【国道交通省公表資料】一人親方の保険加入について税理士・行政書士が解説

一人親方の保険加入




【国道交通省公表資料】一人親方の保険加入について税理士・行政書士が解説

こんにちは!

 

税理士・行政書士の齋藤幸生です!

 

今回は・・・

一人親方の保険加入にういての

解説記事になります。

 

それでは、スタートです!!

 

国土交通省公表資料とは?

国土交通省公表資料とは

一人親方の保険加入への事例や

考え方をまとめた資料です。

 

昨今、偽装請負問題があり

建設業許可申請について

 

社会保険加入義務が要件に

なったことから公表された

資料になります。

 

上記のほかにはリーフレットも

公表されている状況です。

 

建設業では長く一人親方という

大工さんが大勢いましたが

 

常用と請負の問題は過去からあり

現在でもグレーゾーンのような形で

実務上残り続けています。

 

 

国土交通省公表資料における保険加入の例示

一人親方は常用になる可能性が

高い職種になります。

 

もし常用性がある、つまり

労働者であるとすれば社会保険に

加入してもらう必要が事業主に

発生することになります。

 

まずは、労働者にならない例示を

確認してみます。

 

資料から2つを紹介します。

 

工務店の工事に従事する大工

①自分の判断で工事に関する具体的な工法や作業手順を選択できた

②事前に連絡すれば、仕事を休んだり、所定の時刻より後に作業を開始したり所定の軸前に作業を切り上げたりすることも自由であった

③他の工務店等の仕事をすることを禁じられていなかった

④報酬の取決めは、完全な出来高払いの方式が中心とされていた

⑤一般的に必要な大工道具一式を自ら所有し現場に持ち込んで使用していた

アンカー職人である一人親方

①会社からの仕事を受けるか否かの自由、一定の期間や日時の仕事を断る自由、仕事の依頼や業務に従事すべき旨の指示に対する諾否の事由があった

②作業の段取り、手順等は各職人がその知識・技術に基づいて決めていた

③報酬は基本的には出来高に対するもので、多い時で1か月86万円以上となったことがあり、従業員として従事した場合に比べてはるかに高額である

④工具一式や自動車を所有し、経費も負担していた

⑤確定申告を行い、労災保険は一人親方として特別加入していた

 

以上のように請負となる一人親方は

事業主としての性質を多く持っている

ということが言えそうです。

 

過去の判例では時間的、空間的

拘束がないとか、代替性の有無が

焦点になるケースがあります。

 

請負というならばすべて

一人親方が自由にお仕事をできる

という状況が必要になります。

 

 

 

次に労働者性が認められた事例を

確認してみます。

 

こちらも2つを引用します。

 

水道の修理業務(下請専属契約)

①入社以後、給排水管等の修理工事に専属的に従事していた

②会社は1か月前に勤務表を作成・提示し、勤務時間を指示していた

③勤務開始時間に会社に無線で連絡、指示に従い仕事先に直行し、仕事が完了すると無線で報告、会社から次の指示を受けていた

④作業に使用する道具類・車両は会社の所有物であり、貸与を受けていた

⑤作業材料は会社が契約している材料店で仕入れ、材料費は会社が支払っていた

大工業務(労務提供の契約)

①就業期間中に他の仕事をしたことはない

②大工職人としての仕事のほか、ブロック工事などの他の仕事にも従事を求められた

③勤務時間の指定はないが、朝7:30に事務所で仕事の指示を受け、事実上17:30まで拘束され、それ以降の作業には残業手当が支給された

④現場監督からの報告・指示によって、会社から指揮監督を受けていた

⑤大工道具は本人の所有だが、必要な資材等の調達は会社の負担で合った

以上からわかる通り

時間的、空間的拘束が伴い

代替性がないとか道具や材料の

支給・貸与を受けるなどすると

 

請負ではないよね、労働者!

ということになります。

 

 

会社の問題に発展する可能性もある

偽装請負が発覚した場合には

会社の問題に発展するケースが

あります。

 

以下の2つが問題点です。

①社会保険の加入義務違反

②税金の追徴

 

建設業法で申し上げると

建設業の許可後の立ち入り検査で

社会保険の加入指導を受ける

可能性があります。

 

指導後も未加入の場合には

保険担当部局に通報の上

強制加入措置になることがあります。

 

さらに状況によっては許可行政庁から

監督処分を受けることがあります。

 

税金の問題点としては

消費税の問題が出てきます。

 

請負であれば外注費という経費で

会社側は処理を行って

 

現行の消費税では消費税の控除を

受けることが可能となります。

 

請負ではなく労働者になった場合

外注費から給与になりますので

消費税の控除はできません。

 

さらに給与認定されることになるので

源泉徴収をしていないわけですから

源泉徴収が遡って行われます。

 

 

更なる負担としては社会保険に

加入することになるので

社会保険の事業主負担が発生し

追加の費用も発生します。

 

 

 

 


編集後記

私が関与先から相談を受けるときに

判断する確認材料があります。

 

次のようなことです。

①契約書は工事ごとに締結しているか

②請求書は一人親方から発行されているか

③会社は指示監督と命令をしていないか

④時間的、空間的拘束があるか

⑤道具の貸与はないか

⑥材料の供給はないか

 

建設業というお仕事は時間的

空間的拘束が必ずあるものです。

 

ですから、④は該当することが

多い印象です。

 

労働者か否かの判断としては

上記の一つにだけ該当すると

即、労働者になるわけではないです。

 

事実の積み上げと総合勘案になり

実務上では難しい場面があります。

 

 

では税理士・行政書士の齋藤幸生でした!!

それでは、また!

 

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この記事は、その時の状況、心情で書いています。
また、法令に関しては、その後改正された場合には、
異なる取り扱いになる可能性があります。

 

 




ABOUT US
齋藤 幸生税理士・行政書士・経営革新等支援機関・ブロガー
都内税理士事務所にて7年間の勤務後独立。 2017年に税理士として独立後は建設業、フォワーディング業、IT業に特化した税務を行っています。また財務支援として資金繰り支援(会社の資金繰りと資金調達支援)を行っています。行政書士としては建設業許可、利用貨物運送事業の許可業務に特化しております。