消費税のインボイス方式が導入された場合の経費計上について税理士が解説




消費税のインボイス方式が導入された場合の経費計上について税理士が解説

こんにちは!

 

税理士・行政書士の齋藤幸生です!

 

今回は・・・

消費税のインボイス方式が導入された場合の

経費計上について税理士が解説します。

 

それでは、スタートです!!

 

インボイス方式とは?

インボイス方式とは

消費税の課税事業者が前提の制度です。

 

日本がインボイス制度を導入した場合には

消費税の課税事業者に事業者番号を附番します。

 

そして、請求書などに事業者番号

本体金額、消費税額の区分記載を行う

ということになります。

 

上記が請求書を発行する側で

要するに商品などを売る側になります。

 

逆に商品を購入する側が課税事業者

ということであれば

 

消費税の控除を受けるために

インボイス制度に適合した請求書などの

資料が必要になります。

 

言い換えると、課税事業者から

モノを購入をした場合に限って

消費税の控除を受けることができます。

 

消費税の原則の計算は

預かった消費税ー支払った消費税

ということになります。

 

とどのつまり課税事業者通しで

やり取りした取引のみが

 

上記の消費税の計算に取り込まれる

ということになります。

 

 

インボイス方式後の経費処理の変更点

インボイス方式後の経理処理は

ちょっと面倒になる可能性があります。

 

まずは現状の消費税法の経理処理を

確認してみます。

 

現在の消費税法上では課税事業者が経費を

支払ったという場合には

 

相手先が免税、課税にかかわらず

課税取引であれば消費税を支払った

という処理になります。

 

結論としては

消費税の計算上では

支払った消費税があったものとして

消費税の計算をするわけです。

 

こちらを帳簿方式と言います。

 

帳簿に本体金額と消費税額を

記載して、その根拠資料があれば

消費税の控除ができる制度です。

 

 

 

 

 

インボイス方式は帳簿方式ではなくて

適格請求書を発行できる相手先に

経費を支払った場合にのみ控除を

認めることになります。

 

では、適格請求書を発行できない

相手先に経費を支払った場合には

経費処理はどうなるでしょうか?

 

結論としては支払った金額すべてが

法人税や所得税の計算上で経費になります。

 

つまり、同じものを購入したとしても

経費に計上する金額が異なります。

 

例えば、花屋さんからお花を購入した

という処理を前提に確認してみます。

 

課税事業者の花屋さんで11,000円の

お花を購入した場合には

 

10,000円が経費計上する金額になり

1,000円が支払った消費税になります。

 

免税事業者の花屋さんで11,000円の

お花を購入した場合には

 

11,000円が経費計上する金額になり

支払った消費税は0円です。

 

同じ金額ですが処理が異なります。

 

免税店と課税店での取引で有利不利があるのか?

疑問に思うことは免税事業者である

免税店と課税事業者である課税店

 

それぞれの取引で有利不利が存在するのか

ということになります。

 

計算や取引を簡単にするために以下の前提で

考えてみましょう。

 

・納税者A社は消費税の課税事業者(法人税の実効税率を30%とする)

・納税者A社の売上は5,500万円(預かった消費税500万円)

・納税者A社の年間の経費は4,400万円(課税取引の場合の支払った消費税は400万円)

上記の経費をすべて課税取引である場合と

すべて消費税の対象外の取引である場合に

分けて考えていきます。

 

経費のすべてが課税取引である場合

①消費税の計算

500万円ー400万円=100万円(納付)

②法人税の計算

(5,000万円ー4,000万円)×30%=300万円(納付)

③合計納付額:400万円

 

経費のすべてが消費税の対象外の取引である場合

①消費税の計算

500万円ー0円=500万円(納付)

②法人税の計算

(5,000万円ー4,400万円)×30%=180万円

③合計納付額:680万円

 

上記の簡素的な税金計算であっても

消費税の課税事業者との取引を選択した方が

最終的な納付額が減ることが分かりました。

 

以上のことから

インボイス方式後では

 

課税事業者との取引を選択した方が

事業者にとって税効果のメリットが

大きいということになります。

 

 


編集後記

インボイス方式後における

経費処理の方法からざっくりとした

税金計算まで考えてみました。

 

インボイス方式後においては

免税事業者のまま継続する人は

減るのではないかと言われています。

 

理由は、課税事業者が免税事業者と

取引をするメリットがないためです。

 

実際にインボイス方式の導入は

令和5年からですし政策に拠るので

先延ばしになる可能性もあります。

 

一番困るのは免税事業者でしょうね。

今まで請求していた消費税分を

納付することになるのでお金を準備しておく

ということが大切になります。

 

 

では税理士・行政書士の齋藤幸生でした!!

それでは、また!

 

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この記事は、その時の状況、心情で書いています。
また、法令に関しては、その後改正された場合には、
異なる取り扱いになる可能性があります。

 

 




ABOUT US
齋藤 幸生税理士・行政書士・経営革新等支援機関・ブロガー
都内税理士事務所にて7年間の勤務後独立。 2017年に税理士として独立後は建設業、フォワーディング業、IT業に特化した税務を行っています。また財務支援として資金繰り支援(会社の資金繰りと資金調達支援)を行っています。行政書士としては建設業許可、利用貨物運送事業の許可業務に特化しております。