【建設業】社長一人、従業員は職人だけの会社で社長が管理すべきこと




社長一人、従業員は職人だけの会社で社長が管理すべきこと

こんにちは!

 

税理士・行政書士の齋藤幸生です!

 

今回は・・・

建設業にありがちな社長さん一人で

従業員は職人だけといった会社における

社長さんが管理することを解説していきます。

 

事業を始めたばかりでは何を、どうやって管理するのか

ちょっとよくわからないといったことが起こり得ます。

 

このときの参考にして頂ければ幸いです。

 

それでは、スタートです!!

 

社長が管理すべきことは?

銀行口座の管理が大切

社長さんが管理すべきは預金残高の管理です。

経営という側面から言い換えるとキャッシュフローです。

 

事業はお金がないと始まりません。

建設業は通常の事業とは異なり大きなお金が

一気に動くことが多いです。

 

結論としてお金の管理は必ずしておかないと

支払漏れ、お金が足りないといったことが生じます。

 

お金の管理ができない社長さんでは事業になりません。

 

また口座振替を行っている場合には

銀行口座にお金が無い場合には引落ができなくなり

あとで面倒なことになる可能性があります。

 

例えば、社会保険料の支払です。

基本的には前月徴収分が当月末又は

翌月初めに口座振替されることになります。

 

もし口座振替で支払うことができなかった場合には

健保協会に連絡を入れたりなど自分で動くことになります。

 

せっかく口座振替で面倒な振込の手数を減らしているのに

支払漏れが起こること手続きについて連絡を入れないといけない

といったことが起こるので面倒なことになるのです。

 

管理する方法とは?

具体的な管理する方法は次のようなことです。

翌月までに支払うであろう支払と入って来る売上金を

管理表で確認できるようにしておくと良いと思います。

 

次のようにエクセルで簡単に作成できる管理表は

資金繰りを確認しやすいと思います。

 

日にち 入金 出金 口座残高 内容
7/1 2,000,000
7/10 320,000 源泉納付

こんな感じで表を作成するとお金がどうなるのか

という予測を確認することができます。

 

規模が大きくない(年商1億円以下)では

銀行借入を行っていなければ自転車操業です。

 

理由は入金されたものをそのまま使うといった

お金の管理をしているからだと思います。

 

いくら使うのかは社長さんの裁量で自由ですが

事業のためにお金をためておくことは必要です。

 

できたら1か月分くらいは入金がなくても使うことができる

お金を銀行口座に残したいものです。

 

どうやったら残せるのかを考えるためにも

管理表を付けてどのように使っているのかを

知ることから始めないと対策を考えることができません。

 

 

記帳と業績把握は税理士に任せる

多くの零細企業では記帳と業績は税理士さん任せ

ということになっていると思います。

 

現在は月次の試算表を提供しない税理士さんは

いないとは思いますがまかせっきりは良くないです。

 

私が考えている税理士さんに任せるということは

処理や業績把握までは丸投げで良くても業績の説明を

受ける必要性があるということです。

 

よくある、一人社長さんで従業員は職人だけといった

建設業では記帳能力を持った方が社内にいないのが普通です。

 

結果として記帳による帳簿作成は税理士さんに丸投げして

業績は把握も税理士さんが行っていることが多いと思います。

 

ここまでは普通のことなので全く問題はないのですが・・・

業績の説明を受ける機会がないといったことが問題です。

 

 

 

つまり、赤字なのか、黒字なのかが全く分からない

といったことでは経営ではないからです。

 

建設業は請求における相殺が出てくることが普通です。

ですから当月請求の請求書ベースでは本当の売上高が

見えてこないことが往々にしてあります。

 

相殺は入金が行われる翌月の下旬になってみないと

金額が分からないことが多いので試算表での業績把握は

1ヵ月くらい遅くれることがありますね。

 

結論として業績把握をしても意味がないとお考えになる

社長さんが出てくることについては理解できます。

 

