【建設業】工事台帳を経営に有効活用する方法とは?

建設業 工事台帳




【建設業】工事台帳を経営に有効活用する方法とは?

こんにちは!

 

税理士・行政書士の齋藤幸生です!

 

今回は・・・

工事台帳を経営に有効活用する

方法を解説した記事です。

 

それでは、スタートです!!

 

工事台帳を経営に有効活用するための考え方

工事台帳を経営に有効活用する

ためには次に考え方になります。

 

①現場ごとに直接費と原価共通経費で本当の利益を出す

②工事利益で販管費が賄えるのかを確認する

③②までの数字で絶対に工事利益が出る金額を知る

 

工事台帳の問題点は

共通経費が反映されないこと

です。

 

共通経費とは各現場に直接

かかった経費ではないが

 

工事をするにあたって

必要な経費です。

 

例えば

材料置き場の賃料

などになります。

 

建設業の種類によりますが

部材を加工して組み立てに

必要な材料を作成するときに

 

部材を置く材料置き場が

必要になります。

 

材料は1つの現場で使って

廃棄ではなく使えなくなる

まで使う転用が行われます。

 

そうすると部材や材料を置く

置き場は特定の現場の経費

というわけではなく

 

工事事業を行うために

必要な間接的な経費になります。

 

このような間接的な経費を

共通経費と呼びます。

 

事業で黒字になる理由は

工事利益-販管費の計算結果が

黒字になることです。

 

要するに工事事業にて

営業利益を出すことです。

 

しかし、販管費の金額を

各現場に分けてみると

 

工事利益で販管費を賄えない

ことがあります。

 

販管費を賄える利益は

いくらなのかを知る必要が

あるという考えです。

 

さらに工事利益で必ず

利益になる金額とは

損益分岐点と言います。

 

例えば販管費が5千万円であれば

毎年の工事利益は5千万円以上

でなければ黒字になりません。

 

しかし、工事利益は全体の金額で

各現場ごとに工事利益が出て

 

最終的に例示の5千万円を獲得する

必要があります。

 

こうなるように工事単価を

いくらにすればよいのかを

知る必要があります。

 

 

原価共通経費と販管費を各工事へ配賦する

工事台帳の問題点は先ほど

申し上げたように

 

原価共通経費を各現場ごとに

反映できないことです。

 

加えて各現場ごとに工事利益で

販管費が賄えているのかを

確認する必要があります。

 

これらを知るためには

原価共通経費と販管費を

各現場ごとに負担させる

必要があります。

 

この負担させる手法を

配賦

と言います。

 

元々は製造業における

原価計算という手法を

 

建設業に応用する

ことになります。

 

 

 

配賦をするためには

当社で一定のルールを決める

必要があります。

 

例えば、各現場ごとに請求する

売上を基に金額を配賦する

といったルールです。

 

合理的なルールであれば

どのような方法を用いても

問題はありません。

 

例えば、労務費のうち

職人の社会保険料といった

法定福利費について

 

各現場に入場している職人の

給与支給額で配賦をしても

問題ないですし

 

家賃などについては

完成した現場の売上と

 

未成工事の入金分である

前受金の比率で配賦する

考え方があります。

 

 

キャッシュフロー経営の基礎資料として活用

各現場ごとに販管費まで負担を

行うと当社のキャッシュフロー

が見えてくることがあります。

 

建設業で銀行から融資を

受けてもお金が足りない

といった感じであれば

 

工事着手の初期段階で

材料費が多くかかるため

 

売上金の回収までに

材料費の支払と販管費の

支払が起こると仮定すると

 

売上金の回収までは

大きな赤字現場をやっている

ということが見えてきます。

 

最終的に販管費の負担まで

行って黒字であれば

 

全体の帳尻は合いますが

すでに次の現場が始まって

いるため

 

お金の支出の量と当社の

持っているお金の量が合わない

といったことがわかってきます。

 

こうした当社特有の事情を

販管費負担までの工事台帳で

理解を行って

 

資金調達や支払サイト

回収サイトの見直し

 

売上単価の上昇と

経費の値引き交渉など

 

多角的に資金繰りに余裕が

出るように運営するための

基礎資料として使うことが

可能となります。

 

 


編集後記

もし可能であれば各現場ごとの

収支計算表(キャッシュフロー表)

を作成してみる考え方があります。

 

現在、当社にあるお金を

ある工事に1千万と設定して

収支計算表を作成すると

 

収支計算上で金額が

マイナスになるところが

出てくると思います。

 

それなのに工事を回せている

理由は他の現場からの売上金を

マイナス現場に使っている

ということがわかってきます。

 

 

では税理士・行政書士の齋藤幸生でした!!

それでは、また!

 

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この記事は、その時の状況、心情で書いています。
また、法令に関しては、その後改正された場合には、
異なる取り扱いになる可能性があります。

 

 




ABOUT US
齋藤 幸生税理士・行政書士・経営革新等支援機関・ブロガー
都内税理士事務所にて7年間の勤務後独立。 2017年に税理士として独立後は建設業、フォワーディング業、IT業に特化した税務を行っています。また財務支援として資金繰り支援(会社の資金繰りと資金調達支援)を行っています。行政書士としては建設業許可、利用貨物運送事業の許可業務に特化しております。