外国法人及び外国法人子会社のグループ法人税制




今回は外国法人や外資系子会社のグループ法人税制について実務上のポイントを紹介したいと思います。

★グループ法人税制とは

グループ法人税制とは、端的に申し上げると、100%の子会社・親会社という関係になっている場合をいいます。この場合に重要なところが、最上位の親法人の資本金が事業年度年度末日に5億円以上かどうかということになります。

 

★資本金が5億円以上の外国法人親会社の場合はどのような影響があるのか?

この場合には、法人税の計算にて以下の措置が適用できなくなります。

①法人税の軽減税率

②留保金課税の適用

③貸倒引当金の法定繰入率の不適用

④交際費の定額控除限度額の不適用

⑤欠損金の繰り戻し還付と欠損金の一部控除除外

 

★外資系子会社の場合の判断ポイント

外資系子会社の場合には、いろいろな関連企業で持ち合いをしている場合があります。それであってもまずは、資本金5億円以上、かつ、100%の株式を持っている法人がないかどうかというところを出資関係で探していくことになります。ちなみに、外資系なので資本金は日本円以外になりますので、その外資系子会社のメインバンクの決算日のTTMで親会社の資本金を円換算して5億円以上かどうかの判断をしていくこととなります。

 

★外国法人の場合の判断ポイント

外国法人は、日本に支店等を出店している法人です。この場合には、本店(外国にある)の資本金を判断するのみならず、本店の出資関係についても確認が必要です。本店の上にさらに別の法人がある場合もありますので、この点は注意が必要だと思います。あとは、上記の外資系子会社の場合と同じように判断をすれば問題ありません。

余談ではありますが・・・、外国法人ですと別表2の同族判定に関する明細書を作成するかどうかという対応の問題が存在します。これについては、作成した方がいいと私は考えています。というのは、近年、ようやく国税局が外国法人のグループ法人税制の適用に気が付いたらしく本店の株主名簿の提出を求められるようになってきました。ですので、痛くない腹を探られるのは気持ちの良いものではありませんので、最近は別表2を作成して提出するようにしています。

 

外資系は、日本の企業と比べて金額の桁が1つ以上多いことがあります。今年の申告に関しても1社だけ親会社の資本金判定を失念して結果、資本金が5億円以上であることが決算を終えてから確認でき、お客様にご迷惑をかけてしまいました。私のような凡ミスを皆さんにはしてほくないと思っています。

 




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齋藤 幸生税理士・行政書士・経営革新等支援機関・ブロガー
都内税理士事務所にて7年間の勤務後独立。 2017年に税理士として独立後は建設業、フォワーディング業、IT業に特化した税務を行っています。また財務支援として資金繰り支援(会社の資金繰りと資金調達支援)を行っています。行政書士としては建設業許可、利用貨物運送事業の許可業務に特化しております。