給料計算の仕組みと手取り額を解説!6月からは住民税も変わる!




給料計算の仕組みと手取り額を解説!

今回は、表題にある通りに、

給料計算の仕組みと手取り額を

解説していきます。

 

それとともに、気になる住民税や所得税も

合わせて解説していこうかと思っています。

 

それでは、スタートです!!

 

給料計算の仕組みと手取り額

給料計算の仕組み

給料計算は次のように計算します。

 

①給料の総支給額の計算
②社会保険の算定
③(源泉)所得税の算定
④手取り額(振込額)の計算

 

給料計算で総支給額の計算は、

社会保険労務士先生の範囲ですので、

今回は割愛します。

 

社会保険の算定は、総支給額に合わせて、

社会保険料率表にて算定します。

 

標準報酬月額(総支給額)に合わせた金額で

算定することになりますね。

 

また、従業員の場合には、雇用保険料も

計算することになりますね。

 

ここでは、健康保険、厚生年金、雇用保険を

社会保険料とします。

 

そのあとに、(源泉)所得税の計算です。

 

ここで源泉所得税とは、個人へ支払うときに

天引きする所得税のことです。

 

源泉と頭についていますが、所得税ですね。

 

こちらは、以下のように計算されます。

総支給額ー社会保険料=源泉所得税の対象金額(A)

 

この(A)という部分を社会保険と同様に

源泉所得税の月額表のうち、甲欄の金額に

合わせた金額で源泉所得税を算定します。

 

社会保険料の算定ができる人であれば、

誰でもできる表になっています。

 

それでは、手取り額(振込額)の計算です。

こちらは、次のように計算します。

 

①総支給額ー社会保険料=(A)
②(A)-源泉所得税=(B)
③(B)-住民税=手取り額

給料計算は、上記のようにされます。

 

手取り額との関係

さて、手取り額が変わる場合があります。

理由は、社会保険料の金額に増減があるときに

手取り額が変わることになりますね。

 

基本的には、毎年3月に健康保険料率に変更があり、

毎年9月に厚生年金保険料率に変更があります。

 

また、会社の社会保険の計算上、

総支給額に変動があった場合で、

 

変動した総支給額に連動させて、

社会保険料を計算している場合には、

社会保険料が変わります。

 

それと、社会保険料の標準報酬月額に

変更がある場合にも、手取り額が変わります。

 

この支給対象となるのは、

3月~5月までの総支給ですね。

 

ですから、巷だと、3月から5月の総支給額を

減らせば、社会保険料も減ると解説している

脱法行為のサイトがありますが、

 

これについては、3月から5月分を減らしても、

その減らした分を給料という形でもらう以上、

 

社会保険料率の等級で2等級変化がある場合には、

変更申請をすることになりますので、

そう簡単に社会保険料を圧縮することはできません。

 

あとは、税金関係に変更があった場合です。

 

総支給額に変更があった場合には、

源泉所得税の金額に変更が生じます。

 

それと住民税が天引きされるようになると、

6月天引き分と7月天引き分には違いがありますので、

6月と7月の手取り額にも差額が生じます。

 

住民税はなぜ6月から変わるのか?

それでは、住民税について確認していきます。

 

住民税はなぜ6月から変わるのか?

理由は、給料から天引きして納付する制度(特別徴収)

では、6月から翌年5月までの間と決まっているからです。

 

では、なぜ6月からなのかという理由です。

それは、住民税は前年の収入を課税の対象と

しているからなのです。

 

現在2019年ですので、2019年の住民税の課税対象は、

2018年1月~12月までの収入になります。

 

この点、2018年の所得税の確定申告期間が、

2019年3月15日までありますので、

 

住民税の計算が終わって、課税通知書を

発送できるのが物理的に6月になってしまうわけです。

 

ですから、2019年6月の給料から天引きされる

住民税は2018年分の住民税となります。

 

 

 

 

所得税と住民税は違うのか?など

さて、一般の人たちから受けるご質問に

所得税と住民税は違うのか?という疑問が

ありますね。

 

所得税と住民税はそれぞれ違う税金です!

 

所得税は国の税金で、住民税は地方の税金です。

ですから、課税される場所、納付する場所が違います。

 

所得税は税務署へ納付することになりますが、

住民税は住所がある役所となりますね。

 

また、源泉所得税や住民税を天引きされたくない!

というご質問も受けることがありますね。

 

こちらは、給料から天引きされる制度になっていて、

これを拒むことはできません。

 

これを拒んだ場合には、給料を支給している

会社に罰金の追加の金銭的負担が出てきます。

 

また、住民税については、特別徴収という制度が

今まで周知徹底されていなかったので、

給料天引きではなかった人もいると思います。

 

しかし平成26年頃から厳しくなってきて、

現在は、原則の通りに、特別徴収の義務に

なっている状況です。

 

特別徴収とは別に、普通徴収という納付方法もあります。

こちらは、給料以外の収入がある場合で、

 

所得税の確定申告で、自分で納付に〇を付けた

納税者に関しては、普通納付といって、

年4回で納付することができるようになりますね。

 

源泉所得税の注意点

それでは、源泉所得税の注意点を確認してみます!

