【M&Aの実務】この会社は買うべきか、買わざるべきか?
こんにちは!
税理士・行政書士の齋藤幸生です!
今回は・・・
M&Aにおける購入判断の記事です。
MA&市場は最近売上が一桁億円の会社でも
譲渡会社になることがあります。
中小企業にとっては購入しやすい
規模感の会社が多くなっている印象です。
しかしM&A会社から打診された会社を
購入すべきかどうかで迷う場合があります。
このときの購入判断について解説していきます。
それでは、スタートです!!
M&A実務の入り口とは?
M&A実務の入り口として購入する会社は
M&A会社やプラットフォーム会社から
情報を得ることになります。
このときにネームクリア後に資料として
提示される資料で譲渡会社の内容を知ることになります。
内容は、事業の内容、規模、従業員数など
詳細なデータが資料になってきます。
財務や業績といった数字が分かっている
社長さんはまれです。
データがいっぱいあって
数あるデータの中から購入するという
判断を行っていくことになります。
ただ購入した会社が今後ずっと継続してくれるか
成長してくれるのかを判断することは
ちょっと難しいです。
以下では、判断する方法を解説していきます。
買うかどうかの判断はどうやって行う?
人、モノ、金で判断
購入する判断としては会社の経営と同じで
人、モノ、金で判断することになります。
人は従業員の中のキーパーソンは誰なのか?
モノは事業は何で成り立っているのか?
金はどのように儲けているのか?
ということですね。
このうち、従業員がM&A後に辞めてしまって
事業の継続性に黄色信号が灯るような状態だと
購入は見送ることになります。
例えば、職人の技術で成り立っている
というような会社だと職人がいなくなると
事業の継続性が不透明になります。
モノについては事業が
競合他社が沢山いて薄利多売となっている事業では
多くを売ることでしか事業を維持できません。
M&A後に販路を拡大できるなど
相乗効果が期待できない場合には
購入することは見送らざるを得ません。
金については儲けている状況が
どういった内容なのかを確認します。
主に損益計算書となります。
いくら規模があったとしても
利益が少なければ投資回収期間が長くなります。
投資回収が長くなるということは
その事業でずっと売れる状態であれば
良いわけですが、社会情勢によっては
売れなくなるかもしれません。
この様に人、モノ、金で
客観的に判断していく必要があります。
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財政状況で判断
人、モノ、金以外の判断材料として
財政状況で判断することも必要です。
中小企業の経営においては
借金をしすぎている、返済が過剰
社長さんの趣味の固定資産の購入で
未払のローンが残っているといった
場合があります。
まず、借金についてです。
中小企業のキャッシュフローは
運転資金を長期の借入で賄う
といったことが行われています。
ここまでは通常なのですが
問題は返済期間と返済した金額です。
損益計算書の当期純利益+減価償却費の合計額
以上の返済を年間に行っていることがあります。
これだと、法人の純資産は黒字分だけ
厚くなっていきますが、実際の現金は
当期純利益+減価償却費の合計額が
残らないことになります。
社長さんの趣味の固定資産の購入の
ローン残高はM&A後に支払う必要があります。
この様に事業がうまく行っていたとしても
現金が購入した会社内に残る好循環がない
といった場合には購入しないという判断に
傾くことになります。
回収可能性を見積もる
回収可能性を見積もることは大切です。
回収可能性とは購入した金額がどれくらいで
回収することが可能かどうかです。
例えば、譲渡対価10億円だとして
購入した会社の当期純利益が毎年2,000万円
だと仮定してみます。
そうすると、10億円÷2,000万円=50年
という数字が出てきます。
つまり、10億円で会社を購入して
購入した会社の当期純利益が毎年2,000万円だと
10億円の回収に50年かかることになります。
50年となるとちょっと長いですね。
例えば10年で回収したいと思うならば
毎年1億円の当期純利益が必要です。
この様にM&A後にどれくらい稼ぐことができて
購入した会社の社長さんがうまく事業展開できる
とったことがないと購入することはためらいます。
または購入金額が高いと言わざるを得ません。
金額の値下げ交渉を行い譲渡金額を
引き下げてもらうことも検討しないといけません。
M&Aでは購入した後の事業が大切です。
その上でまとめると
①人、モノ、金で判断
②財政状況で判断
③回収可能性で判断
という3つの判断を行うことで
購入についての客観的な判断を
することができるのではないかと思います。
編集後記
今日は事務所に出勤しています。
東京アラートが発令されたので
時差出勤を継続中です。
やっぱり第2波が来てしまったという
感じですね。
今後もコロナの影響は出てくるので
その場しのぎですが対応していくことになりそうです。
では税理士・行政書士の齋藤幸生でした!!
それでは、また!
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この記事は、その時の状況、心情で書いています。
また、法令に関しては、その後改正された場合には、
異なる取り扱いになる可能性があります。
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