顧問税理士がいない建設業者の経理処理の問題点を解説!




顧問税理士がいない建設業者の経理処理の問題点を解説!

こんにちは!

 

税理士・行政書士の齋藤幸生です!

 

今回は・・・

顧問税理士がいない建設業者の経理処理の問題点を

解説する記事となります。

 

主に建設業で個人事業を運営している人たち向けです。

 

顧問税理士さんがいないと経理処理のミスが

頻発していることがあります。

 

経理処理のミスは税金計算に影響するので

その観点からの解説です。

 

それでは、スタートです!!

 

経理処理の問題点

問題点についての導入

主に個人で経理処理をしている個人事業の帳簿を

確認すると以下の問題点があります。

 

①売上が入金されたときに計上されている

②売上が純額で計上されている

③源泉所得税の対象が間違っている

④給料天引きされた現場費用の計上もれ

⑤なんでもかんでも必要経費に計上している

⑥貸借対照表の残高が合っていない

⑦自動仕訳が税務上合っている処理だと思っている

 

集約すると上記のどれかに該当したり

すべてに該当することがあります。

 

まずは上記の問題点を確認していきます。

 

売上の処理について

個人事業で建設業を営んでいる場合には

基本的には青色申告を行っていると思います。

 

青色申告は正規の簿記の原則という会計ルールで

経理処理を行うことになっています。

 

ですから本来は入金されたときに売上を計上することは

ルールに即していないことになります。

 

原則は、役務提供を行ったとき

請負契約であれば工事が完成したときに

売上を計上することになります。

 

個人事業の多くでは役務提供が多いですから

その月のお仕事を請求すると思いますので

請求書ベースで売上を処理します。

 

借方勘定科目 借方金額 貸方勘定科目 貸方金額
売掛金 請求金額 売上高 請求金額

この様に経理処理することになります。

 

上記の様な経理処理を行わないと

のちに税務調査で12月分の売上計上もれを指摘され

追徴の所得税や住民税を納付することになりかねません。

 

なぜなら、売上金の入金は当月締め、翌月払いが

多いですから12月の売上は翌年の1月に入金されます。

 

しかし、1月の売上金の入金は本来は

12月の売上です。

 

従って、12月の売上として処理するのが

税金計算上正しいことになります。

 

話を変えて入金されたときに経理処理すると

売上は請求金額ではなく請求金額から

色々なものを控除された金額が振り込まれます。

 

そうすると請求金額という総額ではなく

控除されたあとの純額で売上が処理される

ということが多いです。

 

結果として消費税の判定に影響が出ていきます。

理由は消費税の判断が総額で行うためです。

 

例えば、純額で売上を計上していた場合には

2年前の売上は1,000万円以下となったとしましょう。

 

しかし、総額で売上を計算し直すと

2年前の売上は1,000万円を超えていた

ということになったとします。

 

上記のことが税務調査で確認されると

免税事業者の期間は消費税の課税事業者になるので

消費税の追徴と罰金が課税されることになります。

 

給料の処理について

建設業では給料から現場の費用などを

天引きする慣行があります。

 

安全協力会費、宿舎代、食事代、交通費など

色々と天引きすることが多いわけです。

 

さて、源泉所得税の対象とするべき

給料は社会保険控除後の金額です。

 

ですから、次の算式で計算した金額が

源泉所得税の対象金額となります。

 

総支給額ー(健康保険+厚生年金+雇用保険)
=源泉所得税の対象となる金額

現実は、社会保険のどれにも加入していなくて

総支給額ー現場費用の天引き分
=源泉所得税の対象

として計算していることが多いですね。

 

社会保険のどれにも加入していないのであれば

総支給額が源泉所得税の対象となります。

 

経理処理でも給料の処理が間違っていることが

散見されますね。

借方勘定科目 借方金額 貸方勘定科目 貸方金額
給料賃金 支給額 現金 支払金額
預り金 源泉所得税の金額

という処理をしている伝票を見たことがあります。

もっとすごくなると預り金の計上すらしていない

という帳簿も見たことがありますね。

 

正式な処理方法は次のようにします。

借方勘定科目 借方金額 貸方勘定科目 貸方金額
給料賃金 総支給額 現金 支払金額
法定福利費 社会保険の金額
預り金 源泉所得税の金額
雑収入 現場費用の控除分

ということになります。

 

細かいようですが、現場費用の控除分は

勘定科目に補助科目を付けて項目ごとに

分けることが望ましいです。

 

理由は、現場費用の控除分の中には

消費税の課税取引分があります。

 

結論として消費税の判断をする2年前の売上に

取込むことになるからです。

 

必要経費について

必要経費はレシートや領収書など

支払ったことが証明できれば経費になる

という概念ではありません。

 

基本的には事業に関係がある支出が

必要経費になります。

 

この点事業と個人的なものとで

明確にできない場合があります。

 

例えば、自宅兼事務所としている

お住いの家賃などです。

 

この場合には家事按分といって

事業割合を計算して必要経費になる部分を

抽出することになります。

 

家賃などでは事務所として使っている

部屋の面積分としていることが多いです。

 

飲食代についても自宅兼事務所での飲食代が

あまりにも多いと税務調査で経費計上が

認められないことがあります。

 

あとは高額なクラブなどの領収書が多いと

現在は反面調査といってクラブに領収書を

確認しに調査官が行くことがあります。

 

からの領収書で経費計上をやめろという

わけではありませんがあまりにも多いと

税務調査で問題となるケースがあるでしょう。

 

貸借対照表の残高と自動仕訳

近年、安価なクラウド会計が個人事業主に

広がっていると思います。

 

