【税理士としての独立を考える】稼ぐ力がないと独立は難しい。稼ぐとは何か?




税理士としての独立を考える

2018年12月14日、税理士試験をパスして

税理士の有資格者となられた方たち、

おめでとうございます!

 

では、この中からどれくらいの人数が独立するのか?

と私は思っています。

 

2018年の合格者は672人です。

内訳は次の通りです。

 

・41歳以上:247人

・36歳から40歳:142人

・31歳から35歳:133人

・26歳から30歳:99人

・25歳以下:51人

 

一般的な考えを申し上げると、

20代は修行期間で、まだ独立には早い、

40代くらいだと、家庭を持つのでリスクはとれない。

 

こうした考えになるので、30歳から35歳くらいの人が

独立に向いているような感じがありますね。

 

実際はいかがでしょうか?

本当は自分で稼ぐ力があれば独立するのではありませんか?

 

独立して事業をすることで食っていければ、

嫌な思いをして勤務を選択することはないと思います。

 

では稼ぐ力って何か?

これは、独立して事業をして食べていくことです。

 

ですから、逆説的ではありますが、独立しないと

稼ぐ力って得られないわけですね。

 

ですから、なぜ食えない税理士ができるのかという

背景を見ながら稼ぐ力を考えてみたいと思います。

 

食えない税理士が生まれる背景

さて、なぜ食えない税理士が生まれるのか?

この背景を考えてみたいと思います。

信頼関係の構築に失敗してませんか?

単純に食える食えないということだ見れば、

とどのつまり、売上がないということです。

 

ではなぜ売上がないのかというと、

顧問先であるお客様がいないということです。

 

税理士業の本質とは顧問業務であり、

月額顧問料が命綱となっていきます。

 

ですから、食えない税理士が生まれる背景に、

税理士業の本質を見誤っていることがあるといえそうです。

 

実際には、いやいや顧問先と契約が取れないからだよ!と

お叱りを受けてしまいそうですが。

 

しかし、顧問先と契約が取れないということは、

独立する前、勤務時代から自分の担当先との

信頼関係の構築に失敗している可能性があります。

 

というのは、顧問先との契約は値段もあるでしょうが、

信頼関係を構築することができるかどうか?

この1点に集約されるのではないかと思います。

 

私の例を話すと、前の事務所に入所してから、

3年くらいたったある日に、独立したらお願いしたいと

打診を受けることがありました。

 

担当先との雑談の中で、私が税理士試験のこり1科目である

ということを担当先が知っていたからです。

 

こうしたことは重要で、要するに自分でもお客様と契約できる

という証左になったということです。

 

たった1社だけでしょ?というと確かにそうなのですが、

独立後の半年で、前の事務所から5社が合流することになりました。

 

何が言いたいのかというと、1社からでも信頼関係が

できているということは、他にもそういった会社がある

ということを言いたいのです。

担当先の関係を継続することが重要

私の場合は前の事務所で約7年勤めていました。

そういった特殊性もあるといえばあります。

 

ただ、給料の増加だけを考えて、税理士事務所や

会計事務所を複数渡り歩く人は、私のような

ボーナス的なことを独立時には受けられないと

考えています。

 

これは長く勤めれば良いということを言っている

わけではありません。

 

長く顧問先との関係を築くことが重要なのです!

顧問先との関係を長くやっていける可能性がない方が

顧問先と契約できないのは必然ではないでしょうか?

 

 

稼ぐ力とは一体?

さてでは、食えない税理士が生まれる背景を

私の経験則ではありますが考えてみました。

稼ぐ力=相手に得をさせること

それでは、稼ぐ力とは一体何か?を考えてみたいと思います。

結論を申し上げると、相手が得していると判断できる!

この1点に尽きると思っています。

 

この部分は勤務の方たちでも、新人時代に体験していると

私は思っています。

 

良かれと思って会社へしてあげたことが裏目に出る

というような場合です。

 

例えば、良かれと思って借入の提案をしてみた、

良かれと思って法人保険を提案してみた、

良かれと思って税法の適用をしてあげた

 

他にも料金を取っているから、

経理資料の整理を手伝ってあげた、

会社の資料作成を手伝ってあげたなど

 

勤務時代にあれもこれもといった感じで、

新人時代にやって差し上げた経験は誰にでもあると

思うのです。

 

結果としてよかったですか?

良かった場合もあったはずですが、

 

社長にありがとうと感謝されたことは一度でも

ありましたか?

 

なかなかないのではないかと思うのです。

 

つまり、そういうことなのです。

相手の琴線に触れていないことをしているのです!

 

 

 

欲しい時に欲しいものを差し上げる

もっと申し上げると、料金を払っているけど

よくわからないことをあの人はしていると

思われているかもしれませんよ。

 

先ほども申し上げましたが、税理士業の本質は

月額顧問料というわけです。

 

しかし、月額顧問料をもらっているからと言って、

毎月毎月何かをしないといけないわけではありません。

 

顧問先であるお客様が望んでいることを

月額顧問料の中でやって差し上げることが

重要なのです。

 

その時に、別料金ではないということが

相手に得をしたと判断させるポイントになるわけです。

 

極端に言ってしまうと、ニーズがあるまで動かなくても

良いということになるわけです。

 

ここを理解していないといつまでもたっても

稼ぐ力が付かないと私は思っています。

 

ここまでのことができないと思った方は、

まずは、顧客様のニーズを聞き出すことから

初めて見てはいかがでしょうか?

