【インボイス制度】振込手数料の取り扱いを国税庁資料から解説

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【インボイス制度】振込手数料の取り扱いを国税庁資料から解説

こんにちは!

 

税理士・行政書士・社会保険労務

の齋藤幸生です!

 

今回は・・・

銀行で発生する振込手数料の

インボイス対応について

解説をします。

 

それでは、スタートです!!

 

振込手数料で仕入税額控除を受けるポイント

令和6年2月29日に国税庁は

お問い合わせの多いご質問を

更新して

 

銀行で発生する振込手数料の

仕入税額控除の保存対応を

追加しました。

 

これを基に解説します。

 

銀行で発生する入出金手数料や

振込手数料のインボイス対応の

原則は次の通りです。

①適格簡易請求書(以下、簡易インボイスという。)の保存

②一定の事項が記載された帳簿等の保存

 

国税庁が追加で公表した保存方法は

金融機関における入出金や振込みが多頻度にわたるなどの事情により、全ての入出金手数料及び振込手数料に係る適格簡易請求書の保存が困難なときは、金融機関ごとに発行を受けた通帳や入出金明細等(個々の課税資産の譲渡等(入出金サービス・振込サービス)に係る取引年月日や対価の額が判明するものに限ります。)と、その金融機関における任意の一取引(一の入出金又は振込み)に係る適格簡易請求書を併せて保存することで、仕入税額控除を行って差し支えありません。

国税庁 お問い合わせの多いご質問 問㉓より抜粋

 

上記の保存方法はETCと同じ

対応になります。

【インボイス制度】ようやくETCの保存要件が国税庁から公表されました

 

上記に該当するための判断の

要件は次の通りです。

①銀行での入出金や振込みが多頻度にわたるなどの事情があること

②すべての手数料についての簡易インボイスの保存が困難であること

 

実務上のポイントでは

①多頻度がどこまでの回数で判断するのか

②すべての簡易インボイスの保存が困難の事実はどこで判断するのか

ということになります。

 

文面の通り解釈すると

多頻度により保存が困難という

理屈になりますので

 

まずは銀行での取引が多頻度

になっていることを確認して

 

インボイスの保存が困難である

という筋道をたどります。

 

多頻度は個々人の感覚になる

と思いますが私の感覚では

月20件以上ある場合には

 

多頻度になるかなと感じるため

ここで線引きをしようと考えて

いるところです。

 

20件という数字に根拠はありません。

しかし、20件以上であれば

 

月の営業日はおおむね20日前後

になるため、1日に1度は銀行

取引を行っていると考えられ

 

1日に1回ごとに行われる

銀行取引の手数料のインボイスを

保存しておくことは手間がかかる

のではないかと考えるためです。

 

保存をする資料は

①銀行ごとに発行を受けた通帳や入出金明細等

②銀行ごとの任意の一の取引の簡易インボイス

以上の2つの保存をすること

 

通帳や入出金明細等には

カッコ書きがあります。

 

入出金サービス・振込サービス

の日付、金額が判明するものに

限るとありますから

 

一般的な通帳やWEBで発行可能な

入出金明細は該当すると考えます。

 

簡易インボイスについては

行う端末によって保存方法が

少し異なるため後述します。

 

実務上で適用したいのは

基準期間の売上高が1億円以下

の少額特例です。

 

振込手数料は1回の取引について

は1万円未満になるため適用可能

と判断できます。

 

銀行取引が多い場合には

振込などの取引回数に応じて

一定程度値引きがある手数料

になる可能性があります。

 

こちらは締め日にて請求される

手数料になりますが

 

こちらも1万円未満になる可能性が

高く、少額特例を使う検討ができます。

 

 

ATMでのインボイス保存方法とは?

