【税理士業】記帳代行だけでは税理士業は成り立たないのか?

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【税理士業】記帳代行だけでは税理士業は成り立たないのか?

こんにちは!

 

税理士・行政書士・社会保険労務

の齋藤幸生です!

 

今回は・・・

記帳代行だけでは税理士業が

成り立たないのかを考察します。

 

それでは、スタートです!!

 

記帳代行だけでは税理士業は成り立たない主張のうそ

近年、税理士向けのメルマガで

記帳代行だけではなりたたないのでコンサルをすべき

という営業が目立ってきています。

 

コンサルについて後述するとして

本当に記帳代行だけでは

税理士がなりたたないのかなを

調べてみました。

 

現状では記帳代行だけでは

税理士業が成り立たないという

主張はうそになります。

 

というのは令和6年5月20に

Business Researchが公表している

世界の簿記サービス市場レポートでは

2031年までに100万米ドルの相当な収益を生み出すと予想されています。

 

この中の記事では

簿記サービスプロバイダーが

簿記サービスをコロナで提供し

 

市場の存在価値を上げて

市場の成長になっていると

しています。

 

つまり、今までと現在の違いは

①今まで
会計ソフトが誰でも手に入れて処理することができないため、税理士に丸投げをして申告書の作成までの一気通貫を依頼する需要があった

②現在
クラウド会計が出現して手軽に会計ソフトを手に入れデジタルによって処理がより手軽にできるようになって税理士に対する依頼が記帳代行をしなくてもよくなってきた

と考えることができます。

 

言い換えると誰でも手軽に

会計処理ができるようになり

 

記帳代行から申告書の作成までの

一気通貫の需要は減ってきたと

考えることはできそうです。

 

しかし、実際の現場に立ち会っている

税理士の立場から申し上げると

 

自社で会計処理を行ったものが

果たして本当に正しいのかを

 

自社で判断できることができる

能力を有してる事業者はまれ

と感じています。

 

さらには、より小規模の事業者

も手軽に会計処理はできますが

 

内容を確認してみると

税務調査に至っておらず

 

表面上、税務で問題とならずに

放置されているだけです。

 

また、世の中には記帳するセンス

がない方も一定程度います。

 

これらを総合勘案すると

記帳代行から申告書作成までの

需要はいまだに一定程度ありそうです。

 

現状ではクラウド会計があるため

税理士に期待されてるものとして

 

記帳代行と帳簿内容の確認業務

確定申告書の作成と提出代行

というように

 

帳簿内容の確認業務の比重は

今後増える可能性があります。

 

以上のように考えると

税理士業が成り立たないまでには

至っていないと考えられます。

 

 

税理士業は記帳代行をしたあとに本当のサービスがある

今までの記帳代行と現在の

記帳代行には大きな違いがあります。

 

2000年まではPCで会計処理が

できない状況でした。

 

このため、税理士事務所が

人海戦術で手書きの出納帳を

作成して申告書を作成する

という流れでした。

 

このため、記帳代行には

相当程度の価値がありました。

 

現在はパソコンで会計ソフトを

使い試算表の作成までが可能です。

 

では、試算表の作成までで終わりか

というとそうではないのが通常です。

 

例えば、節税商品の案内とか

優遇税制の提案などを行って

 

税務サービスを提供するまでを

税理士は行っています。

 

この意味は、税理士報酬では

税務顧問と記帳代行ではありますが

 

実質的に記帳代行をきっかけにした

簿記サービスと税務サービスの

両輪によって成り立っている

ことになります。

 

 

 

税理士の立場からすれば

記帳代行によって適切な期間損益

を確認できる試算表を完成させないと

 

適切な簿記サービスや

税務サービスを提供できません。

 

要するに、完成した試算表が

あっていることを前提にした

数字でないとアドバイスはできない

ことになります。

 

ここから言えることは

税務会計での数字がでれば

 

簿記サービスと税務サービスを

提供可能との考えになります。

 

何もしていないのに顧問料あり

正確かどうか不明な数字を基に

 

申告書を作成して提出代行して

いる税理士ならともかく

 

税理士が記帳代行して税務会計

で数字を作成して申告書を作成

してしまったほうが

 

税務調査で問題点を指摘され

追徴されるリスクは減少する

ことになります。

 

こうした観点から申し上げると

税理士が記帳代行だけをしている

わけではなく

 

記帳代行の先にあるサービスを

含めた複合的な価値の提供が

可能であるため

 

価値のポイントをアピールできれば

現在でも十分に記帳代行は成立する

ビジネスになると考えます。

 

 

税理士は記帳代行に代わってコンサルをしなければ生きていない?

