消費税の原則の計算は年間の取引の積み上げで行われている

消費税の原則の計算




消費税の原則の計算は年間の取引の積み上げで行われている

こんにちは!

 

税理士・行政書士の齋藤幸生です!

 

今回は・・・

消費税の原則の計算についての

記事になります。

 

それでは、スタートです!!

 

消費税の原則の計算に関する勘違い2選

消費税の原則の計算に関する

勘違いがあります。

 

ある取引のみに注目して

預かった消費税よりも支払った

消費税の金額が大きいので

消費税は還付になるという考えです。

 

例えば、輸出売上では預かった消費税は

ゼロになります。

 

輸出売上のために国内で仕入れた場合

支払った消費税が発生します。

 

以上のことから

預かった消費税はゼロになるので

支払った消費税がすべて戻って来る

という考えです。

 

こちらは勘違いになります。

 

消費税の原則の計算方法は

年間の取引にて預かった消費税と

支払った消費税の差額を計算します。

 

以上のことから1つの取引だけで

還付になるという考えは間違いです。

 

次に原則の計算方法をして

消費税の会計処理を税込経理方式で

行っているときです。

 

このときには消費税が納付額に

なると租税公課に消費税が経費として

計上を行うことになります。

 

逆に消費税が還付になると

雑収入に計上を行います。

 

ですから納付だと経費になるので

経費という認識を持ち雑収入だと

利益という考え方になります。

 

経理上はこの認識で問題ないですが

実際には税抜経理方式により認識

しなかった金額が損益に影響を

与えているだけにすぎません。

 

過去関与先から受けた質問では

還付事業者だったので還付額は

取引による利益と考えてよいか?

ということでした。

 

これは誤った考え方です。

 

税込経理方式だから雑収入という

会計上の利益が発生するだけで

 

実際には税抜経理方式では認識されない

還付額を税込経理方式の都合上

 

会計上で利益として計上している

だけにすぎません。

 

経理方式を比べるとわかりやすいです。

 

前提:輸出売上10,000円、国内仕入8,800円(消費税800円)

消費税の計算:0-800=-800円(還付金額)

税抜経理方式では800円の消費税は

仮払消費税に計上されます。

 

今回は800円が還付額になりますので

最終的に未収消費税等として800円を

経理処理して還付を受けた時に

消込の処理を行います。

 

税込経理方式では仮払消費税を

使用しませんので

 

借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
未収消費税 800 雑収入 800

 

また仕入の時には会計上で

借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
仕入高 8,800 買掛金 8,800

という処理を行います。

 

するといかがでしょうか?

還付金額は支払った消費税が

戻ってきただけになります。

 

つまり、仕入高に計上された

消費税800円と還付金額の800円

で相殺することになります。

 

とどのつまり

表示上は還付額が利益になりますが

 

実際の損益は仕入高に計上した800円

雑収入に計上した800円の相殺になり

利益にはなっておりません。

 

このように消費税の処理の違いで

経理処理が異なるだけになります。

 

 

消費税の原則の計算は取引の積み上げをイメージする

消費税の原則の計算方法は

預かった消費税ー支払った消費税

ということになります。

 

上記の預かった消費税と

支払った消費税のもととなるのは

 

その年又は事業年度で行った

すべての取引をもとに積み上げられた

消費税を足して計算されます。

 

ですから、取引の積み上げを

イメージしておくとわかりやすいです。

 

 

言い換えるとある取引では

消費税が還付になっていた

ということであっても

 

年間の取引の消費税を積み上げて

預かった消費税と支払った消費税を

計算するわけですから

 

還付になる取引を行ったから

還付になるわけではありません。

 

納付、還付になる考え方の

イメージとしては

 

預かった消費税ー支払った消費税

の結果が

 

預かった消費税のほうが大きければ

納付になり

 

支払った消費税のほうが大きければ

還付になるわけです。

 

その年又は事業年度の末日の金額で

消費税の納付又は還付がわかる

ということになります。

 

課税期間の短縮措置を取る場合の注意点

還付事業が前提になりますが

課税期間の短縮措置があります。

 

これは、本来、年間の取引金額の

結果で消費税を計算するところ

 

消費税のためだけに事業年度を

短縮する特例措置です。

 

主に原則の計算方法を使っている

還付事業者が適用を受けます。

 

短縮措置は1か月又は3か月です。

 

適用を受けると1か月間の取引の積み上げ

3か月の取引の積み上げによって

消費税を計算することになります。

 

注意点は国内の売上が輸出の売上を

上回る場合です。

 

通常は還付を受ける時期を早める

ときに課税期間の短縮措置を使いますが

 

短縮した期間において国内売上の

取引が多く納付になったとしても

早めに納付することになります。

 

課税期間の短縮措置を受ける場合には

還付が早まることだけではなく

納付も早まるということに注意が必要です。

 

 


編集後記

消費税で最も事業者が困ることは

納付するお金がない状況です。

 

特に人件費が多くかかる業種で

発生する可能性が高いです。

 

というのは人件費は消費税の控除を

受ける取引になりませんので

支払った消費税はないことになります。

 

結果納付額が人件費にかかった

金額分控除ができず増えるので

 

納付額をあらかじめ納税資金として

用意しておかないと納付する

お金がない状況になります。

 

私も消費税の納税のために

お金を用意しています。

 

あらかじめ消費税の納税分の

お金を運転資金から除外して

貯めておくことも必要です。

 

 

では税理士・行政書士の齋藤幸生でした!!

それでは、また!

 

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この記事は、その時の状況、心情で書いています。
また、法令に関しては、その後改正された場合には、
異なる取り扱いになる可能性があります。

 

 




ABOUT US
齋藤 幸生税理士・行政書士・経営革新等支援機関・ブロガー
都内税理士事務所にて7年間の勤務後独立。 2017年に税理士として独立後は建設業、フォワーディング業、IT業に特化した税務を行っています。また財務支援として資金繰り支援(会社の資金繰りと資金調達支援)を行っています。行政書士としては建設業許可、利用貨物運送事業の許可業務に特化しております。