【税理士業の繁忙期と経営】なぜ繁忙期があるのか知っていますか?




税理士業の繁忙期と経営

税理士業だけを取り出して考えると、

必ず訪れる繁忙期があります。

 

一般的には、12月から翌年の3月15日まで

ということになろうかと思います。

 

2月上旬は、人によっては、いったん小休止に

なる場合もあるかもしれませんね。

 

さて、この繁忙期なのですが、なぜあるのでしょうか?

多くの人たちは、一般納税者、業界で働いている人たち

から見れば・・・

 

所得税の確定申告、12月決算、年末調整、合計表、

償却資産税といった業務があるからだと思うと思います。

 

これは、税務という側面からみただけの話ですね。

もっと根本的なことを申し上げると、

 

繁忙期=稼ぎ時

とも考えらるわけです。

 

つまり、税理士事務所や会計事務所の所長から見れば、

ここで一気に稼ぐでおくという考えだと思います。

 

簡単に申し上げると、果実が実ったときで、

これの回収時期が繁忙期ということです。

 

ですから、繁忙期と事務所経営とは密接な関わり合いが

あると言えそうです。

 

私は繁忙期がかなり苦手で、今でも同じです。

できれば、忙しくやりたくないというのが本音です。

税務とは言え、期限に追われるのが何とも嫌だからです。

 

そこで、独立したら、繁忙期をどうやって過ごそうかなあと

勤務時代から考えていました。

 

繁忙期は確かに実りが大きく、おいしい仕事ですが、

それが人生に与える影響を考えると・・・ということです。

 

今回は、事務所経営の観点から繁忙期を考えて、

その繁忙期から自分の人生を見つめなおす

といったことをやってみてはいかがでしょうか?

という提案を行っていきます。

 

すごく税理士業が好きすぎで、繁忙期!come on!

という方には意味のない記事です。

 

 

税理士業の通常の稼ぎ方

それでは、税理士業の通常の稼ぎ方を

見ていきたいと思います。

 

大まかに申し上げると、税理士業はその年の上半期に稼ぎ、

下半期に備えるスケジュールになっています。

このことに、気が付いている人は多いと思います。

 

ですから、上半期に稼げなくなると、

事務所経営が立ち行かなくなっていくことになります。

 

それで、法人や個人問わず、いろいろ申告を取ってきて、

気が付いてみたら、繁忙期ということになります。

 

事務所経営で考えると、繁忙期はあって当然ですし、

職員さんに働いてもらう絶好の機会です。

 

土日出勤上等、夜はてっぺん超えるのが当たり前

という事務所も今でもあるかと思います。

 

それで、仕事を稼いで、2月や3月の請求書の数は

通常よりも多くなっていると思います。

これが、事務所経営というものだと思います。

 

ですから、事務所経営のスタイルとしては、

人海戦術で件数を裁くというスタイルになりますね。

 

旧態依然として、なんだか昭和に戻ったような

経営スタイルですが、いまだにこれ以外のスタイルで

稼ぐことは難しい側面があります。

 

いつまでたっても、税理士業の限界はここだと

考えることができますね。

 

良いが悪いかはひとまず置いておいて、

このスタイルを確立することができれば、

 

いつ税理士業に参入しても、経済的には成功する

と言っても言い過ぎではないかと思います。

 

ここまでは、経営の側面から見てきました。

まとめると・・・

 

・事務所経営では繁忙期が必要

・従業員に働いてもらう良い機会

・繁忙期スタイルを確立できれば、経済的には成功できる

 

 

 

繁忙期の業務が集中していることが悪いのか?

では、翻って繁忙期に業務集中していることは

悪いのかどうなのかということです。

 

昨今、働き方改革なるものが世の中(大手だけ)では

浸透しているように思います。

 

税理士事務所や会計事務所の大手でもご多分に

漏れずにそのような動きとなっています。

 

昨年、確定申告の申告期限を4月に伸ばす提案が、

某税理士法人から出されました。

 

この提案は最終的に改正要望には反映されませんでしたが、

どうしてこのようなことが起こったのかというと、

 

大手の税理士事務所や会計事務所では、

繁忙期に従業員の稼働時間を抑制しようとする

動きがここ何年かありました。

 

現在進行形で動いている状況です。

地方はどうか分かりませんが、

 

東京は特に、個人の確定申告案件が多くて、

確定申告期間は、本当に繁忙期になりますね。

 

通常の業務で30件くらいの人が80件をこなす

ということになる場合だってあります。

 

 

 

 

 

このように業務が集中することは悪いことですか?

ということを考えたいのです。

 

経営者から見れば、件数があるんだからしょうがない、

という考えになるかと思います。

 

ただ、業務が集中すると人間は、目の前の業務を

とりあえずさばくことに集中することになります。

 

私も、繁忙期にえらい目にあったので、

ただ仕事をこなすだけになったことがあります。

 

さばいて、さばいて、終わってみると

むなしい気持ちになるわけです。

 

逆に人によっては、すがすがしい気持ちになる場合も

あるかもしれませんね。

 

私があれ?と思ったのは、繁忙期でえらい目にあった年の

年収でした。総支給が530万円でした。

 

私の中では、えらい目にあったという心理的な負担が

相当程度あったので、600万円くらいの仕事をしたと

思いましたね。

 

この時、勤務だと自分の人生をささげているだけで、

何も残らない仕事をしているのではないかと

むなしくなったことを覚えています。

 

繁忙期に業務が集中するということは、

このような思いを助長させるだけだと思います。

 

ですから、事務所経営の真逆の心理となりますが、

私個人としては悪いことだと思っています。

 

繁忙期を振り返って、人生を見つめなおす

繁忙期が真っ最中の人たちに、今言うのか!と

怒られてしまいそうですが・・・

 

