事業で車を購入するときはリースか分割払いかを税理士が解説!




事業で車を購入するときはリースか分割払いかを税理士が解説!

こんにちは!

 

税理士・行政書士の齋藤幸生です!

 

今回は・・・

事業で車を購入するときはリースか分割払いかを

税理士が解説する記事です。

 

・事業で車を購入する2つの方法

・リースか分割払いか?

・リースと分割払いの税務の取扱い

についてわかる記事です。

 

それでは、スタートです!!

 

事業で車を購入する2つの方法

事業で車を購入する方法は2つあります。

①リース

②分割払い

 

リースで購入した場合

リースで購入する方法とは

リース会社と事業主とでリース契約を締結します。

 

その後、リース料を毎月支払います。

多くは所有権移転リース契約になります。

 

所有権移転リース取引とは

イメージとして簡単に申し上げると

 

リース期間経過後には自分の所有物になり

リース期間経過後にはリース料の支払いがなく

車を事業用として使うことができます。

 

リース料は車両の本体金額と

金利から構成されています。

 

毎月支払うリース料には上記で構成された金額を

一定期間(例えば5年間)として支払います。

 

分割払いで購入する方法

車を分割払いで購入することもできます。

契約上はファイナンス会社の所有になり

その所有を留保することによって

自己名義の車になります。

 

分割払いなので分割払手数料と

車両本体金額の合計が分割払い総額になり

こちらを毎月支払っていくことになります。

 

今はやりの残価保証ローンが

こちらにあたりますね。

 

 

 

リースか分割払いか?

社長さんからご相談を受けることが多いのが

リースと分割払いのどちらが良いですか?

という漠然としたご質問となります。

 

どこに力点を置くのかによって

回答は変わるのでもうちょっと具体的に

何をもって良しとするのかをお聞きして

回答したいご質問となります。

 

結論として総額を抑えたいということであれば

どちらもそこまで変わらないのではないか?

ということが言えます。

 

理由はリース、分割払いにはそれぞれ

利息、分割払手数料が本体金額に上乗せされ

支払うことになるからです。

 

あとはご自身や会社の信用力によって

金利が増減することになります。

 

キャンペーンをやっていることもありますので

その時には金利の引き下げで金利が下がる

ということもあり得ますね。

 

 

 

私が考えることは購入時よりも

購入後いつまで乗るのかということです。

 

普通乗用車の耐用年数は

税法上で6年になっています。

 

と考えると車の修理が必要なく

乗車することができる期間は

6年と考えることができますね。

 

したがっていずれの購入方法であっても

契約期間後に乗り換えをお考えになっては

いかがですか?

と私は提案したいと思います。

 

理由は支払がなくなったとしても

その後、購入した車がいつまで

乗ることができるのか不明となります。

 

それであれば新車を購入して

今まで乗っていた車を下取りに出すことで

新車の購入代金や残価保証の差額分を埋めて

しまう方法も考えられます。

 

この様にすることで新車を5年に一度

乗ることができて良いのではないかと思います。

 

購入だけにとらわれないで

出口の部分にもちょっと目を向けると

違った世界が見えてくると思います。

 

 

リースと分割払いの税務の取扱い

リース契約と分割払い契約では

ちょっと税務上の取り扱いが異なる部分が

出てくることがあります。

 

リース契約の場合

法人税の取扱い

リース契約の場合には基本的に

リース資産として貸借対照表上に計上します。

 

その後、通常の減価償却の方法(例えば、定率法)

により減価償却費という経費になります。

 

例外的な処理としてリース料総額が

300万円以下であれば賃貸借取引も可能

というものがありますが

 

こちらは所有権移転外リース取引について

認められている処理方法です。

 

所有権移転リース取引ではできませんので

注意が必要となります。

 

リース取引のうち利息部分については

本体金額とは別建で計上を行います。

 

例えば、次のような方法です。

(購入時)

借方勘定科目 借方金額 貸方勘定科目 貸方金額
リース資産 本体金額 リース債務 本体金額

(リース料の支払時)

借方勘定科目 借方金額 貸方勘定科目 貸方金額
リース債務 本体金額 普通預金 リース料の支払金額
支払利息 利息部分

 

 

消費税の取扱い

消費税ではリース資産が売買取引により

処理されることになりますので

購入したときに本体金額が仕入税額控除の

対象となります。

 

つまり、支払った消費税部分については

消費税の計算上で控除できることになります。

 

仕入税額控除ができるのは本体金額なので

控除の対象とする金額に注意が必要となります。

 

分割払いで購入した場合

法人税法の取扱い

減価償却費としてリース取引と同じく

通常の減価償却を行います。

 

最も異なるところは分割払い手数料です。

購入時に次のようになります。

借方勘定科目 借方金額 貸方勘定科目 貸方金額
車両運搬具 本体金額 長期未払金 支払総額
長期前払費用 分割払手数料

分割払いをするときには

借方勘定科目 借方金額 貸方勘定科目 貸方金額
長期未払金 支払金額 普通預金 支払金額

となります。

 

因みに分割払手数料の処理は

分割払いの期間に応じて事業年度の月数で

按分する方法で私は費用にしています。

 

私の私見ですが分割払手数料は

分割払いという事象が起こるため発生します。

 

ということは要するに利息に準ずる

性質をになると思います。

 

したがって、分割払いの期間で按分することが

適切ではないかという考えです。

 

会計上の費用収益対応の原則から考えて

適当なのではないかと思っているわけです。

 

消費税の取扱い

本体金額はリース取引と同様に

消費税の控除の対象となります。

 

分割払手数料は利息に準じたものである

可能性が高いので私は消費税の控除にしていません。

 

 

 

 


編集後記

事業で車を購入することについてまとめてみました。

基本的には分割払いでの購入が最近は多いような

気がしています。

 

残価保証が付きますし車の乗り換えが

やりやすくなるからです。

 

それから念のため申し上げますが

法人で購入する場合には必ず法人名義で

購入することになります。

 

ごくごくまれに個人で購入してしまって

後から面倒な処理になることがありますね。

 

個人事業主の場合には基本的に

個人として購入することになります。

 

 

では税理士・行政書士の齋藤幸生でした!!

それでは、また!

 

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この記事は、その時の状況、心情で書いています。
また、法令に関しては、その後改正された場合には、
異なる取り扱いになる可能性があります。

 

 




ABOUT US
齋藤 幸生税理士・行政書士・経営革新等支援機関・ブロガー
都内税理士事務所にて7年間の勤務後独立。 2017年に税理士として独立後は建設業、フォワーディング業、IT業に特化した税務を行っています。また財務支援として資金繰り支援(会社の資金繰りと資金調達支援)を行っています。行政書士としては建設業許可、利用貨物運送事業の許可業務に特化しております。