個人事業主は自由?裁量あり?稼げるの?【個人事業】




個人事業主は自由?裁量あり?稼げるの?

今回は個人事業主の実態について、

考えていきたいと思います。

 

非常に耳障りの良いことがありますよね?

自由で裁量があり、稼げる!

 

本当にそうでしょうか?

 

最近だと会社から契約変更を要求されて、

労働雇用契約から業務委託契約にしてほしい・・・

とか言われていませんか?

 

こういった実質的に個人事業主でない

ことについても解説していきます。

 

それでは、スタートです!

 

個人事業主はどうなの?

個人事業主稼ぐことができるのか?

個人事業主は、本当に、

自由で裁量があって、稼ぐことができるでしょうか?

 

答えとしては、個人差がありますね。

 

私が税理士として担当していた、

現在関与している顧問先を参考に申し上げると、

 

うまく行っていないところ、うまく行っているところが

分かれていますね。

 

うまく行っているところは、実家が家業をやっていて、

そこからの委託契約があったり、金銭援助があったり

という場合にうまく行っていますね。

 

逆に一念発起して、やっている人は、

まあ、厳しいですよね。

 

ただ、会社員と変更してやるパラレルワーカーで

法人をやっている社長さんがいますが、

この人はうまく営業をして、がっちりやっています。

(一人社長なので、実質的に個人事業主です。)

 

個人事業主の問題点

話は変わって・・・

 

最近問題となっていることとして、

勤めている会社から契約変更を要求されている

ということがあるようですね。

 

契約上は業務委託契約となります。

 

こちらの良いところをまずは見ていきます!

 

1.個人側

設備投資の必要がなく、フランチャイズ的な

働き方ができ、うまくやれば儲けられる。

 

2.運営法人側

契約を業務委託にすることで、社会保険が必要ない、

管理すべてを委託者へ丸投げできる。

消費税の仕入税額控除の適用が可能となる。

 

逆にデメリットは次の通りです。

 

1.個人側

社会保険が国民年金と国民健康保険のみとなる。

国民健康保険の負担が健保よりも重い。

 

時間、裁量は運営法人からの言いなりで、

残業代もなしで、働きバチと化す。

 

要するに現代の奴隷制度そのもの。

 

2.運営法人側

実質的に業務委託契約が労働雇用契約になりかねず、

過去の税務申告の修正をしなければならなくなる。

 

また、本人から源泉徴収が必要となり、

源泉所得税、消費税及び罰金などを含めて

トリプルパンチとなる。

 

規模が大きいと社会問題となるので、

法人の存続にかかわることになる。

 

過去の最高裁判例があり、次のことを総合勘案して、

業務委託契約と労働雇用契約の判断をするという

ことになっています。

 

事業所得とは、自己の計算と危険において独立して営まれ、営利性、有償性を有し、かつ反覆継続して遂行する意思と社会的地位とが客観的に認められる業務から生ずる所得をいい、これに対し、給与所得とは雇傭契約又はこれに類する原因に基づき使用者の指揮命令に服して提供した労務の対価として使用者から受ける給付をいう。なお、給与所得については、とりわけ、給与支給者との関係において何らかの空間的、時間的な拘束を受け、継続的ないし断続的に労務又は役務の提供があり、その対価として支給されるものであるかどうかが重視されなければならない。昭和56年4月24日(民集35巻3郷672頁),国税庁資料から引用

 

また、国税庁は、平成20年10月10日最高裁判例と

合わせて、契約書が無い場合には、次のような判断を

することになっています。

 

契約関係、代替性の有無、拘束性の有無、指揮監督の有無、危険負担の有無、材料等の供与の有無といったことを総合勘案して判断しています。

 

今回は、税金の適用関係、つまり、

事業所得と給与所得の区分として解説していますが、

 

実際には、運営法人のリスクは、

業務委託契約をした元従業員からの

訴訟リスクも内在することになります。

 

個人事業主と会社員を比較!