繁忙期が終わったら、まずは、振り返ってみてください。

自分の人生にとって何が一番必要なのかということです。

 

私が一番必要だと感じたことがあります。

心の平穏です。

 

繁忙期後に、ものすごく疲れたり、体調崩したり

といったことが起こります。

 

私はこれを繁忙期症候群だと思っています。

 

いくら所得税が好きでも、件数と期限、

資料収集に時間がかかる外的要因などを考えれば、

心に負担が来て当然です。

 

さらに、継続的な労働時間の長さということが

積み重なっていくと、心身ともに疲れてしまいます。

 

繁忙期の最中は、そんなに疲れなくても、

それは、目の前の仕事に集中していて、

感じなくなっているだけにほかならないです。

 

毎年、繁忙期を乗り切っている人が多いと思います。

そこから、皆さんは何を得ているのでしょうか?

考えたことはありませんか?

 

私は、繁忙期の活動と年収の差に疑問を抱いたことを

きっかけに、その年の暮れに、つらいので、件数を減らして

ということを申し上げました。

 

翌年からは、通常の繁忙期よりも楽に仕事ができて、

年収は510万円くらいとなりました。

 

私はこちらの方が実りがあると考えました。

余裕を持って仕事ができましたし、

 

後輩の面倒もちょくちょく見ることができて、

現場ので仕事の判断でも、一瞬で判断することなく、

確認したうえでの回答をすることができました。

 

ですから、私にあっていた仕事のやり方が

できたということなのだと思います。

 

まあ、そのあと独立したら、勤務時代にはわからなかった

感覚的なことをわかるようになったので、

さらに良かったと思っているところです。

 

繁忙期がこんなもんだと思っている人の多くは、

繁忙期に得られていることは多くないと思います。

 

慣れてくると、自分の人生の一部を繁忙期に切り売りしてい

給料に変換しているだけだと気が付いていると思います。

 

それが自分の人生として良いのであれば、

それで良いと思います。

 

私は、それは嫌でしたし、

それでは、自分の人生を自分のもとして

コントロールできていないと感じました。

 

また、給料にそのあたりがうまく反映されているのか

ということも問題です。

 

自分がやった仕事の量や質と、もらっている給料が

見合っているのかということも考えないといけません。

 

繁忙期は、そういったことを見つめなおす絶好の機会です。

ぜひ、自分の人生として振り返って頂ければ幸いです。

 

ぼっち税理士は繁忙期をどうしているのか?

最後に、興味はないと思いますが、

ぼっち税理士の繁忙期について説明をします。

 

昨年の繁忙期は、本当に繁忙期としてしまいました。

なぜかというと・・・・

 

2月から東京国税局の電話相談センターの委嘱業務を

12日間(2月は7日間)入れて、精神的に疲れていました。

 

また、関与先の経理さんが変わったこともあって、

決算データを経理さんがいじってしまうという

トラブルも重なり、期限ぎりぎりの申告になりましたね。

 

うまくいった法人もあるのですが、手間取った法人も

あったということで、件数は大したことないのに、

非常にに疲れる2月だったことを覚えています。

 

3月に入っても、電話相談センターの業務は続きまして、

3月15日まで継続したところで、ようやく平穏を

取り戻したような記憶があります。

 

しかし、1月決算もあったことから、ぼけっとは

していられなくて、そちらの対応もしていました。

 

今年は、そういった過去の活動を踏まえて、

電話相談センターはやっていません。

 

支部の業務を受けて、3月から3回行くことに

なっています。

 

今月は、ふたを開けてみると2月はやはり私にとって鬼門で、

上旬から決算の予定が入ったり、スポットで仕事があったりで、

なかなかスリリングな月間となっております。

 

昨年と異なるのは、すでに申告するところの

法人個人の多くは会計を締め終わって、

提出だけということが多くを占めていることですね。

 

これで、電話相談センターをやっていたらと思うと

ちょっとゾッとします。

 

スケジュール的にかなりきつかっただろうし、

何よりも精神的に疲れたと思います。

 

土日に仕事をずっとするということになってしまって、

休める日が極端に少なくなっていると思います。

 

まあ、決算のためと月次締めで月2回訪問するので、

スケジュールが圧縮していしまうわけですが、

 

税金計算する前に、ある程度の決算数字と、

法人税の説明をしておくと、社長も納得してくれますし、

いきなり、はい納付書です!お支払いください。

 

といった対応を私はしたくありませんので、

時間をかけてやっているわけです。

 

繁忙期なのに時間をかけて決算をするという

訳のわからないことをやっていると思われるでしょうが、

これが私のスタイルなのです。

 

最も優先すべきは、顧問先の納税への納得感だと

思っていますので、やり方を今後も変更しようとは

思っていません。

 

 


編集後記

今日は、午後から個人の確定申告のため訪問です。

厳しい業績の方だったのですが、ようやく通常通りに

戻ってきましたね。

 

今は、税理士業界は繁忙期だと思いますが、

それに比べれば、平穏な毎日を過ごせています。

 

独立したら、平穏が一番です!

これからも平穏が続くようにやっていきます!

 

 

では国際税務の税理士齋藤でした~
それではまた👍

 

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この記事は、その時の状況、心情で書いています。
また、法令に関しては、その後改正された場合には、
異なる取り扱いになる可能性があります。

 

 




ABOUT US
齋藤 幸生税理士・行政書士・経営革新等支援機関・ブロガー
都内税理士事務所にて7年間の勤務後独立。 2017年に税理士として独立後は建設業、フォワーディング業、IT業に特化した税務を行っています。また財務支援として資金繰り支援(会社の資金繰りと資金調達支援)を行っています。行政書士としては建設業許可、利用貨物運送事業の許可業務に特化しております。