【建通新聞に寄稿しました】2021年12月9日付の新聞記事について深堀した解説

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【建通新聞に寄稿しました】2021年12月9日付の新聞記事について深堀した解説

こんにちは!

 

税理士・行政書士の齋藤幸生です!

 

今回は・・・

私が寄稿した新聞記事について

深堀した記事になります。

 

それでは、スタートです!!

 

2021年12月9日付の新聞記事について

2021年12月9日付の建通新聞

「いまから備えるインボイス」を

寄稿しました。

 

建通新聞は建設業界向けに

特化した新聞ですので

 

私が寄稿したインボイス制度の

記事は建設業に特化した内容に

落とし込みました。

 

内容は

インボイス制度

インボイス制の適用を受けないとどうなるのか?

について建設業の視点に立った

記事となります。

 

 

なぜ元請け等は取引金額の減額等を持ち掛ける可能性があるのか?

元請け等が取引金額の減額等を

持ち掛ける可能性について

深堀をしていきます。

 

深堀の前にインボイス制度の内容を

おさらいします。

 

インボイス制度では消費税の適用

関係が変わります。

 

現行制度では

元請け等が課税事業者で

下請が免税事業者であっても

 

元請け等は消費税の控除を受ける

ということができました。

 

しかし、令和5年10月からは

下請が課税事業者、かつ、

適格請求書等発行事業者でないと

元請けは消費税の控除ができなくなります。

 

ですから下請は元請け等が消費税の

控除を受けることができるように

課税事業者になる必要が出てきます。

 

そうしないと元請けの立場では

下請に対して控除ができない

消費税の請求はしないように

要請したりとか

 

最悪の場合には免税事業者は

お断りということで

元請け等が下請に取引停止を

通達する可能性が出てきます。

 

 

 

結論としては

下請は課税事業者になることを

選択せざるを得なくなります。

 

さて、どうして消費税の減額を

求められたり

 

取引停止になってしまうのかを

解説します。

 

消費税の計算を現行とインボイス制度で

比較すると原因が見えてきます。

 

現行の消費税の計算

前提:元請け等は課税事業者、下請は免税事業者

下請の請求額は1,100,000円(消費税込み)とします。

元請け等の消費税の控除
消費税は10%の適用の取引であるため、消費税の控除を受ける金額は10万円になります。
この10万円が消費税の控除の金額になり、売上の消費税から控除される金額です。

下請の消費税の計算
下請は消費税の免税事業者になりますので、売上に対する消費税はないことになります。
したがって、元請け等に行った請求金額110万円がそのまま売上として収入になります。

インボイス制度後の消費税の計算

前提:元請け等は課税事業者、下請は免税事業者

下請の請求額は1,100,000円(消費税込み)とします。

元請け等の消費税の控除
下請は免税事業者、かつ、適格請求書等発行事業者ではないので消費税の控除はできません。
したがって、売上の消費税から控除する金額もなくなり、消費税額の請求があったとしても消費税の請求はなかったものとして消費税の計算を行います。元請け等からすれば、消費税を支払っているにも関わらず消費税の控除ができませんので、下請分の消費税を実質的に負担せざるを得なくなります。

下請の消費税の計算
免税事業者ですから、現行の消費税と同様の取り扱いになり、110万円が売上として収入になります。

以上を考えると元請け等からすれば

下請さんは非常に有利な取引に

なりますよね?となります。

 

したがって元請け等は下請に対し

取引金額の減額として消費税を

請求しないように要請したりとか

 

最悪の場合には取引停止を

持ちかける可能性があります。

 

 

下請事業者の消費税の負担が高まる

下請事業者の対応方法として

消費税の課税事業者になること

適格請求書等発行事業者になる

という選択をする可能性が高いです。

 

理由は、上記で申し上げた通りです。

 

では、消費税の課税事業者になった

場合の問題を確認します。

 

建設業の下請事業者は基本的に

国内でのお仕事が中心となるので

消費税の課税事業者になると

消費税の納付事業者になります。

 

消費税は国内の取引が対象となり

建設業の取引は消費税の非課税や

免税措置の対象とはならないからです。

 

ですから建設業の売上は消費税の対象と

なる取引になります。

 

では建設業の経費関係を考えてみます。

建設業ではいろいろな経費がありますが

基本的には人件費を除いて消費税の控除

対象となります。

 

材料、外注、車両関係経費など

国内で発生したものは消費税の

控除ができます。

 

しかし人件費は消費税の控除の対象と

なることはありません。

 

例えば、雇用している職人への給与は

消費税の対象取引ではありません。

 

職人へ給与を支給している場合には

社会保険にも加入している事業が

多いはずです。

 

社会保険も消費税の控除対象には

ならないことになります。

 

結果、経費のうち人件費については

消費税の控除対象とならないことから

 

ざっくり計算すると人件費分だけ

消費税の控除ができないので

この部分だけの消費税の納税額が

出てくる可能性が高いわけです。

 

 


編集後記

建通新聞への寄稿は今後もあります。

第5回を予定していますので

掲載された都度、記事に追加した

記事をアップしようかと思います。

 

すべて掲載された後にどんな流れで

寄稿するに至ったのかをブログに

まとめる予定です。

 

ちょっとびっくりしたのは

今回の寄稿文は紙面の1面での

取り上げだったということです。

 

おおむね税理士がついている

事業者なのではないかと思っていたので

事業者に説明している税理士が

少ないのかな?と感じました。

 

私の場合すでにインボイス制度は

関与先に説明が終わっているので

不思議な感じがしてびっくりした

というのが感想です。

 

 

では税理士・行政書士の齋藤幸生でした!!

それでは、また!

 

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この記事は、その時の状況、心情で書いています。
また、法令に関しては、その後改正された場合には、
異なる取り扱いになる可能性があります。

 

 




ABOUT US
齋藤 幸生税理士・行政書士・経営革新等支援機関・ブロガー
都内税理士事務所にて7年間の勤務後独立。 2017年に税理士として独立後は建設業、フォワーディング業、IT業に特化した税務を行っています。また財務支援として資金繰り支援(会社の資金繰りと資金調達支援)を行っています。行政書士としては建設業許可、利用貨物運送事業の許可業務に特化しております。