【基礎控除改正】年末調整などをいつやるかで基礎控除の適用が変わる!税理士が解説
こんにちは!
税理士・行政書士・社会保険労務
の齋藤幸生です!
今回は・・・
基礎控除改正の適用時期によって
基礎控除の金額が変わることを解説します。
それでは、スタートです!!
適用時期によって基礎控除は変わる
いろいろあって基礎控除が
令和7年税制改正で変わりましたが
こちら適用時期によって金額が
変わってしまうことになります。
基礎控除が変わるのは
令和7年12月1日以降に支払われるべき給与等についてから
となっています。
根拠は
の
(令和七年分以後の各年分の基礎控除等の特例に関する経過措置)
第37条の2に書いてあります。
ということは最後に給与等が
支払われたのが令和7年12月1日前
になると
基礎控除は従前によるということに
なるため基礎控除の特例は使えない
ということになります。
令和7年分の年末調整での対応
令和7年分年末調整について
考えてみます。
通常の年末調整であれば12月に支給
される給与が決まってから年末調整
行うことになります。
結果、基礎控除の特例も適用されて
今までの年末調整と同様に行うことで
問題はないかと考えます。
月給を計算するときの給与計算でも
基礎控除の特例は意識せずに
源泉所得税を徴収すればよいです。
こちらは、令和7年分年末調整で
基礎控除の特例が適用できれば
年末調整で自動的に課税対象金額が
下がることになり所得税の納付額も
下がるので特に意識する必要はない
からですね。
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実務上のポイントは
令和7年11月30日以前に支払われた給与について年末調整をした場合
になります。
すみっこの論点になりますが
年の中途で年末調整の対象になる人
というのが一部存在します。
(1) 海外支店等に転勤したことなどの理由により非居住者となった人
(2) 死亡によって退職した人
(3) 著しい心身の障害のために退職した人(退職した後に再就職をし給与を受け取る見込みのある人は除きます。)
(4) 12月に支給されるべき給与等の支払を受けた後に退職した人
(5) いわゆるパートタイマーとして働いている人などが退職した場合で、本年中に支払を受ける給与の総額が103万円以下である人(退職後その年に他の勤務先から給与の支払を受ける見込みのある人は除きます。)
国税庁 No.2665 年末調整の対象となる人から引用
上記のうち非居住者となった人とか
死亡退職の人とかが年末調整をする
に出てくる可能性が高いです。
こういった人がいて令和7年11月30日
以前に年末調整をした場合には
基礎控除の特例の適用があったとしても
年末調整では適用しないことになります。
結果、確定申告を行って基礎控除の特例
を受けることになると考えられます。
準確定申告での対応
準確定申告でも令和7年12月1日以降と
令和7年11月30日以前とで対応が
分かれることになります。
すなわち、令和7年11月30日以前に
準確定申告をした場合には
基礎控除の特例の適用があったとしても
従前の48万円を適用して準確定申告を
提出することになります。
この場合には、令和7年12月1日以降に
基礎控除の特例の適用があるのであれば
更正の請求をすることで還付をする
ことになると明確化されています。
要するに、令和7年11月30日以前に
準確定申告の申告期限がある場合は
2回申告することが前提での対応を
行わなければならないのです。
実務上のすみっこの論点としては
準確定申告が令和7年12月1日に
なっている場合には
基礎控除の特例の適用が
ある人について自信をもって
基礎控除の特例を適用して
準確定申告を行います。
もし準確定申告の提出期限が
令和7年12月1日の場合には
基礎控除の特例の適用について
税務署の担当者に
疑義を持たせることになる可能性が
ありますので
基本的には令和7年12月1日の提出期限
に提出します。
こういった表現になるのは理由があって
先ほどの経過措置の第37条の2第3項において
令和7年12月1日前に(中略)確定申告を提出した者(中略)は、その確定申告書に記載された事項(中略)につき令和7年分以降の各年分の基礎控除の特例の規定により異動を生ずることとなったときは、その異動を生ずることとなった事項について、同日から5年以内に、税務署長に対し更正の請求をすることができる
と記載があります。
ということは、厳密には
令和7年12月1日から
基礎控除の特例の適用があるのため
申告期限が令和7年12月1日である
準確定申告であっても
令和7年12月1日前に提出してしまうと
基礎控除の特例は適用されないと
考えることができます。
準確定申告の申告期限が令和7年12月1日
の場合にはぎりぎりで申告して
基礎控除の特例を適用して申告するか
余裕をもって令和7年11月30日以前に
準確定申告をしてから更正の請求をする
2回申告を行うのかを決めておく必要が
あるわけですね。
編集後記
基礎控除の特例があるから皆さんが
働き控えをしないようになるかというと
それはちょっと難しいと
考えられます。
なぜなら、社会保険の適用事業所
であれば社会保険に加入しなければ
ならず世帯の手取りが減る可能性が
あるからです。
基本的には減ると思います。
なぜなら、雇用保険、社会保険で
東京ならば20%超給与天引きが
行われパートなどの収入は減るからです。
雇用保険までで止めておけば
5.5%の手取り減で済みます。
そもそも基礎控除の特例はパート
アルバイトの人たちの働き控えを
なくそうというものではなくて
多くの人たちの手取りについて
税金の負担を減らすための措置
という位置づけです。
働き控えというものに対応する
のであれば、社会保険も加味した
抜本的な制度設計が必要なので
国税庁と社会保険、雇用保険などを
統合した歳入庁などどして再編し
負担率の議論を行わないと
進まないわけです。
では税理士・行政書士・社会保険労務士
の齋藤幸生でした!!
それでは、また!
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