インボイス制度の導入で建設業の個人事業主への影響を税理士が解説!




インボイス制度の導入で建設業の個人事業主への影響を税理士が解説!

こんにちは!

 

税理士・行政書士の齋藤幸生です!

 

今回は・・・

インボイス制度の導入で建設業の個人事業主

への影響を税理士が解説する記事です。

 

・インボイス制度とは?

・建設業の個人事業主への影響とは?

・免税事業者と課税事業者の選択はどちらが有利不利?

についてわかる記事となります。

 

それでは、スタートです!!

 

インボイス制度とは

インボイスの意味って?

インボイス制度のインボイスとは

売手が買手に対して、正確な適用税率や消費税額等を伝えるものです。

具体的には、現行の「区分請求書」に「登録番号」、「適用税率」及び「消費税額等」の記載が追加された書類やデータを言います。

(国税庁ホームページより抜粋)

インボイスとは本来、請求書の意味です。

 

しかし、消費税の世界では適格請求書と呼称して

・登録番号という課税事業者の番号

・適用している消費税率(軽減税率なのか、10%なのか)

・消費税額

を表示する書類、データになります。

 

インボイス制度とは?

〈売手側〉

売手である登録事業者は、買手である取引相手(課税事業者)から求められたときは、インボイスを交付しなければなりません。また交付したインボイスの写しを保存しておくことになります。

〈買手側〉

買手は仕入税額控除の適用を受けるために原則として、取引相手(売手)である登録事業者から交付を受けたインボイスの保存等を行います。

(国税庁ホームページから引用)

以上のように売手と買手双方で

登録事業者になっておく必要があります。

 

売手はインボイスの交付義務があり

買手は交付されたインボイスを保存して

消費税の計算上で仕入税額控除ができます。

 

 

建設業の個人事業主への影響とは?

対外的な取引の影響

影響について、結論から申し上げますと

個人事業主は消費税の課税事業者になることを

取引先から求められる可能性があります。

 

理由は、インボイスを発行できる登録事業者に

なるためには消費税の課税事業者になる必要があるからです。

 

つまり、インボイス制度が導入された後は

課税事業者しか消費税の請求を行っては

いけないことになります。

 

実務上の請求金額の表示の問題になりますが

例えば、本体金額の請求額が10万円で

消費税率は10%だとします。

 

インボイス制度導入後の課税事業者は

10万円と消費税1万円に分けて表示して

合計11万円として請求することになります。

 

こちらは現行と変わりはありません。

 

しかし、免税事業者の場合には

10万円のみの請求書を発行することに

なるものと思われます。

 

消費税額相当額として11万円を請求額にすることは

可能なのですが、1万円を消費税額として表示しても

買手側では免税事業者からの経費は仕入税額控除を

することができないのです。

 

以上のことから、免税事業者から消費税相当額を

請求された買手側としては消費税部分の控除が

できないということであれば消費税額相当額を

減額するような要請がある可能性があります。

 

 

 

個人事業主本人への影響

現行制度では免税事業者も消費税を表示して

請求することができます。

 

したがって、免税事業者の場合には

消費税額相当額が収入になります。

 

インボイス制度導入後、つまり、

令和5年10月1日からは課税事業者になる

必要が出てくるため消費税相当額は

純粋な消費税の預かり金になります。

 

そして令和5年分の申告を行う時に

消費税の申告と納付又は還付となります。

 

以上が事業へ与える影響としては

消費税の納付の場合には所得税以外に

消費税の支払いが出てくるので

納税資金を用意しておく必要があります。

 

具体的には、資金繰りについて消費税の納税分を

新たに工面しておく必要があるわけです。

 

事務的な負担も発生します。

インボイス制度にあったインボイスを

交付することが前提の世界になります。

 

したがって請求書のフォーマットは今後

固定化されると思われますが

 

インボイス制度にあった請求書をご自身で

作成する作業が追加します。

 

建設業では支払明細を作成して請求事務と

振込事務に適用しているケースがあります。

 

こちらはもちろん変化させなくても

良いわけですが

 

インボイスも発行しないと買手側

具体的には仕事をあなたに依頼した上位の会社に

インボイスを発行する必要が出てきます。

 

そうしないと上位の会社は消費税の計算上

仕入税額控除を行うことができないからです。

 

免税事業者と課税事業者の選択はどちらが有利不利?

免税事業者と課税事業者の選択は

どちらが有利なのか不利なのか?

このような疑問が起こると思います。

 

現実としては課税事業者にならないと

仕事を受注できないような世界になると思われます。

 

建設業で言いうところの

建設業許可がないとできない工事が出てくる

いったイメージと一緒です。

 

一般論的に申し上げれば現行制度が継続すれば

免税事業者の方が有利です。

 

理由は請求した消費税額相当額は収入になり

請求された側では仕入税額控除の適用があるからです。

 

しかし、インボイス制度後は課税事業者同士の取引でないと

仕入税額控除の適用が認められない世界になります。

 

したがって、ご本人の有利不利にかかわらず

取引先から課税事業者であるかどうか

登録事業者になっているかどうかの確認がされて

そのあとに取引スタートになる可能性があります。

 


編集後記

現状ではすでに立法されていて

令和5年10月1日から始まるのが

インボイス制度となっています。

 

実は、2020年に請求書のフォーマットを

作っている会社などが政府の会議に呼ばれて

請求書などの統一フォーマットづくりについて

意見交換をしています。

 

インボイス制度で重要なのは統一された

フォーマットで請求事務が行われること

だからです。

 

私としては統一規格にすること自体は

経理や請求事務の効率化になるので賛成ですが

 

韓国のように請求書などのデータが国税庁へ

送られて常に確認されるような社会は

望んでいません。

 

今後の布石にならなければよいと思っています。

 

 

では税理士・行政書士の齋藤幸生でした!!

それでは、また!

 

youtube始めました!
税理士さいとうゆきおチャンネル

 

税務顧問や執筆などのご依頼はこちら↓

Liens税理士事務所 齋藤 幸生ホームページ

 

この記事は、その時の状況、心情で書いています。
また、法令に関しては、その後改正された場合には、
異なる取り扱いになる可能性があります。

 

 




ABOUT US
齋藤 幸生税理士・行政書士・経営革新等支援機関・ブロガー
都内税理士事務所にて7年間の勤務後独立。 2017年に税理士として独立後は建設業、フォワーディング業、IT業に特化した税務を行っています。また財務支援として資金繰り支援(会社の資金繰りと資金調達支援)を行っています。行政書士としては建設業許可、利用貨物運送事業の許可業務に特化しております。