一人税理士法人は必要かどうか?




一人税理士法人は必要かどうか?

こんにちは!

 

税理士の齋藤幸生です!

 

今回は・・・

一人税理士法人について考えていきます。

 

現行の税理士法においては一人税理士法人は

設立することができません。

 

私の考えは個人の自由意思を排除する規定が

あること自体がダメということです。

 

個人事業主でやるか、法人でやるかは

個人の選択となります。

 

ビジネスですから現実では

個人事業主から法人となったほうが

メリットがあるのは確かです。

 

ビジネス、個人の選択、他士業の規定から

考えていきます。

 

それでは、スタートです!!

 

一人税理士法人は必要か?

一人税理士法人は必要かというと

立法として必要であると考えています。

 

理由は、ビジネスの拡大、個人の経済的選択の自由

他士業との比較衡量です。

 

ビジネスでは法人と個人とを比較すると

法人の方が信頼性は高いと思います。

 

他士業との比較をしてみると

・弁護士
社員は一人以上となっているので一人弁護士法人可能です。

・行政書士
令和3年6月から社員が一人以上になるので一人行政書士法人可能です。

・司法書士及び土地家屋調査士
令和3年6月から社員が一人以上になるので一人司法書士法人
及び一人土地家屋調査士法人が可能です。

・弁理士
こちらは社員2人以上の要件となっているのでできません。

 

ただ、士業を取り巻く環境としては

法人化をやりやすくするという流れに

なっているのだと思いますね。

 

一人ではダメという考え方は取り残される

可能性ができてきているのです。

 

最後に個人の選択自由の点です。

 

ずっと一人でやってくのかどうかと

法人化する、しないは別の問題です。

 

実際に一人社長でずっとやっている

零細企業がたくさんあります。

 

税理士業では選択の自由がなく

通常の法人であれば選択の自由がある

ということではただ不利益を

被ってしまうことになります。

 

 

税理士法人は導入趣旨と乖離していないか?

現行法がなぜ一人税理士法人を認めていないのか

理由としては

 

平成13年の税理士法改正で

税理士法人制度が導入された趣旨にあります。

 

税理士業務の共同化を促すことにより、複雑化・多様化・高度化する納税者等の要請に対して、的確に応えることともに、業務提供の安定性や継続性、より高度な業務への信頼性を確保することが可能となり、納税者利便の向上に資するというところにあった。

「税理士会 第1386号7ページより引用」

何言っているのかちょっとよくわかりません。

 

分解するとこういったことなのかなあと

思われます。

 

税理士法人は

・税理士業務の共同を促す
・複雑、多様、高度な要請に応える
・業務提供に安定や継続をもたらす
・より高度な信頼を確保する
・納税者の利便性向上になる

 

趣旨には個人との比較はされていないですが

税理士法人となることで以上のことが可能となる

と述べているので、個人と比べていることは確かです。

 

つまり、逆を申し上げると

個人の税理士は

・税理士業を共同できない
・複雑、多様、高度な要請に応えられない
・業務に安定と継続はもたらさない
・より高度な信頼を確保できない
・納税者の利便性の向上にならない

ということになりますね。

 

ケンカ売ってんのか?(笑)

となってしまいます。

 

私が考えるに平成13年の税理士法改正でも

税理士法人制度の導入について時期尚早という

声があったらしいので、

 

税理士法人って良いものだよね?

という理由を作る必要があったので

上記の趣旨になったのだろうと思います。

 

 

では実際に税理士法人は上記のような趣旨に合致して

税理士制度のためにやっているのかというと

内情はそうでもなさそうです。

 

支店を作るためにパートナー税理士を抱えたり

他の開業税理士とMAをしてみたりなどで

ビジネス的な側面が強い団体です。

 

また税理士会に協力的なのかというと

非協力的ですね(笑)

 

税理士法人のパートナーで税理士会に

協力的なのは昔から土着した税理士事務所を

引き継いでいる税理士法人だったりします。

 

以上のことを考えるに一人税理士であっても

そうではなくても趣旨に合致するような運営を

行われることはなさそうです。

 

税理士法人とすることが個人事業よりも

有利であるのかというと

結論としては有利となる場面が多いと思います。

 

まずは所得税です。

法人税と所得税の最高税率を考えれば

法人税の方が納税に対して有利です。

 

次に社会保険です。

国民健康保険は所得に応じて計算されるので

非常に大きな負担となります。

 

設定する役員報酬によるわけですが

国民健康保険の金額で健康保険と厚生年金を

賄えてしまうこともありえます。

 

 

論点は個人と法人との有利不利だけかも

税理士で開業している人の立場とすれば

論点は個人と法人との有利不利だけだと

思われます。

 

つまり、お金の話だけということです。

 

先ほども申し上げた通り

税金と社会保険で考えてもお金の有利不利です。

 

それと5人未満の個人の税理士事務所では

今後社会保険適用とするという改正が

出てくるようです。

 

こうなると個人開業では潰れるところも

出てくるのではないかと思います。

 

実際に私が初めて勤務した税理士事務所は

社会保険加入がありませんでした。

 

このようなことを考えるに

もう法人でも同じだと言えます。

 

個人事業として別法人を設立せずに

やっている税理士さんの場合には

 

ご自身が社会保険の負担を抑えるために

法人化したいと思っている人が多いと思います。

 

このように法人化にはお金の有利不利だけの

論点が根底にあるだけなのかもしれません。

 

 


編集後記

ようやくほとんどの決算と確定申告の目途が付きました。

4月以降は行政書士業務とFAS業務に集中することが

できるようになると思います。

 

特に行政書士の業務は期限が迫っているので

4月も色々と忙しくなりそうです。

 

ただスポットの業務があるということは

悪いことではないので頑張ってみます。

 

 

では税理士の齋藤幸生でした~
それではまた👍

 

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この記事は、その時の状況、心情で書いています。
また、法令に関しては、その後改正された場合には、
異なる取り扱いになる可能性があります。

 

 




ABOUT US
齋藤 幸生税理士・行政書士・経営革新等支援機関・ブロガー
都内税理士事務所にて7年間の勤務後独立。 2017年に税理士として独立後は建設業、フォワーディング業、IT業に特化した税務を行っています。また財務支援として資金繰り支援(会社の資金繰りと資金調達支援)を行っています。行政書士としては建設業許可、利用貨物運送事業の許可業務に特化しております。