【建通新聞への寄稿第3回】インボイス制度での請求書について税理士・行政書士が解説

建通新聞‐インボイス制度




【建通新聞への寄稿第3回】インボイス制度での請求書について税理士・行政書士が解説

こんにちは!

 

税理士・行政書士の齋藤幸生です!

 

今回は・・・

建通新聞への寄稿の3回目を

解説する記事です。

 

それでは、スタートです!!

 

インボイス制度での請求書とは?

2021年12月16日に建通新聞への

寄稿が第3回目を迎えました。

 

今回の寄稿では適格請求書について

解説した記事になります。

 

適格請求書は請求書だけでなく

納品書、領収書、レシートなど

取引でやり取りされる資料が

対象になります。

 

したがって、取引でやり取りする

上記のような資料には必ず記載を

する必要があるものが次のことです。

 

①適格請求書発行事業者の氏名又は名称及び登録番号

②取引年月日

③請求の内容

④税抜価額又は税込価額を税率ごとに区分して合計した金額及び適用税率

⑤税率ごとに区分した消費税額等

⑥取引先の氏名又は名称

 

さて、適格請求書として法定化された

ひな型というものはありません。

 

消費税では上記の①~⑥が記載された

資料にすればよいことになります。

 

実務上で請求書の自社の請求書を

直さなければならない事柄として

想定されることは

 

①、④、⑤になると思います。

 

①は追加で請求書に記載します。

④は実務上の請求書に落としこむ場合

税抜金額を適用税率ごとに合計する

という方法が伝わりやすいです。

 

例えば、消費税率が10%と軽減税率が

ある場合にはそれぞれの本体金額を

一度合計して

 

その合計した金額に対して適用税率を

乗じると相手にわかりやすいと思います。

 

イメージとしてはコンビニのレシート

と同じような表示方法になります。

 

 

適格請求書の発行方法と記載を間違えたなど場合の対応

適格請求書発行事業者には

適格請求書を交付する義務と

交付した適格請求書を保存する

義務があります。

 

交付する場合には元請けなどの

下請けにとって売上先になる

事業者からの求めに応じて

請求書を交付します。

 

交付する方法は

・書面で送付する方法

・データを提供する方法

のどちらでも可能になっています。

 

ただデータを提供することで

問題になるのは交付した下請けで

どのように保存するのかということです。

 

現行法令上での保存方法は

・データのまま

・紙に印刷して

7年間保存することになっています。

 

ただし自社の請求書を電子データで

保存することになると2021年に問題になった

電子データの保存の要件がネックになります。

 

詳しくは別途追加情報として

記事にしたいと思います。

 

 

請求書の交付義務はどこまでの取引に

及ぶのかも実務上の問題点です。

 

具体的には値引きをした場合や

記載に誤りがあった場合などに

ついても交付義務が及ぶのか

ということになります。

 

結論から申し上げますと

交付する義務があります。

 

建設業で申し上げると

端数の値引き処理がある場合には

その値引きの適格請求書を

交付しなければなりませんし

 

誤りがあれば修正した適格請求書を

交付することになります。

 

現実でも値引きで赤伝を切ったり

誤っている場合には請求書を

再交付したりといったことは

通常行われる業務になると思います。

 

しかし、金額が少なければ少ないほど

そこまでしなければならないのか?

といった疑問が出てくると思います。

 

こちらは法律と実務上に差が生まれるので

法律上をどこまで適用して対応するのか

という問題点になります。

 

 

 

仕入税額控除を受けるための請求書の保存方法とは?

話は分かりまして適格請求書等を

発行された側の保存方法です。

 

まずデータの書面による保存が

仕入税額控除適用の要件を満たすか

という疑問が生じます。

 

データを整然とした形式及び

明瞭な状態で出力した書面を

保存することで要件を満たします。

 

ただし、データによる授受は

電子データの保存を満たす必要が

でてきます。

 

この点、令和4年税制改正大綱により

令和6年まではデータを書面にして

保存することができます。

 

しかし2年間あっという間に過ぎますから

少しずつデータ保存ができる業務にして

令和7年から適用できるようにしておく

ということが良いです。

 

建設業では適格請求書というよりも

明細で精算することが慣例に

なっている場合があると思います。

 

この明細が仕入税額控除の要件に

該当するのかどうかも疑問がでて

来るところだと思います。

 

明細書でも適格請求書で必要な

記載事項は同じになります。

 

そして明細書では下請けの確認を受けた

ものが仕入税額控除の適用を受ける

資料に該当することになります。

 

具体的には以下のような確認を

行うことになります。

 

①明細書等の記載内容を、通信回線等を通じて下請けの端末機に出力し、確認の通信を受けたうえで、自己の端末機から出力したもの

②明細書等に記載すべき事項に係るデータにつきネットやメールなどを通じて下請けへ提供し、下請けから確認の通知等をうけたもの

③明細書等の写しを下請けに交付し、又は明細書等の記載内容にかかるデータを下請けに提供した後、一定期間内に誤りのある旨の連絡がない場合には記載内容のとおり確認があったものとする基本契約書等を締結した場合におけるその一定期間を経たもの

なお、③については、
・明細書等に「送付後一定期間内に誤りのある旨の連絡がない場合には記載内容の通り確認があったものとする」旨の通知文書等を添付して下請けに送付し、又は提供し、了承を得る。

・明細書等又は明細書等の記載内容に係るデータに「送付後一定期間内に誤りのある旨の連絡がない場合には記載内容の通り確認があったものとする」旨の通知文書等を添付して下請けに送付し、又は提供し、了承を得る。

といったように、明細書等の記載事項が下請けに示されて、その内容が確認されている実態にあることが明らかであれば、下請けの確認をうけたものとなります。

国税庁:インボイス制度に関するQ&Aより筆者加筆

要するに、適格請求書に必要な事項を

明細書に記載されていて、かつ、

 

明細書の発行者側の確認が行われた

という実態が必要になります。

 

上記のQ&Aの内容は例示になります。

確認という実態が伴っていれば

どのような確認であっても問題がない

わけではありますが

 

確認の実態を取ることができる

資料にしておく必要があるわけですね。

 

 


編集後記

紙面の都合上、基本的な事項しか

建通新聞では解説できませんでした。

 

実務を掘り下げていくと

場合分けして解説する必要があるので

上記でも不十分であると考えています。

 

まずはインボイス制度に適合することが

できるように資料の棚卸をして

 

現状でインボイス制度に対応するには

どのように請求書を変更すれば

よいのかを確認するのがよいです。

 

 

では税理士・行政書士の齋藤幸生でした!!

それでは、また!

 

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この記事は、その時の状況、心情で書いています。
また、法令に関しては、その後改正された場合には、
異なる取り扱いになる可能性があります。

 

 




ABOUT US
齋藤 幸生税理士・行政書士・経営革新等支援機関・ブロガー
都内税理士事務所にて7年間の勤務後独立。 2017年に税理士として独立後は建設業、フォワーディング業、IT業に特化した税務を行っています。また財務支援として資金繰り支援(会社の資金繰りと資金調達支援)を行っています。行政書士としては建設業許可、利用貨物運送事業の許可業務に特化しております。