【年金とiDeCoの関係】iDeCoに加入できる、加入できないを改正内容を含めて解説
こんにちは!
税理士・行政書士・社会保険労務
の齋藤幸生です!
今回は・・・
年金とiDeCoの関係を改正も
含めて解説します。
それでは、スタートです!!
年金に加入していないとiDeCoに加入できない?
iDeCoの加入対象者は
国民年金の被保険者
になります。
属性別に考えると
①自営業:国民年金第1号被保険者
②会社員:国民年金第2号被保険者
③専業主婦(夫)など:国民年金第3号被保険者
になります。
国民年金は国籍など関係なく
日本に住んでいる人20歳以上の
全員が加入者になる国民皆年金制度です。
ただし、現実では国民年金の保険料
を支払っていないことがあり得ます。
この場合には、iDeCoに加入できない
とか、すでにiDeCoに加入していて
国民年金の保険料を支払って
いない場合にはiDeCoは積み立てられ
その後手数料が差し引かれてお金が
戻される仕組みになっています。
また、原則60歳以上になったとか
海外居住者はiDeCoに加入すること
はできません。
こちらは、改正があったので
後ほど解説しておきます。
これまでをまとめると
日本に住んでいる人は20歳以上
であれば、国民年金の被保険者になる
しかし、国民年金の保険料を支払って
いない場合はiDeCoに加入できない
又は積み立てができないとなります。
国民年金の保険料を支払っていない
ことが発生するのは
国民年金第1号被保険者になります。
2号被保険者は会社員のため
給与から社会保険として天引き
3号被保険者に至っては
保険料の支払いは発生しないからです。
iDeCoの改正ポイント
iDeCoの改正は3つポイント
があります。
①新たに加入できる属性の人が追加された
②企業型DC加入者がiDeCoを利用しやすくなった
③iDeCoの拠出限度額が変わる
令和4年5月以降から次の人が
iDeCoへ加入できるようになりました。
①会社員などで60歳以上65歳未満の方
②60歳以上65歳未満で国民年金に任意加入している方
③国民年金に任意加入している方
この改正が最もボリュームが
多いので詳しく解説します。
会社員は国民年金第2号被保険者
に属しています。
この意味は、厚生年金の被保険者
であるという属性です。
厚生年金では70未満まで加入する
ことになりますのでiDeCoの改正で
65歳未満まで加入できるようにした
という考えです。
60歳以上65歳未満で国民年金に
任意加入しているとは
国民年金は最大で480か月(40年)まで保険料を納付すると自動的に納付は必要なくなるのですが過去に免除とか保険料を支払っていなかったという場合に、満額となる月まで納付していない人は国民年金に自ら加入(これを任意加入といいます。)して64歳までは国民年金を支払う制度
です。
このような方も国民年金の
被保険者になるためiDeCoに
加入できる人になるという
考え方です。
日本人が海外に住むようになると
国民年金の強制加入者ではなくなる
仕組みになっています。
すると自動的にiDeCoの加入資格を
失うことになり不合理です。
こうしたことをなくすために
海外居住者の日本人には
国民年金に自ら加入する制度
である任意加入があります。
こうして国民年金の被保険者に
なるのでiDeCoにも加入できる
ようになる考え方です。
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任意加入には加入要件がある
ので要件を満たさないと加入
できない恐れがあります。
企業型DCの加入者がiDeCoを
利用しやすくなるのは
次の改正があったためです。
令和4年10月から
①iDeCoに加入できなかった企業型DC加入者も加入できるようになった
②iDeCoの掛金額は企業型DCの事業主掛金と合計して月額上限5.5万円になった
ただし
・掛金の支払いが各月拠出であること
・企業型DCのマッチング拠出を利用していないこと
が条件になります。
iDeCoの拠出限度額が変わる
というのは次の改正があるためです。
令和6年12月から
①確定給付型の他制度に加入する場合のiDeCoの拠出限度額が1.2万円から2万円になります。
②iDeCoの掛金額は、各月の企業型DCの事業主掛金額と確定給付型ごとの多制度掛金相当額と合算して月額上限5.5万円になります。
詳しく解説すると膨大になるため
掛金額と拠出限度額についてだけ
解説します。
掛金額とはiDeCoでお金を支払う
ことができるお金になります。
掛金額には加入している制度
によって支払うことができる
お金の限度額があり
こちらを拠出限度額といいます。
なぜこのようになっているのか
というと勤め先の企業によって
確定給付企業年金などの優遇
された国民年金以外の制度が
あります。
これにさらにiDeCoまで上限なく
お金を支払うことができるように
なってしまうと
経済的な貧富の差によって
老後にもらうことができるお金に
差が出ることを防止するためです。
iDeCoへの拠出限度額が変わる制度
国民年金にはiDeCo以外に
老後に受給することができる
年金を増やす年金があります。
①国民年金基金
②付加年金
になります。
両方とも国民年金だけに加入
することになる第1号被保険者
になる属性の人が加入できます。
つまり、自営業者だけが
上記の制度に加入可能です。
これらとiDeCoとの関係性を
解説しておきます。
iDecoと付加年金、iDeCoと
国民年基金は両方とも加入できます。
では、iDeCo、付加年金と
国民年基金の3つに加入すれば
老後の年金を最大化できるね!!
となるとよいのですが
付加年金と国民年金基金の
両方に加入することはできません。
結果、以下の組み合わせになります。
①国民年金、iDeCo、国民年金基金
②国民年金、iDeCo、付加年金
話は変わりましてiDeCoと付加年金
iDeCoと国民年金基金といういずれか
に加入した場合には
拠出限度額が変わること
になっています。
第1号被保険者の拠出限度額は
月額6.8万円と決められています。
6.8万円はiDeCo単体の拠出限度額
ではなく、併用した付加年金又は
国民年金基金と共有されます。
付加年金は月額400円と決まって
いるためiDeCoの拠出限度額は
67,000円になります。
制度上で1,000円未満は切り捨て
になるため、67,000円が限度です。
国民年金基金とiDeCoでは
6.8万円を分け合う関係のため
半分ずつの掛金額にした場合
3.4万円ずつ掛金を支払うという
ことになります。
拠出限度額があるためそれぞれの
制度を考えて掛金をどうするのか
を検討することになります。
編集後記
iDeCoは老後に年金又は退職金
として受給することができます。
この点、勘違いが生まれるのは
iDeCoを年金でもらうと死亡する
までずっと受給できる終身年金
のように考えている方が多いと
考えています。
しかし、iDeCoは最大で75歳まで
受給することができる有期年金です。
国民年金基金又は付加年金
は死亡するときまで受給できる
終身年金になります。
以上のことから選択するときは
どれを多くもらったほうがよいのか
を検討することになります。
では税理士・行政書士・社会保険労務士
の齋藤幸生でした!!
それでは、また!
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