【型枠大工】型枠大工で黒字化するための考え方を専門税理士が解説

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【型枠大工】型枠大工で黒字化するための考え方を専門税理士が解説

こんにちは!

 

税理士・行政書士・社会保険労務

の齋藤幸生です!

 

今回は・・・

型枠大工をやっている建設業向け

の黒字化への考え方を解説します。

 

それでは、スタートです!!

 

黒字化の意味を理解する

黒字化の意味は最終的に

税金を納税する利益がある状態

を指します。

 

黒字になることは利益がある

ことなので税金はかかります。

 

さて、では利益がある状態とは

どんな状態なのかというと

損益計算で利益を出すことです。

 

損益計算の計算構造は型枠大工

を前提にすると以下のようになります。

 

①売上高

②①>完成工事原価=完成工事利益(粗利)

③②>販売費一般管理費=営業利益

④③+営業外収益ー営業外費用=経常利益

⑤④+特別利益ー特別損失=税引前当期純利益

⑥⑤ー法人税等=税引後当期純利益(黒字化)

 

黒字化するまでの考え方では

上記の計算に従うと

 

売上高で売上を持ってくること

が前提になり

 

売上高に対応する原価である

材料費、労務費、製造経費が

売上高よりも低ければ粗利がでます。

 

現実では、粗利が出るまでが

損益計算での勝負です。

 

というのは販売費一般管理費以下

は控除する項目になるためです。

 

ただし、所属する大工から控除する

宿舎、旅費、道具代といったものは

営業外収益を構成するので利益に

プラスされることになります。

 

しかし、大工から控除するものは

本業のもうけではありませんし

 

金額も一般的な金額になるため

そこまで大きな利益を生む可能性

は低くなります。

 

結果、粗利までが黒字化するため

の勝負になることは変わりありません。

 

 

売上は2つに分類し完成の時期を考えた受注をする

型枠工事では売上の特徴から

2つに分類することが可能です。

①請負工事(請負と請負の中で行われる常用精算を含む)

②常用精算(現場に大工だけ派遣して人工代のみ請求するもの)

 

それぞれが損益計算の売上高

を構成するのですが

 

会計ルールがあり次のように

売上になるタイミングが違います。

 

請負工事の場合

原則、完成工事基準により売上と原価を計上する処理をするため、工事が完成したときの決算にて売上高と完成工事原価を計上します。

 

常用精算の場合

一般的に月締めにより人工代を請求した月で売上と原価を計上する処理を行うため、決算月まで毎月売上高と完成工事原価を計上します。

 

請負工事では当社の決算までに

完成していないと損益計算上で

売上高に計上されないです。

 

これは完成工事原価も同じこと

になります。

 

言い換えると毎月、工事を行った

面積で売上の請求は上位の建設会社へ

請求することになりますが

 

請求したからすべて当期の売上高

になると思ったら間違いで

 

完成しないと売上高へは反映が

できないため当期の利益に

ならないときがあります。

 

 

 

常用精算は現場に大工を派遣し

派遣代を請求するので派遣をした

請求を上位の建設会社に行って

 

請求をした月に売上になることで

損益計算上では、売上高として

処理することが可能です。

 

以上のことから請負工事の

受注ではポイントがあります。

 

完成の時期によって売上高

になるならないが依存するため

 

請負工事の受注では2つにわけて

受注する必要があります。

①当期で請負、当期で完成する予定の現場

②当期で請負、来期以降完成する予定の現場

 

現場によりますが型枠大工では

最低3か月で完成するものや

 

6か月から1年、新幹線の橋げた

などの特殊工事では2年以上完成に

かかることがあります。

 

これ以外も地下を掘削していたら

大きな岩があったとか

 

岩盤が硬くて掘り進めるのに

時間がかかり型枠工事までに

時間がかかることもあり得ます。

 

どこまで行っても想定外の

ことは起こる可能性がありますので

 

