【割増賃金の計算方法】残業、休日、深夜の賃金はどうやって計算するのか?

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【割増賃金の計算方法】残業、休日、深夜の賃金はどうやって計算するのか?

こんにちは!

 

税理士・行政書士・社会保険労務

の齋藤幸生です!

 

今回は・・・

割増賃金の計算方法について

解説した記事です。

 

それでは、スタートです!!

 

割増賃金が発生する労働を理解する

割増賃金とは法定労働時間以外の

労働時間が発生したときに

 

基本給に上乗せして支給しなければ

ならない賃金になります。

 

法定労働時間とは

1日8時間・週40時間

になります。

 

上記を超えた労働時間が従業員に

発生したときに割増賃金を事業者は

支払わないといけなくなります。

 

実務上では3つの種類に応じて

割増賃金が発生する可能性があります。

①時間外労働

②休日労働

③深夜労働

 

以上をわかりやすい言葉に

直すと

①時間外労働は残業

②休日労働は休日出勤

③深夜労働は深夜残業

と言われると思います。

 

3つの発生原因について少し

深堀しておきます。

 

時間外労働では法定労働時間を

超えた労働時間です。

 

例えば、会社の労働時間が

9時から17時となっている場合では

 

17時以降から時間外労働になる

というわけではないです。

 

通常、12時から13時までにお昼休憩

が1時間設定されていると思われます。

 

すると、17時までの時間は7時間

になりますので、17時から18時の

1時間は法定労働時間内になります。

 

18時1分以降の時間が時間外労働

になるわけです。

 

休日労働も法定と一般的な感覚では

異なります。

 

労働基準法では週1日を休ませれば

よいことになっていますから

 

土日を完全週休2日制にしている

場合の土曜日の出勤は休日に

ならないです。

 

この場合だと、休日労働になるのは

日曜日になります。

 

なお、休日は事前に会社が決めて

おくため、日曜日が必ず休日労働に

なるというわけではありません。

 

不動産業で水曜日と木曜日を

完全週休2日制にしている場合は

水曜日と木曜日に出勤したとしたら

 

木曜日が休日労働になる

というわけです。

 

深夜労働は最もわかりやすいです。

22時から翌朝5時までの間に

労働させたときに発生します。

 

 

割増賃金の割増率、計算方法、除外できる手当を理解する

割増賃金が発生する3つの種類

では割増賃金を計算する割増率

というのが決まっています。

 

①時間外労働:原則2割5分上

②休日労働:3割5分以上

③深夜労働:2割5分以上

 

上記のポイントを解説しておきます。

間違った解釈がでてくるのは

〇割〇部以上についてです。

 

時間外労働をしたと仮定して

時給が1500円だったとしたら

 

1500×25%=375円(時給当たり)

を支給すればよいわけではありません。

 

基本となる時給+25%を支給する

という解釈になります。

 

したがって

1500×1.25=1875円が

時間外労働における時給になり

 

これに時間外労働の時間を乗じて

割増賃金を計算します。

 

法定では〇割〇部以上になっている

ため、割増率は最低の率になります。

 

最低でも上記の割増率は支払う

義務が事業者にあります。

 

 

割増賃金の計算は

時給×時間外労働、休日労働又は深夜労働の時間数×割増率

になります。

 

すると月給制を採用している場合

時給を計算することから始まります。

 

次のように時給を計算します。

前提:年間休日125日、1日の所定労働時間が8時間の会社、月給24万円

①(365-125)×8÷12=160

②24万円÷160=1500円

 

これは何をやっているのかというと

①では1か月の平均所定労働時間を計算しています。

②では、月給を①で割って時給を計算しています。

 

実務上の割増賃金の基礎に含まれない

手当のポイントは

①家族手当

②通勤手当

③別居手当

④子女教育手当

⑤住宅手当

⑥臨時に支払われた賃金

⑦1か月を超える期間ごとに支払われる賃金

以上のものは除外されます。

 

しかし、上記の名称と同一であっても

すべて除外するわけではありません。

 

家族手当でも扶養家族の人数や

実際に生じた通勤費、家賃に関係なく

一律で支給される住宅手当などは

 

基本給と同じ性質を持っているため

割増賃金の計算では除外できません。

 

 

除外できる手当の具体例を確認する

除外できる手当がわかりにくい!!

と普通だったら思います。

 

厚生労働省ではこの疑問に

答えるため具体例を公表しています。

 

特に家族手当、通勤手当、住宅手当

がわかりにくいため確認しておきます。

 

家族手当

割増賃金から除外できる家族手当とは、扶養家族の人数またはこれを基礎とする家族手当額を基準として算出した手当を言う。

とされています。

 

除外できる例と除外できない

家族手当の具体例

①除外できる具体例
扶養家族のある労働者に対し、家族の人数に応じて支給するもの。
(例)家族1人につき、1か月あたり配偶者1万円、その他の家族5千円を支給するなど

②除外できない具体例
扶養家族の有無、家族の人数に関係なく一律で支給するもの
(例)家族の人数に関係なく一律1か月5千円を支給するなど

 

通勤手当

割増賃金から除外できる通勤手当とは、通勤距離または通勤に要する実際費用に応じて算定される手当をいう。

とされています。

 

除外できる例と除外できない

通勤手当の具体例

①除外できる具体例
通勤に要した費用に応じて支給するもの
(例)6か月定期券の金額に応じた費用を支給する場合

②除外できない具体例
通勤に要した費用や通勤距離に関係なく一律に支給するもの
(例)通勤距離に関係なく、1日300円などとして支給する場合

 

住宅手当

割増賃金から除外できる住宅手当とは、住宅に要する費用に応じて算出される手当をいう。

とされています。

 

除外できる例と除外できない

住宅手当の具体例

①除外できる具体例
住宅に要する費用に定率を乗じた額を支給するもの
(例)賃貸住宅居住者には家賃の一定割合、持ち家居住者にはローン月額の一定割合を支給する場合。

②除外できない具体例
住宅の形態ごとに一律に定額で支給するもの
(例)賃貸住宅居住者に2万円、持ち家居住者に1万円を支給する場合

 

 

 


編集後記

割増賃金のポイントは給与明細

にどうやって反映させるのか

ということもあります。

 

この点、給与明細では

時間外労働は時間外手当

休日労働は休日出勤手当

深夜労働は深夜手当など

 

きちんと支給したように表示

させる必要があります。

 

割増賃金を適正に計算しても

基本給の金額に含めて支給すると

 

最悪、本当に割増賃金が支給されたのか

を判断することができなくなり

 

会社と従業員の間でトラブルに

なることがあります。

 

 

では税理士・行政書士・社会保険労務士

の齋藤幸生でした!!

 

それでは、また!

 

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この記事は、その時の状況、心情で書いています。
また、法令に関しては、その後改正された場合には、
異なる取り扱いになる可能性があります。

 

 




ABOUT US
齋藤 幸生税理士・行政書士・経営革新等支援機関・ブロガー
都内税理士事務所にて7年間の勤務後独立。 2017年に税理士として独立後は建設業、フォワーディング業、IT業に特化した税務を行っています。また財務支援として資金繰り支援(会社の資金繰りと資金調達支援)を行っています。行政書士としては建設業許可、利用貨物運送事業の許可業務に特化しております。