インボイス制度が税理士業界へ与える影響

インボイス 税理士業界




インボイス制度が税理士業界へ与える影響

こんにちは!

 

税理士・行政書士の齋藤幸生です!

 

今回は・・・

インボイス制度によって

税理士業界に与える影響や

起こることを予想した記事です。

 

それでは、スタートです!!

 

インボイス制度が税理士業界に与える影響

インボイス制度が税理士業界に

与える影響は

 

①すべてのインボイスの確認作業

②仕入税額控除の要件を満たさない取引があったときの対応

③税務監査での資料確認作業で時間がかかる

④インボイスを確認しない限定責任の法的有効性

があると思います。

 

日税連の税理士への100の提言

に公表されている契約書を

使っている場合には

 

基本的に委任された事項の

法的責任は契約当事者である

税理士になると考えられています。

 

こちらの考え方を前提にすると

インボイス制度下での

 

仕入税額控除の要件に満たなかった

取引があったときに何かしらの

対応をせざるを得ないと思います。

 

例えば、関与先が取引先から

インボイスの要件に満たない

請求書を発行された場合は

 

仕入税額控除の要件を

満たさないことから

 

仕入税額控除ができない

判断になります。

 

では関与先が取引先について

インボイス発行事業者である

ことを確認しているにもかかわらず

 

その取引先がインボイスを発行

しなかった場合の対応も

税理士は適切なアドバイスを

行う必要があります。

 

このように場合分けをすると

すべての場面において税理士

又は担当者が

 

適切なアドバイスを

関与先へ行わないといけない

ということになります。

 

関与先が自計化している場合

税理士又は担当者が

 

関与先の書類を確認する義務が

生じるものと考えます。

 

なぜなら、日税連の契約書

ひな型を使うとすべての責任は

税理士になるためです。

 

この場合には税務監査において

会計ソフトのデータを確認する

だけで完了というわけには

いかなくなります。

 

結果、関与先に税務監査で

伺った時には資料を確認する

都合上

 

税務監査の時間が増える傾向に

なると考えます。

 

以上のことを回避するために

インボイスを確認しないとする

限定責任契約を

 

新たに締結するか又は

従前の契約書と連動する

覚書を締結する対応が

考えられます。

 

限定責任契約の内容として

想定できる文言は

 

インボイスを確認することは事業主が行うものとする

といった文言になると

考えられます。

 

これでインボイスを確認すること

と仕入税額控除の要件の確認は

関与先で行うことになりますが

 

関与先がインボイス制度で

仕入税額控除ができないとする

税務調査での事実認定をされた

場合に

 

税理士は全く責任を問われない

こととなるのかが争点になります。

 

私見になりますが

税理士は高度な善管注意義務

を要するという判例や

 

最終的には消費税の申告書を

作成及び提出するため

 

全くインボイスを確認せずに

申告書を作成したとなれば

 

損害賠償請求が行われる

可能性が出てくるものと

考えられます。

 

 

税理士のサービスの2極化

インボイス制度の導入によって

サービスの2極化が進む可能性

があると考えています。

 

すなわち

①記帳代行をやめる税理士

②従前のままを貫く税理士

になります。

 

中間には記帳代行を減らす

といった税理士もいるはずです。

 

インボイス制度の導入によって

記帳代行が税理士のリスクになる

と考える方はいると思います。

 

事実、新宿支部の先輩税理士に

話を来ていると

 

記帳代行をやめるまでは

いかないものの

 

今後は記帳代行を減らす

といった考えの方がいました。

 

 

 

記帳代行は2つのサービスに

分割されることになります。

 

今までの記帳代行

帳簿作成の原始資料を預かって入力する

 

インボイス制度の導入後

①インボイス要件に合っているかの確認作業と資料の収集

②帳簿作成

 

今後の記帳代行においては

別料金を設定する必要が

あると考えます。

 

例え関与先が拒否したとしても

税理士が消費税の申告書の作成

提出を代行する以上

 

最終的な判断は税理士が行う

必要が出てきます。

 

別料金を受け入れてもらえる

かどうかは関係がなく

 

書類の最終確認が必要になる

わけですね。

 

税理士業界が記帳難民を増やす可能性

インボイス制度下において

税理士が記帳代行を回避する

ことが増えていくと

 

記帳難民が増える可能性が

あると考えます。

 

記帳代行を継続する方には

ビジネスチャンスになります。

 

クラウド会計が普及している

とは言え一般納税者がやっている

記帳については

 

税法上の基準を下回って

いる可能性が高いと思います。

 

記帳難民が増えることで

今後の税理士業界のビジネス

シナリオとしては

 

①記帳代行をやってほしい分母が増える可能性

②記帳が不十分で税務調査の対応問い合わせが増える可能性

があると思います。

 

記帳代行をやってほしい

分母が増えるのは

 

インボイス制度の理解が進まず

不安を覚える層が増えると

考えるからです。

 

税務調査対応の問い合わせが

増えるのは

 

インボイス制度の理解があいまい

なまま自己申告をして

 

税務調査が入り対応ができない

方からの問い合わせが増える

と考えます。

 


編集後記

インボイス制度を知れば

知るほどインボイス制度が

延期になってほしいと考える

税理士は多くなると思います。

 

しかし、ビジネスだけに焦点を

当てると税理士の対応が必要な

案件が増える傾向になると

思います。

 

税理士としては痛しかゆし

といったところになると

思います。

 

 

では税理士・行政書士の齋藤幸生でした!!

それでは、また!

 

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この記事は、その時の状況、心情で書いています。
また、法令に関しては、その後改正された場合には、
異なる取り扱いになる可能性があります。

 

 




ABOUT US
齋藤 幸生税理士・行政書士・経営革新等支援機関・ブロガー
都内税理士事務所にて7年間の勤務後独立。 2017年に税理士として独立後は建設業、フォワーディング業、IT業に特化した税務を行っています。また財務支援として資金繰り支援(会社の資金繰りと資金調達支援)を行っています。行政書士としては建設業許可、利用貨物運送事業の許可業務に特化しております。