【建設業の個人事業主】消費税の免税事業者から課税事業者になるときの注意点を税理士が解説!




【建設業の個人事業主】消費税の免税事業者から課税事業者になるときの注意点を税理士が解説!

こんにちは!

 

税理士・行政書士の齋藤幸生です!

 

今回は・・・

消費税の免税事業者から課税事業者になるときの

注意点を税理士が解説する記事です。

 

・課税事業者になる場合の注意点

・課税事業者の判定

・簡易課税の注意点

についてわかる記事です。

 

それでは、スタートです!!

 

消費税の免税事業者から課税事業者になる場合の注意点

消費税の免税事業者から課税事業者になる場合

2つの注意点があります。

 

①消費税の原則課税で計算する方法

②消費税の簡易課税で計算する方法

どちらを選択するのかです。

 

注意する理由は消費税の計算方法として

事業に適合した方法を選択しないと

消費税の納付額が増えてしまうからです。

 

一般的には、人件費(給料賃金と社会保険関係)で

成り立っているような場合は簡易課税の方が

消費税の納付額を増やさない計算になります。

 

実務上良くある間違ったケースは

次のような場合です。

 

①税務署へ消費税について相談に行く

②建設業であることを伝える

③税務署の職員から事業についてあまり
ヒアリングされずに、簡易課税の選択を勧められる。

④実際に決算を行って計算してみたら
原則課税で計算した方が納付額が少なった!

 

なぜこのようなことが起こるのかというと

原因は2つ存在します。

 

①個人事業主が帳簿や決算書を持参して
税務署に相談に行っていない

②税務署の職員は事業について細かな
ヒアリングを行わない

 

税務署の職員を擁護するわけではないですが

彼らは課税手続についてはプロです。

 

しかし、事業は素人です。

どうやったら納付額が減るのかについて

関心はないのです。

 

税務署は適正な申告を行ってくれれば良く

納付額が増える、減るといったことは

問題ではないのです。

 

 

消費税の課税事業者の判定

消費税の課税事業者の判定を解説します。

 

恐らくほとんどの個人事業主は

いきなり税務署から「課税事業者届出書」を

提出してください。

 

という行政文書を受け取って

消費税の課税事業者になるのだ

ということを知るのだと思います。

 

そして、税務署へ相談に行って・・・

ということになっていると思われます。

 

 

 

消費税の課税事業者の判定は原則

その年の2年前の課税売上高が1,000万円を

超えたときに課税事業者となります。

 

建設業の個人事業主の皆様については

通常、国内でのみ事業を行っていると思います。

 

また課税売上高は基本的に建設業の売上が

すべてであると考えると

 

その年の2年前の青色申告決算書又は

収支内訳書の売上(収入)金額の数字で

確認できると思われます。

 

結論として、売上(収入)金額が

1,000万円を超えた場合には

 

その年の2年後には消費税の課税事業者になります。

 

簡易課税の注意点

簡易課税の注意点としては2つあります。

①簡易課税を選択する時期

②簡易課税を選択した後の適用期間

 

簡易課税を選択することができるのは

選択しようとする年の前年までに

「簡易課税選択届出書」を管轄の税務署へ

提出する必要があります。

 

消費税の届出書のいやらしい部分なのですが

必ず前年の末日が提出期限です。

 

何が言いたいのかというと

12/31は毎年税務署は空いていません。

 

一応、郵送を行うことで通信日で

届出書がなされたものとして取り扱って

もらえることになりますが!!

 

必ず、税務署が開いているうちに

届出書を提出して税務署印をもらって

おくことが無難です。

 

簡易課税を選択した後の適用期間も注意です。

簡易課税を選択すると選択した年から原則2年間

簡易課税で計算することになります。

 

例えば、適用1年目は人件費が大きいので

原則課税で計算したよりも消費税の納付額が

少なかったとしても

 

適用2年目で他に兼業する事業があって

それをまとめて消費税の計算をした場合や

 

人件費が少なる場合には2年目の消費税の

納付額は原則課税で計算した方が減る

ということが起こる場合があります。

 

こうしたときであっても絶対簡易課税で

消費税の計算をすることになります。

 

結論として簡易課税の適用は最低でも

2年間の事業計画見込や見通しが必要

ということになります。

 

 


編集後記

簡易課税について実務上良くあることは

税務署に相談に行って簡易課税の選択をした後

 

やっぱり税理士に依頼したいということで

税理士に依頼したときに起こります。

 

簡易課税を選択したことを

税理士に告げないということです。

 

一応、依頼された税理士としては

原則と簡易の両方で来期以降の納税について

有利不利判定を行います。

 

簡易課税が選択されたことを税理士は

知りませんから原則課税で計算して

消費税の申告と納税になります。

 

後日、税務署から税理士へ

簡易課税を選択しているので修正申告を

していただけませんか?

 

といった連絡が来ます。

これが実務上良くあることです。

 

簡易課税を選択したかどうかは

必ず税理士に告げるようにしましょう。

 

この様なことを知っていると

税理士から簡易課税は選択していませんよね?

と聞いてくれるんですけどね。

 

 

では税理士・行政書士の齋藤幸生でした!!

それでは、また!

 

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この記事は、その時の状況、心情で書いています。
また、法令に関しては、その後改正された場合には、
異なる取り扱いになる可能性があります。

 

 




ABOUT US
齋藤 幸生税理士・行政書士・経営革新等支援機関・ブロガー
都内税理士事務所にて7年間の勤務後独立。 2017年に税理士として独立後は建設業、フォワーディング業、IT業に特化した税務を行っています。また財務支援として資金繰り支援(会社の資金繰りと資金調達支援)を行っています。行政書士としては建設業許可、利用貨物運送事業の許可業務に特化しております。