クラウド会計は銀行やクレジットカードのサイトから

明細を取得して自動で仕訳をしてくれる

大変便利な機能がついています。

 

自動仕訳では事業経費になるかどうか

という判断はしてくれません。

納税者ご自身で判断することになります。

 

この点、自動仕訳を信じて行った処理が

のちの税務調査で問題となり追徴となっても

会計ソフトのベンダーには損害賠償を

請求できないと思われます。

 

理由はクラウド会計の規約に

上記についての免責事項があるからです。

 

通常、クラウド会計を申し込んだときには

この規約を確認して理解したことになります。

 

それと自動仕訳は自動で仕訳にしてくれるだけ

という機能しか持ち合わせていません。

 

一部クラウド会計で残高がマイナスだと

通知が出てくるAI監査機能があります。

 

しかし残高の確認は納税者ご本人が行って

最終的に青色申告決算書として

確定申告書に添付する書類となります。

 

自動仕訳は簿記の知識がなくても仕訳は

自動で行ってくれますが

現金勘定がマイナスの場合の処理方法

通帳残高が合っていない場合の確認方法

 

クレジットカードがなぜか事業主借の

補助科目になってしまうときの対応は

行ってくれません。

 

上記の様なことがあるので自動仕訳だけでは

青色申告決算書の貸借対照表に記載される金額は

事実を表した残高にならないのです。

 

 

2年前の売上と消費税の判断

消費税の課税事業者の判断

消費税の課税事業者の判断は

原則的に2年前の売上で行います。

 

ここで売上とは

消費税の課税対象となった収入のことです。

 

建設業で対象となる収入は次の収入が多いようです。

①上位の業者に請求した請求金額(年商)

②給料天引きした現場費用の控除分(年間分)

 

どうして給料天引きした現場費用の控除分が

消費税の収入になるのかですが

 

消費税の取引として対価性という概念があります。

つまり現場で使った経費に充てるために天引きした

収入についても消費税の課税対象取引となるわけです。

 

現場費用の控除分は恐らく

現場での駐車代などの移動経費、道具代

弁当代、宿舎代、安全協力会費などがあります。

 

上記は、移動した、使った、食べた、住んだ

安全協力の研修が行われたというような

役務提供が行われてそのお金を事業主がいったん負担し

その負担分を戻してもらったという取引だと思います。

 

以上のことから、事業主側としてはいったん経費計上し

その経費の負担を各従業員に行ってもらったものです。

 

結果として事業主側では収入ということになります。

 

注意点としては宿舎代は基本的には

非課税売上になりますので消費税の判断で使う

売上には入らないことになります。

 

それと上記でも触れましたが

本業の売上は総額で判断することになります。

 

 

簡易課税の判断にも影響する

ここまで売上について細かく申し上げました。

理由は課税事業者の判断が間違ってしまう

ということでした。

 

消費税の2年前の売上については

簡易課税の判断でも用います。

 

簡易課税を適用することができるのは

2年前の売上が5,000万円以下です。

 

このときにも本業の売上は総額になりますし

本業以外の収入について消費税の収入になる

収入についてはプラスして判断します。

 

結論として給与天引きした収入の計上もれが

簡易課税の適用に影響する場合が考えられます。

 

経理処理は総額で処理することが

消費税の判断では重要となってきます。

 

 

顧問税理士といつ契約すれば良いのか?

建設業に限って申し上げると

できれば最初から顧問税理士と契約を

行っておいた方が無難であると思います。

 

理由は、上記のように問題点が色々な税金に

影響するからです。

 

特に消費税の課税事業者判断や簡易課税の判断で

ミスが出てくるとお金に影響することが多いです。

 

消費税の課税事業者なのに免税事業者として

申告してしまった場合

 

簡易課税が適用できないのに簡易課税で

申告してしまったという場合には

 

いくら税理士さんが頑張ったところで

覆る話ではないからです。

 

事実として金額があり、経理処理のミスがあり

判断ミスにつながったことは調査官、税理士さんとも

分かりますし、理解はしてくれます。

 

しかしながら、法律上、課税事業者となること

簡易課税が適用できないことが決まっている以上

交渉で何とかなるという可能性は非常に低いです。

 

この点、税務署OBの税理士さんなら・・・

と思われるでしょうが

 

OB税理士さんが現職の人たちに何かさせて

それが後で見つかった場合には現職の調査官が

懲戒処分を受けます。

 

またそれを扇動したOB税理士さんも

懲戒処分を受けます。

 

現在ではOB税理士さんと現職の税務署の職員との

接触は厳しく制限されるのでOB税理士さんだと

何かやってくれるわけではありません。

 

まずは税理士さんに相談することが

必要な行動になると思います。

 

 


編集後記

先日、レノボのPCを購入したのですが

8月納品だったものが10月になりました。

 

製造している拠点で注文が多く、かつ、

物流にも影響している可能性がありますね。

 

今月来ても設定の時間的余裕があまりないので

10月に遅れても影響はあまりないです。

 

ただ、現在使っているPCの状態がちょっとずつ

悪くなっている印象があるので心配ですね。

 

 

では税理士・行政書士の齋藤幸生でした!!

それでは、また!

 

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この記事は、その時の状況、心情で書いています。
また、法令に関しては、その後改正された場合には、
異なる取り扱いになる可能性があります。

 

 




ABOUT US

創業・起業支援、税務調査に特化した新宿区の税理士です! 今までは、海外から日本へ進出する会社様の創業・起業支援を行ってきました!また、外国法人や外国法人の子会社の税務調査に対応してきた知見(国税局・特別国税調査官・通常の調査官への対応経験)を生かして税務調査対応も支援しています! ブログの運営方針は、0to1になるような情報発信をしていきます!