結論から申し上げるとATMを

使って振込などをした場合に

かかった振込手数料は

 

インボイスの保存が免除される

ことになります。

 

これは何を基に判断できるのか

というと

 

ATMを使った振込などの

サービスは

不特定かつ多数の者に課税資産の譲渡等を行う事業に該当し、適格簡易請求書の交付対象になるものと解されます。

国税庁 お問い合わせの多いご質問 問㉓より抜粋

と国税庁は見解を述べています。

 

こちらのサービスに該当する

場合には金額が3万円未満であれば

インボイスの保存が免除される

ことになります。

 

というのはこの取引は

インボイスの交付が免除される

ために保存も行わなくてよい

ことになる考えです。

 

この取り扱いはお問い合わせの

多いご質問が公表される前の

 

消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&Aの問47

に解説されているところです。

 

 

 

 

実務的には振込手数料では

1回の取引ごとにかかります。

 

大きな金額を振込したとしても

660円くらいでしょうし

 

1回の取引につき3万円以上

になることは想定しずらいです。

 

勘違いが生まれそうなので

念のために申し上げると

 

インターネットバンキングで

振込をした場合にかかる

振込手数料は

 

インボイス交付免除の対象

の取引にはなりません。

 

インボイス交付免除になり

結果、インボイスの保存も

必要なくなるためには

 

①不特定かつ多数の者に行われる取引

②機械装置のみで取引が確定する取引

に限られています。

 

いわゆる自販機特例に該当する

取引だけです。

 

インターネットバンキングで

発生した振込手数料は

 

一番最初に解説したものに

該当するのであれば

 

そのように取り扱うことが可能

になりますし

 

そうでなければ原則の保存方法

にて対応することになります。

 

 

振込手数料のインボイスのデータ保存対応

話しは変わりますが

一番最初に解説した振込手数料

のインボイスは基本的に

 

データになっていることが

想定されるところです。

 

この場合の

①インボイスの保存対応

②電子帳簿保存法のデータ保存

こちらについて解説します。

 

一般的には振込手数料の

インボイスがデータで保存された

場合にはダウンロードして

保存することになると思います。

 

しかし、消費税では電子帳簿保存法の

データ保存と同じ保存方法でも

差し支えないことになっています。

 

つまり、いつでも振込手数料の

インボイスが確認できる場合には

電子帳簿保存法の保存要件を

満たす限り

 

インターネットバンキング上から

ダウンロードして保存する必要は

ないことになります。

 

この場合の電子帳簿保存法の

保存要件は

①改ざん防止がされないこと

②日付、取引先、金額で検索が可能なこと

になります。

 

①は真実性の確保になり

②は検索機能になります。

 

上記の①と②の両方を満たす

限りにおいては

 

インターネットバンキング上で

そのままの状態でインボイスを

おいておくことで

 

仕入税額控除の適用を受けても

何ら問題はないことになります。

 

 


編集後記

私の事務所には基本的に

関与先から電話がかかってくる

ことは少ないです。

 

かかってくるが多いのは

WEBの集客などの営業が多い

ことになります。

 

営業をどうやって断ろうかな

とある人に相談したところ

 

もう他の事業者と取引があるため

と言って断っては?とのこと

 

聞いた瞬間にまさしく

その通りだなと思いました。

 

今後は、このように伝えて

営業電話から逃げようと

思います。

 

 

では税理士・行政書士・社会保険労務士

の齋藤幸生でした!!

 

それでは、また!

 

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この記事は、その時の状況、心情で書いています。
また、法令に関しては、その後改正された場合には、
異なる取り扱いになる可能性があります。

 

 




ABOUT US
齋藤 幸生税理士・行政書士・経営革新等支援機関・ブロガー
都内税理士事務所にて7年間の勤務後独立。 2017年に税理士として独立後は建設業、フォワーディング業、IT業に特化した税務を行っています。また財務支援として資金繰り支援(会社の資金繰りと資金調達支援)を行っています。行政書士としては建設業許可、利用貨物運送事業の許可業務に特化しております。