可、利用貨物運送事業の許可業務に特化しております。