それでは、個人事業主と会社員を比較して

考えていきたいと思います。

 

個人事業主と会社員の違い

個人事業主篇

個人事業主は、すべての収入を得る人になります。

そのために、事業に関わる経費もすべて負担する

ということになります。

 

ですから、メリットとデメリットが表裏一体で、

良いことばかりではないです。

 

単純に稼ぐことができるかは、

利幅が大きい仕事かどうかが問題です。

 

例えば、粗利率が20%であれば、

売上が1,000万円だと利益が200万円です。

 

ここから人件費を含む経費を支払うことになり、

到底食えるようになるとは思えません。

 

逆に粗利が70%だと、売上が1,000万円でも、

利益は700万円のこることになりますから、

人件費など経費を支払いながら、自分を食わすことが

できるかもしれませんね。

 

まあ、人件費を含む経費がどれくらいあるのか

という問題もあるわけですが。

 

会社員篇

会社員は、いたってシンプルです。

総支給額ー社会保険ー源泉所得税ー住民税=手取額

 

手取額がすべてで、経費については、

個人事業主のように経費控除はできません。

 

ですから、会社員の場合には、手取額をいかに増やすか

というゲームになりますね。

 

税金に関しても、年収が1,000万円くらいだと

確かに手取り収入が減る傾向になりますが、

 

そこまで行くことはまれでしょうから、

そうなると最も税金が低いことになりますね。

 

 

 

 

どっちが稼げるなどの比較は無意味

さて、個人事業主と会社員を比較すると

分かると思いますが、

 

そもそもゲーム性が異なることが

分かって頂けましたか?

 

個人事業主は利幅が良い業種を選択する

というゲームで、

会社員は手取額を多くするというゲームになります。

 

 

そもそも、比較対象とはなりませんね?

 

どちらが稼げるのかといった方向性自体が

異なります。

 

ドラクエで例えるなら、

勇者と賢者どちらが良いのか?

と聞かれているようなものです。

 

どっちもメリットがあり、デメリットがある。

 

良い悪いではなくて、方向性の違いです。

 

独立しないと意味がない!

最後に、個人事業主についてもうちょっと

深堀して申し上げます。

 

基本的には、独立して、一旗揚げないと

意味はありません。

 

先ほどのように、会社から契約変更を要求されて、

労働雇用契約から業務委託契約に変わったから

稼ぐことができるのかというと、

 

稼げるわけないです!

 

なぜなら、運営法人はただたんに社会保険の負担

軽減のために契約変更をしただけであって、

あなたのことを考えてはいません。

 

なぜなら、時間的、空間的な拘束、指揮命令など

様々な運営を契約条項に詰めてくるのが普通です。

 

なんなら、あなたから運営法人へ請求書を

発行すらしていないのではないでしょうか?

 

つまり、自己の計算をしていない場合もあると思います。

 

やっていることは、任されたところの運営、管理、

経費の負担ではありませんか?

 

これについては、色々な社会的な問題もありますが、

とどのつまり、全部自分でやることができる状況でないと

自由で裁量があり、稼ぐことができる!

ということにはならないのです。

 

従って、完全に自分一人で、一旗揚げて、

事業をすること以外にないわけですね。

 

ですから、独立しないと意味がないのです!!

 

 

 


編集後記

今日は、資料が遅れている会社の入力業務をします。

今日届くと良いのですが・・・

 

入力後は、新規事業をまとめて、サービス価格など

色々と精査してやってみようかと思います。

 

 

ではぼっち税理士の齋藤でした~
それではまた👍

 

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この記事は、その時の状況、心情で書いています。
また、法令に関しては、その後改正された場合には、
異なる取り扱いになる可能性があります。

 

 




ABOUT US
齋藤 幸生税理士・行政書士・経営革新等支援機関・ブロガー
都内税理士事務所にて7年間の勤務後独立。 2017年に税理士として独立後は建設業、フォワーディング業、IT業に特化した税務を行っています。また財務支援として資金繰り支援(会社の資金繰りと資金調達支援)を行っています。行政書士としては建設業許可、利用貨物運送事業の許可業務に特化しております。