短期で完成に至るものと

長期で完成に至るものとの

バランスを考えた

 

工事の受注が必要になる

というわけです。

 

販売費一般管理費にお金をかけない工夫をする

会社を黒字にするためには

販売費一般管理費にはお金を

かけない工夫が必要です。

 

先ほども申し上げたように

黒字化が可能になる勝負は

粗利までです。

 

一般的な型枠大工をやっている

中小企業だと販売費一般管理費まで

考えた単価で受注できないとか

 

そもそも利益計算では工事利益

である粗利が出れば問題ないと

考えている社長さんがいます。

 

細かく申し上げても面倒なので

私の結論は販売費一般管理費に

お金をかけないことになります。

 

販売費一般管理費にお金を

かけないことを前提にすると

 

一体どんなものにお金を

かけないのがよいのかという

疑問になります。

 

以下、まとめると

①事務員を必要以上に増やさない(給与が増えるため)

②飲食を必要以上にしない(交際費と会議費が増えるため)

③社長が使う車を2台以上にしない(減価償却費が増えるため)

④必要以上に職人の宿舎を増やさない(地代家賃が増えるため)

⑤必要以上に移動しない(旅費交通費がかかるため)

以上になります。

 

どれも使うな!とは

申し上げていません。

 

必要以上に使うな!

ということです。

 

型枠大工では大きな案件だと

利益が2千万円とか普通にあり得ます。

 

例えば、受注金額が2億円で

工事利益が10%だとしたら

利益が2千万円になりますね。

 

すると必要以上に外食をしたり

タクシーに乗ったり

 

車を2台持ちにしたりなど

社長さんが勘違いしていろいろと

やってしまうことが多いです。

 

利益があってお金があるときは

問題ないように思えます。

 

しかし、型枠工事など建設業では

経済や公共工事から影響を受けやすい

ためいきなり受注する案件がなくなる

などの想定外が起こります。

 

想定外のことが起こったときは

対応策がないのが普通です。

 

ではどうするのか?

 

生き残るために必要なものは

普通預金口座にある現金だけです。

 

事業は結局のところお金さえあれば

なんとかなるものです。

 

儲けたからという理由だけで

散財してしまうといざという

ときにお金がないことがあります。

 

では、融資で対応すればと思いますが

限界があります。

 

きっと大きな現場の受注を

材料もちで請け負うと

 

先に材料や大工の給与、外注費

増えてしまうことから

 

そんなお金がない中小企業では

融資を受けているはずです。

 

想定外のことが起こり仕事ない

お金ないところに銀行は貸して

くれるはずありません。

 

結論として普段から

販売費一般管理費にお金を

かけない工夫をするのが

よいわけです。

 

 


編集後記

最近、建設業であっても倒産する

報道が出てきました。

 

おそらく、コロナのゼロゼロ融資

でお金を借りてしのいでいたので

しょうが

 

現状では材料の金額上がる

外注費も上がるといったことで

 

現場を受注できていても

資金繰りが回らなかなった

のだと想像します。

 

型枠工事では最初に材料と

大工の投入量が多くなるので

 

手許にお金を持っていないと

商売ができないのです。

 

損益計算と資金繰りの両方の

バランスが必要なのです。

 

 

では税理士・行政書士・社会保険労務士

の齋藤幸生でした!!

 

それでは、また!

 

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この記事は、その時の状況、心情で書いています。
また、法令に関しては、その後改正された場合には、
異なる取り扱いになる可能性があります。

 

 




ABOUT US
齋藤 幸生税理士・行政書士・経営革新等支援機関・ブロガー
都内税理士事務所にて7年間の勤務後独立。 2017年に税理士として独立後は建設業、フォワーディング業、IT業に特化した税務を行っています。また財務支援として資金繰り支援(会社の資金繰りと資金調達支援)を行っています。行政書士としては建設業許可、利用貨物運送事業の許可業務に特化しております。