社員旅行の実施には注意点がありますよ!!




今回は社員旅行の実施と問題点について紹介します。

★社員旅行が福利厚生費になるのはなぜか?

社員旅行(慰安旅行)は社会通念上、相当な金額の範囲内であれば福利厚生費として給与課税されないということになっております。その理由は以下のように考えているからです。

①会社行事として行われるレクリエーションなどは、ほとんど半強制的に行われるため、従業員に対する経済的利益があったとしても自由に処分(現金化)できず、納税を強制できないこと

②会社行事から従業員が得られる経済的利益は少額なことが想定できること

③慰安旅行等を行うことは一般的であり、これを給与課税することは国民感情的に受け入れられないものであること

 

★社員旅行を福利厚生費にするには税務行政側の要件がありますよ

以下の要件をすべて満たしていないと給料として認定される可能性があります。

①旅行の期間が4泊5日以内であること(海外の場合には、外国での滞在日数が4泊5日であること)→飛行機での宿泊数はカウントされない点にご留意ください。

②旅行に参加した人数が全社員のうち50%以上であること

 →工場や支店ごとに行う旅行はそれぞれの職場ごとの人数の50%以上の参加が必要

 

実務上は、上記の通達があるのでそれに合わせて税理士からの提案があると思います。

ただし、総合勘案して判断してくる場合もあるので誰が旅行に参加したのか、人数は何人だったのかを説明できるようにしておくことが必要です。

 

★社員旅行でも給与課税されるときがありますよ!!

給与課税されるときは、以下のような場合です。

 

①自己都合で旅行に参加できなかった従業員へ金銭を支給した場合

 →参加者・不参加者を問わず給与課税されます!

  金銭との選択が可能な旅行を含むので選択制にしてはいけません。

 

②役員だけで行う旅行

 →1人社長だけの会社の場合には給与課税される可能性が高いです!

  というのは、私的な旅行との区別をすることが難しいからです。

 

③取引先に対する接待、供応、慰安等のための旅行

 →要するに交際費なのでは?ということです。

 

★研修旅行に関する留意点

会社の業務を行うための研修に関する旅行は原則として給与課税されません。理由は、最初に触れた理由の通りです。ただし、会社の業務を行う部分とそうでない部分が混在しているような旅行に関しては、給与課税の可能性を孕んでいますので注意が必要です。したがって、研修旅行の場合には、誰が行ったのか、研修旅行のスケジュール、業務として行った内容といったことを説明できる資料を用意しておくことが必要となります。

 

 

なお、次の場合には会社の業務を行うためとはなりません。

①同業者団体の主催する、主に観光旅行を目的とした団体旅行

②旅行のあっせん業者などが主催する団体旅行

③観光渡航の許可をもらい海外で行う研修旅行




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齋藤 幸生税理士・行政書士・経営革新等支援機関・ブロガー
都内税理士事務所にて7年間の勤務後独立。 2017年に税理士として独立後は建設業、フォワーディング業、IT業に特化した税務を行っています。また財務支援として資金繰り支援(会社の資金繰りと資金調達支援)を行っています。行政書士としては建設業許可、利用貨物運送事業の許可業務に特化しております。