こちらは、源泉控除対象配偶者という存在が、

新たに追加されています。

 

こちらは、平成30年から新設された制度で、

配偶者控除と配偶者特別控除の改正と共に

できた制度です。

 

今回は、配偶者控除と配偶者特別控除については、

給料の計算とは一線を画しますので、

解説は行いません。

 

源泉控除対象配偶者という存在について、

解説していきたいと思います。

 

源泉控除対象配偶者とは?

国税庁のFAQによれば次の人のことを言います。

「源泉控除対象配偶者」とは、給与所得者(合計所得金額が 900 万円(給与所得だけの
場合は給与等の収入金額が 1,120 万円)以下の人に限ります。)と生計を一にする配偶者(青
色事業専従者として給与の支払を受ける人及び白色事業専従者を除きます。)で、合計所得
金額が 85 万円(給与所得だけの場合は給与等の収入金額が 150 万円)以下の人をいいます。

 

つまり、2段階で判断します。

1.給与所得者(本人)

給料の総支給額が1,120万円以下の本人である

必要があります。

 

2.配偶者

給料の総支給額が150万円以下の配偶者である

必要があります。

 

源泉控除対象配偶者で何が変わるのか?

結論を申し上げると、手取り額が多くなります!

なぜかというと、源泉控除対象配偶者になると、

 

扶養親族として源泉所得税の算定で考慮しますので、

源泉所得税として給料から天引きされる金額が

少なくなるのです。

 

源泉控除対象配偶者の判断の日は?

こちらも国税庁のFAQより抜粋します。

「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出する際に、配偶者が源泉控除対象配偶者に該
当するかどうかは、「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出する日の現況により判定しま
す。この場合、その判定の要素となるその年の合計所得金額の見積額については、例えば、
直近の源泉徴収票や給与明細書を参考にして見積もった合計所得金額により判定すること
となります。

 

給与所得者の扶養控除等申告書は、実務上では、

年末調整するときに提出しますので、

 

2019年での判断日は、2018年11月~12月中に

行っているものと思われます。

 

年の途中で源泉控除対象配偶者になった時は?

こちらも国税庁FAQから抜粋します。

年の中途で、給与所得者の合計所得金額の見積額又は配偶者の合計所得金額の見積額に
異動があり、その配偶者が源泉控除対象配偶者に該当することになった場合には、給与所
得者は、給与所得者の合計所得金額の見積額又は配偶者の合計所得金額の見積額に異動が
あった日以後最初に給与等の支払を受ける日の前日までに「給与所得者の扶養控除等異動
申告書」を給与等の支払者へ提出することとなります。
なお、提出を受けた給与等の支払者は、給与所得者から「給与所得者の扶養控除等異動
申告書」の提出があった日以後、扶養親族等の数に1人を加えて源泉徴収税額を算定する
こととなります。
(注) 既に源泉徴収を行った月分の源泉徴収税額については、遡って修正することはでき
ませんので年末調整により精算することとなります。

 

年の途中に源泉控除対象配偶者となるには、

ご結婚されたときが想定できます。

 

ですから、婚姻届けを提出した月に

給与所得者の扶養控除等異動申告書を

会社へ提出すれば、

 

その提出した日以後の給料の支給については、

手取り額の計算上、源泉所得税について、

源泉控除対象配偶者を考慮することになりますので、

手取り額が増えることになります。

 

知らないと損をするようになっている

さて、給料計算を知っていても、

その内容を考えてみると、

 

社会保険、源泉所得税、住民税の3つの知識が

必要となることが理解できたはずです。

 

ということは、知らないと損をする

ということになるわけです。

 

先ほどの源泉控除対象配偶者については、

配偶者控除や配偶者特別控除の改正によって、

適用される金額の範囲が大きくなったので、

新たにできた制度となります。

 

実務上ではあまり、重要とされていません。

 

それもそのはずです。

年末調整で考慮すれば、最終的な税金に

違いはないからです。

 

しかしながら、月の手取り額という目線で見れば、

手取り額が増えることは幸せなことだと思います。

 

まずは身近な給料計算からどうなっているのかを

考えてみることもよいのではないかと思います。

 

 


編集後記

昨日、LINE@相談支援を開設しました!

基本的には、単発でのご相談をメインにした

サービスとなっています。

 

税理士に頼むほどではないけど、

ちょっと相談したいことがあるんだけど

というような場合に使ってほしいサービスです。

 

 

ではぼっち税理士の齋藤でした~
それではまた👍

 

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この記事は、その時の状況、心情で書いています。
また、法令に関しては、その後改正された場合には、
異なる取り扱いになる可能性があります。

 

 




ABOUT US
齋藤 幸生税理士・行政書士・経営革新等支援機関・ブロガー
都内税理士事務所にて7年間の勤務後独立。 2017年に税理士として独立後は建設業、フォワーディング業、IT業に特化した税務を行っています。また財務支援として資金繰り支援(会社の資金繰りと資金調達支援)を行っています。行政書士としては建設業許可、利用貨物運送事業の許可業務に特化しております。