 

また、自分の働きがどのように評価されているのかを

知るために要望を聞いてみることが良いかもしれません。

 

要望が何もなく、よくやってくれているということであれば

それでいいですし、ニーズが出てから行動すればいいのです。

 

言ってみれば需要がないところに供給をしても意味は

ないということは誰でもわかることです。

 

しかし、これをいったん月額顧問料という範囲で

考えるとさも需要があるように見えてしまうのが

税理士業の難しさだと思います。

 

がむしゃらになるのも良い

では、実際に独立して上記の考え方でやっていくとして

実際に食えるのかどうなのか?ということです。

 

現実的な結論を申し上げます。

顧問先が10件から15件くらいないと厳しいです。

 

勘違いしないで欲しいのは、

ここでの話は経済的な話で合って、今までのは

契約が取れるノウハウではないということです。

 

ですが、私が上記で申しあげた本質を分かっていないと

顧問先との契約後に仕事の紹介を受けることが

難しいと思います。

 

紹介したい人物になり得ないからです。

 

ここでの話は、経済的に食えるまで頑張るという話で、

食えるまではがむしゃらになるということです。

 

実際に顧問先ゼロで開業したとして、

食えるまでに顧問先10件から15件で食えるのが本当か?

ということを説明したいと思います。

 

年商にもよりますが、月額顧問料だけだと、

月1万円~2万円くらいになると思います。

 

実際には相場観もあるので2万円くらいが妥当と考えると

2万円×15件=月商30万円となりますね、

 

決算料もそんなにもらえないと考えて、3か月分としますと

2万円×3か月×15件=90万円

 

そうすると30万円×12か月+90万円=450万円(年商)

これがとりあえず確定することになります。

 

これをてこにして、給料計算、記帳代行で月額顧問料を

積上げていくと年商としては600~800万円くらいは

いけると考えます。

 

今の税理士業界で働いている人たちは、

給料計算や記帳代行といったマンパワー型の仕事を

嫌う傾向があると思います。

 

しかし、独立しているとそういったことを言ってられません。

来たことを全部受任して、時には範囲になっていないことも

引き受けるということあり得ます。

 

契約したらがむしゃらにやるということは

すなわちそういったことなのです。

 

それに見られていないようで、意外にみているのが

顧問先なのです。

 

頑張っているのであれば、頑張っていることが相手にも

伝わることになります。

 

そうなると応援してくれることになりますので、

紹介も増えていくことと思いますね。

 

まずはがむしゃらにやるのも良いと思います。

 

税理士の独立は年々難しくなっているのか?

税理士の独立が年々難しくなっているのか?

というと私はそう思っていません。

 

税理士となって、会や支部、任意団体に加入すると

分かってくるわけですが・・・

 

自分のスキルは意外に高いなあと思うと思いますよ。

 

というのは、税理士の多くはあまり勉強をしていないと

私は感じています。

 

例えば、新しくできた税制に関しては、年を取った人が

勉強するにはちょっとかわいそうな感じがします。

 

税制は年を追うごとに難しく、複雑化していってます。

また、AIが仕事を奪うといわれていますが、

 

AIは人間のやることへの判断ができませんね。

大量なものをいっぺんに処理するだけなら

ものすごい強みを持っているわけです。

 

しかし、会計の知識が必要なため、

AIや自動仕訳を使うことには専門的な知識が必要です。

 

 

ですから、新たな需要を生み出してくれている

というのがAIではないかなあと思います。

 

人間はAIだけに頼り切っているわけではなく、

それを使うのにも不安を覚えることが多いです。

 

特にAI設定や自動仕訳の設定にはマニュアルは存在ません。

設定の資料は会計ソフトベンダーが用意をしていますが。

 

実際には自分の行った設定があっているのかを

判断する知識や経験は乏しいと言わざるを得ません。

 

この辺りの考え方は経営にどうやって活かすかかという

その人の考えによることが多いと思いますね。

 

ですが、まずは顧問契約の数を10件~15件にすることが

最も重要なことなのです。

 

値段が設定できない場合には、税理士紹介会社のホームページで

税理士報酬の相場があります。

 

そちらを参考にして、料金表を作ってしまえば、

顧問契約をどれだけ取ればいいのかが分かります。

 

へんな話ですが、税理士報酬の場合、安くても、高くても

不審に思われることが多いです。

 

ちょうどよい料金でやる方が一番いいわけです!

 

 

 


編集後記

今日も完全オフとなっていまが、

ちょっとだけ仕事をしようと考えています。

 

ドラゴンボール超の映画を見に行きたいのですが、

プライベートな予定が入っていてなかなか見に行けない

というのが残念です。

 

 

では国際税務の税理士齋藤でした~
それではまた👍

 

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この記事は、その時の状況、心情で書いています。
また、法令に関しては、その後改正された場合には、
異なる取り扱いになる可能性があります。

 

 




ABOUT US
齋藤 幸生税理士・行政書士・経営革新等支援機関・ブロガー
都内税理士事務所にて7年間の勤務後独立。 2017年に税理士として独立後は建設業、フォワーディング業、IT業に特化した税務を行っています。また財務支援として資金繰り支援(会社の資金繰りと資金調達支援)を行っています。行政書士としては建設業許可、利用貨物運送事業の許可業務に特化しております。