記帳代行に代わってコンサルを

して収益の柱にしようという営業が

近年行われているところです。

 

ところでコンサルとは何をするのか

というとメルマガを読んでみると

基本的にはアドバイス業務に終始する

ことになります。

 

ある程度の定型化されたものが

座学で研修されて

 

こちらを社長に提供することで

月3万円から5万円を獲得できる

といった営業です。

 

最終的には社長が決めるので

そのヒントになることを

アドバイスするようです。

 

これって、コンサルなのかな?

と思います。

 

このようなことは月次で巡回

訪問している税理士であれば

きっと毎回やっている考えられます。

 

問題は、相談業務に対して

追加報酬をとれていないとか

 

アドバイス業務が税務顧問に

入っていると勘違いされている

ケースです。

 

これは契約している税理士

個人の問題に帰結します。

 

また、コンサルとはいうものの

記帳代行をしない前提ならば

 

どうやってコンサルをするのか

の疑問にも答えることができません。

 

少なくとも顧問税理士がいる場合

申告書の作成と提出代行までは

行うため

 

簿記サービスや税務サービスを

提供していませんと

 

税務調査のときにトラブルに

発展する恐れがあります。

 

そこで、先ほどの話になります。

 

税理士ができるコンサルがある

と仮定した場合

 

試算表や帳簿の内容を確認する

ことをせずにできるコンサルは

あるのかな?

 

百歩譲って、試算表や帳簿を確認

しないコンサルがあったとして

 

そういったコンサルの提供を

してほしい事業者が何人いるのか

がわかりません。

 

一般論として顧問税理士に依頼する

事業者の立場を想定すると

 

記帳代行、帳簿内容の確認

税務相談といった旧態依然の

お仕事を依頼する方が

 

多いと考えられますし

旧態依然からはみ出したことを

税理士に依頼しようとは考えて

いないことも考えらえます。

 

税理士がコンサルをする場合には

顧問先に行うため今までの報酬に

上乗せするアップセルになり

 

コンサルを提供する顧問先を

ゼロから開拓するのは非常に

難しいと考えられます。

 

私見にはなりますが

自社で自計化をすることと

 

税理士に依頼するのとでは

税理士に依頼するほうが安価です。

 

事業活動を考えると得な方を

選択する事業者のほうが多い以上

 

税理士業は記帳代行から派生する

サービスを行うことによってでしか

 

なかなか価値を感じてもらえない

業態になっていると考えます。

 

 

 


編集後記

税理士が記帳代行から派生しない

コンサルもあるにはあります。

 

税務相談のみ請け負うという

パターンになります。

 

要するに、弁護士の税務版

のようなイメージです。

 

訪問なし、相談があるときのみ

回答するようなイメージですね。

 

ただ、税務相談だけで価値を

感じていただける事業者は多くはない

と感じます。

 

格言みたいなものですが

顧問税理士がいるのは普通で

顧問弁護士がいるのはお金持ち

というのを見たことがあります。

 

そもそも事業ではある程度の

トラブルはあるものの

 

優先順位として

税務>税務以外のトラブル

という認識があると思います。

 

国を相手にする必要があり

かなりストレスフルだからです。

 

税務では記帳代行を含めた

会計業務と切り離すことは

非常に難しいです。

 

会計で得た利益が税金の

課税対象になるからです。

 

故に、会計業務に携わらず

税理士がコンサルをするのは

想定しずらいです。

 

経営コンサルという概念も

ありますが近年では倒産件数が

最も大きい事業になっています。

 

きっとコロナで稼いでコロナが

沈静化した状況ではうまくいかない

のだと思います。

 

一応、税理士でも経営コンサルは

できますが一介の税理士が簡単に

できる業態ではないとも言えそうです。

 

 

 

 

では税理士・行政書士・社会保険労務士

の齋藤幸生でした!!

 

それでは、また!

 

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この記事は、その時の状況、心情で書いています。
また、法令に関しては、その後改正された場合には、
異なる取り扱いになる可能性があります。

 

 




ABOUT US
齋藤 幸生税理士・行政書士・経営革新等支援機関・ブロガー
都内税理士事務所にて7年間の勤務後独立。 2017年に税理士として独立後は建設業、フォワーディング業、IT業に特化した税務を行っています。また財務支援として資金繰り支援(会社の資金繰りと資金調達支援)を行っています。行政書士としては建設業許可、利用貨物運送事業の許可業務に特化しております。