建設業の決算と仕掛品評価における共通経費の取扱いとは?




建設業の決算と仕掛品評価における共通経費の取扱いとは?

こんにちは!

 

税理士・行政書士の齋藤幸生です!

 

今回は・・・

建設業の決算と仕掛品評価における

共通経費の取扱いについての記事です。

 

  • 建設業の決算と仕掛品の評価とは?
  • 仕掛品の評価における共通経費の取扱い
  • 共通経費の科目を精査する

についてわかる記事です。

 

それでは、スタートです!!

 

 

建設業の決算と仕掛品の評価とは?

建設業の決算において仕掛品の評価が

行われることがあります。

 

建設業では建設業許可を取得していないと

基本的には請負契約ができません。

 

請負契約ということは物件の完成にて

相手先に物件を引き渡して売上とする

工事完成基準での処理が原則となります。

 

決算時点において未成物件がある場合には

その物件にかかった直接費は仕掛品という

資産科目に振り替えます。

 

つまり、経費から除外して翌期以降で

完成した売上に対応する経費として

計上を行うことになります。

 

共通経費とは現場の経費ではあるものの

個々の現場でいくらかかったと認識する

ということが難しい経費です。

 

会計上では間接費と言います。

 

例えば職人さんの社会保険や福利厚生

道具、作業着、宿舎、水道光熱費など

どの現場にいくらかかったのかという

対応関係が不明な経費のことです。

 

これらの経費を仕掛品へ計上する

ということが必要になります。

 

 

仕掛品の評価における共通経費の取扱い

仕掛品の評価における共通経費の

取扱いを確認していきます。

 

共通経費はすべて支出や発生した

事業年度や年に経費計上することはできません。

 

理由は、共通経費のうち未成物件に対応する

共通経費が存在するからです。

 

このときに共通経費のうち

未成物件に対応する部分を仕掛品へ

振り替える処理行います。

 

そして完成物件に対応する共通経費のみを

経費計上する計算になります。

 

 

 

では共通経費のうち未成物件部分に

対応する金額をどうやって計算するのか

ということが実務上の問題点になります。

 

最も簡単なのは次のような考えです。

その事業年度又は年の売上高で

未成物件の前受金を除する計算です。

 

簡単な具体例としては次のようになります。

完成工事:A工事 売上高1億円

未成工事:B工事 前受金6,000万円

未成工事割合:6,000万円÷1億円=60%

この様に未成工事割合を算出して

各共通経費に乗じていくことで

仕掛品へ計上する金額が計算できます。

 

未成工事割合は上記のように

売上高と前受金の割合で行うことが

税法上、明示されていません。

 

どのような方法で未成工事割合を

計算するかは事業主の自由になります。

 

しかし、客観的な割合でないと

後日、税務調査となったときに

仕掛品へ計上する金額でもめる

可能性はあります。

 

要するに事業主の恣意性が入ると

問題ですよということです。

 

恣意性としては

・未成工事割合を計算する基準が毎年異なる

・共通経費にする経費を一部除外して計算する

などといったことです。

 

因みに未成工事割合は一度決めたら

ずっと同じでないといけないわけではないです。

 

私見になりますが

税法上での棚卸資産の評価の手続上で

3年しないと他の方法へ変更することが

できないという通達があります。

 

こちらを適用するなら3年間は

同じ方法で処理することが妥当だと考えます。

 

変更後も客観的な未成工事割合である

という点はいうまでもありません。

 

 

共通経費の科目を精査する

仕掛品の共通経費の対象になると

その期に計上する経費の金額が減ります。

 

ですから共通経費にはならない

科目については製造原価報告書で

計上しないことが必要です。

 

つまり損益計算書の販売費及び一般管理費へ

計上することになります。

 

このときに重要なのが科目の精査になります。

例えば、交際費や会議費といった科目があります。

 

疑問としては現場の職長を接待したと仮定して

その接待が現場に対応する経費なのかという

点が浮上します。

 

現場職長はディベロッパーから委託を

受けている一次下請けの責任者です。

 

普通に考えると今の現場のことを話すでしょうが

将来の営業目的である可能性もありますね。

 

そうすると色々なことが混ざり合った

接待と言えるわけです。

 

結果として現場だけに対応する経費とは

言えないのではないか?となります。

 

会計上では販売費に該当すると考えて

製造原価報告書の交際費へ計上しない

という考え方もありなわけですね。

 

この様に共通経費にすることを避ける

ことができる理由付けがあれば

共通経費にしない方法をとっておいた方が

仕掛費へ計上する金額が減ります。

 

法人税の負担も減ることになりますので

共通経費にするのかどうかの検討として

科目の精査は大切になります。

 

 

 


編集後記

以前、共通経費を仕掛品に計上していない

という指摘を税務調査で受けました。

 

私はわざとしていなかったのですが

(いつ税務調査で気が付くかな?と
思っていたのです。)

 

このとき、「なぜ今更指摘するのですか?

以前から資料はお渡しして知っていたはずです。」

と申し上げて共通経費の計上が

うやむやになったことがあります。

 

その後、「科目の精査をする必要があるので

現在進行している期から行います。」

と伝えて現在に至っていますね。

 

基本的には税務調査で指摘されないためにも

共通経費は仕掛品へ計上していくことが

無難な処理であることになります。

 

 

では税理士・行政書士の齋藤幸生でした!!

それでは、また!

 

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この記事は、その時の状況、心情で書いています。
また、法令に関しては、その後改正された場合には、
異なる取り扱いになる可能性があります。

 

 




ABOUT US

齋藤 幸生税理士・行政書士・経営革新等支援機関・ブロガー
都内税理士事務所にて7年間の勤務後独立。 2017年に税理士として独立後は建設業、フォワーディング業、IT業に特化した税務を行っています。また財務支援として資金繰り支援(会社の資金繰りと資金調達支援)を行っています。行政書士としては建設業許可、利用貨物運送事業の許可業務に特化しております。