【固定残業代】トラブルにならないための固定残業代の考え方

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【固定残業代】トラブルにならないための固定残業代の考え方

こんにちは!

 

税理士・行政書士・社会保険労務

の齋藤幸生です!

 

今回は・・・

トラブルを防止するための

固定残業代の考え方を解説します。

 

それでは、スタートです!!

 

 

固定残業代とは?

名称にかかわらず、一定時間分の時間外労働、休日労働および深夜労働に対して定額で支払われる割増賃金のこと

 

実務上では法定と所定という

考え方があり固定残業代が発生する

ためには法定労働時間以上働くとか

 

法定で休みになっている日に

労働をした場合に発生します。

 

まずは、法定と所定の考え方の

違いを理解する必要があります。

 

法定労働時間という法律で

決められた労働時間は

1日に8時間、1週間に40時間まで

になります。

 

所定労働時間は事業者が任意に

労働者に働くことを要求している

時間になり

例えば、9時から18時までで12時から13時までは1時間の休憩

といった時間になります。

 

上記の例では9時から18時まで

で1時間の休憩がありますので

労働時間は8時間になり

 

法定労働時間=所定労働時間

になります。

 

休日労働は休日に働いてもらった

労働時間になり、法律の休日は

1週間に1回あるいは4週を通じて4日以上付与すること

になります。

 

イメージとしては1週間で日曜日

のみを休日したような感じです。

 

事業主が日曜日を休日と定めた

場合には日曜日に労働をしたら

休日労働になります。

 

この点、週休2日制を採用して

土日が休みとした場合では

 

法定の休日が日曜日と定めて

いたとすると土曜日の労働は

休日労働になりません。

 

しかし、土曜日に労働することで

週40時間の労働時間を超えた場合には

土曜日の労働は時間外労働になります。

 

深夜労働も法律になっており

深夜業とは、午後10時から翌日午前5時まで

になっています。

 

固定残業代として割増賃金の

対象になるものをまとめると

・1日8時間を超えた場合の時間

・1週間40時間を超えた場合の時間

・休日労働をした時間

・深夜労働をした時間

になります。

 

すると割増賃金の計算上では

二重になるケースがあります。

 

・時間外労働と深夜労働

・休日労働と深夜労働

・時間外労働と休日労働

 

上記は次のようになります。

・時間外労働と深夜労働の両方になった場合
→5割以上の割増賃金を支払う必要あり

・休日労働と深夜労働の両方になった場合
→6割以上の割増賃金を支払う必要あり

・時間外労働と休日労働の両方になった場合
→3割5分以上の割増賃金を支払う必要あり

 

時間外労働と休日労働の両方

になった場合だけ率が低いのは

 

法定休日には労働時間という

概念が存在しないからです。

 

法定休日は仕事が完全に休みの日

になるため労働をしていたとしても

労働とはしないという考え方です。

 

結果、時間外労働と休日労働の

両方が発生することはないとなります。

 

 

 

固定残業代でトラブルが発生する理由は?

昨今、固定残業代でトラブルが

発生してきているようです。

 

厚生労働省が公表している

固定残業代のパンフレットに

よると

ハローワークにおける、求人票の記載内容と実際の労働条件の相違に対する申出・苦情で一番多い内容は「賃金に関すること(固定残業代含む)」になっているそうです。

 

民間職業紹介機関を利用して

就職活動をした人の不満では

「求人条件と採用条件が異なっていた」という不満で一番多い内容は「賃金に関すること(固定残業代を含む)」になっているそうです。

 

労働者が側の不平不満は上記の

通りになっているのですが

 

実際に発生するトラブルを

裁判例で確認してみると

 

事業者が時間外労働などで

発生する割増賃金について

明らかに理解不足があって

 

トラブルが発生していると

確認することができます。

 

 

 

平成24年3月8日最高裁判例

契約内容:基本給は41万円、月間総労働時間が180時間を超えた場合には、超えた時間につき1時間当たり一定額を別途支払、月間180時間以内の労働時間時間中の時間外労働がされても基本給が増額されることはない。

判決:基本給について通常の賃金と割増賃金に当たる部分とを判別することはできず、時間外労働をした場合に月給41万円を支払ったとしても、その支払いにつき時間外労働分を支払ったとすることはできない。

 

この判例は有名なものなのですが

契約上では基本給+固定残業代で

41万円としているところ

 

通常の労働時間である1日8時間

1週間40時間に対応する基本給と

 

固定残業代として時間外労働を

した分とを分けていないため

 

基本給+固定残業代相当として

事業者が支払った41万円では

 

時間外労働分として判別できない

ため時間外労働を支払うべき

という判断になった判例です。

 

事業者と労働者が最高裁まで

争ったことを考えるとおそらく

 

事業者は41万円に時間外労働も

含まれているという主張を行い

 

労働者はどの部分が時間外労働

に対応するものが不明なので

 

時間外労働分の割増賃金を

支払ってくださいという主張

になっていたと考えられます。

 

固定残業代でトラブルを防止するためには?

こうしたトラブルを回避する

ためには募集要項や求人票

に次のような記載をすることが

前提になります。

①固定残業代を除いた基本給の額

②固定残業代に関する労働時間数と金額等の計算方法

③固定残業時間を超える時間外労働、休日労働、深夜労働に対して割増賃金を支払う旨

 

固定残業代でトラブルになり

やすいことは固定残業代に

対応する時間外労働を超えた部分

の支払いがあるかどうかです。

 

固定残業代のメリットは労働者

にとっては残業を少なくすれば

得をすることになり

 

事業者にとっては固定残業代

で支払うため、その分の残業を

労働者に求めることができ

 

給与計算でいちいち時間外労働

の割増賃金を計算する手間を

省くことができます。

 

給与明細でトラブルになりやすい

ことがらとしては

①割増賃金が支払われているかどうかが明示されていない

②月間の総労働時間がどれくらいだったのかが明示されていない

ということです。

 

これらに関する裁判例があり

こちらを防止するためには

給与明細には、固定残業代を明示するとともに、時間外手当、休日労働手当、深夜手当、月間の総労働時間数、出勤日数、休日出勤日数

といったことを明示しておくこと

が必要になってきます。

 

要するに基本給で全部入れ込んで

計算してしてしまうとか

 

対応する割増賃金に対応しない

名称の手当で支払うことは避ける

ことになります。

 

 


編集後記

固定残業代を支払うからと言って

事業者が労働時間の管理をさぼって

よいとはなっておりません。

 

労働時間は事業者が現認する

べきものとされてるからです。

 

固定残業代を支払うから

労働時間の管理はしなくても

よいというルールにはなって

いないというわけですね。

 

忘れてはならないことは

割増賃金を支払うような

 

時間に労働をさせる場合には

36協定は事前に提出していないと

いけないことになっています。

 

 

では税理士・行政書士・社会保険労務士

の齋藤幸生でした!!

 

それでは、また!

 

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この記事は、その時の状況、心情で書いています。
また、法令に関しては、その後改正された場合には、
異なる取り扱いになる可能性があります。

 

 




ABOUT US
齋藤 幸生税理士・行政書士・経営革新等支援機関・ブロガー
都内税理士事務所にて7年間の勤務後独立。 2017年に税理士として独立後は建設業、フォワーディング業、IT業に特化した税務を行っています。また財務支援として資金繰り支援(会社の資金繰りと資金調達支援)を行っています。行政書士としては建設業許可、利用貨物運送事業の許可業務に特化しております。