1ヵ月前の業績の説明を受けてみても・・・

という考えですね。

 

しかし試算表の確認の仕方を覚えることによって

自社の状況が分かりますしその後の対策を考える

情報にはなるはずです。

 

やはり業績の説明は社長さんが責任を持って

受けるべきことだと私は考えます。

 

会社にお金が残るロジックを知っておく

会社にお金が残るロジックがちょっとわかりずらい

といったことが社長さんにはあるようです。

 

今回、せっかくお金の管理の重要性を記事にしているので

お金が会社に溜まるロジックを知ってほしいと思います。

 

前提としては金融機関からの借入がない会社とします。

会社は損益計算という業績把握の計算方法と

お金の増減だけを計算する収支計算の2つから構成されます。

 

まず誰にでも分かりやすいのは収支計算です。

事業年度が始まったときのお金と事業年度が終わったときのお金

つまり、銀行口座の残高を比べればお金が増えたのか

減ったのかが分かります。

 

結論として収支計算はお金の増減を計算する

といったことになります。

 

損益計算はちょっと複雑です。

まず、売上は請求ベースで計上を行います。

ですから、将来入金されるお金ベースで計上するのです。

 

原価については、お金を支払ったときと

請求書ベースと2つ計上することになります。

 

材料費・外注費は請求書ベースで計上を行い

上記以外はお金を支払ったときに計上します。

 

その結果として、黒字、赤字を計算します。

損益計算では、ざっくり申し上げると

売上ー原価ー経費で計算を行います。

 

上記で黒字であれば税金が課税されて

税金を引いた後にさらに黒字となれば

その分のお金が会社に溜まっていきます。

 

つまり、上記を収支計算ベースに直すと

①将来入金されるお金

②将来出金されるお金

③すでに使ったお金

④納付する税金

⑤①-②-③-④

ということになるのです。

 

結論として収支計算と損益計算では余るお金が

異なることになります。

 

また損益計算ベースを収支計算ベースに直した金額で

黒字になったとしても、それはすぐに翌月の運転資金に

回ってしまうので運転資金以上の黒字を出さないと

会社にお金が溜まっているようには感じません。

 

中小企業では運転資金を超えるような黒字になる

といったことはありません。

 

ただし、中には税金を支払たくないから節税対策として

お金を使ってしまう社長さんがいます。

 

これは本末転倒であると考えます。

 

上記の計算の通り、税金を支払わないとお金はたまらない

といった構造になっていることにお気づきでしょうか?

 

税金を減らすためにお金を使ってさらに税金を納付して

といったことだと2重にお金を使ってしまうので

必要なものを前倒しで購入するといったことならいざ知らず

不必要なものまで購入してしまってはお金が減る一方です。

 

税金は法人税だと中小企業の場合には

約25%くらいとなります。

 

言い換えると黒字の75%くらいは残るのです。

お金を会社に貯めるためにどういった選択が

自社にとって良いのかをもうちょっと考えて

見ても良いのではないかと思います。

 

 


編集後記

納期の特例のお知らせがようやく終わりそうで

一息付けそうです。

 

ただスポットのお仕事が稼働できておらず

7月もゆっくりしているとあっという間に過ぎて

しまうことになりそうです。

 

某資格試験の学習もうまく進んでおらず

ちょっと今年で合格するのは難しそうです。

2年計画で何とか取得したいと思います。

 

 

では税理士・行政書士の齋藤幸生でした!!

それでは、また!

 

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この記事は、その時の状況、心情で書いています。
また、法令に関しては、その後改正された場合には、
異なる取り扱いになる可能性があります。

 

 




ABOUT US
齋藤 幸生税理士・行政書士・経営革新等支援機関・ブロガー
都内税理士事務所にて7年間の勤務後独立。 2017年に税理士として独立後は建設業、フォワーディング業、IT業に特化した税務を行っています。また財務支援として資金繰り支援(会社の資金繰りと資金調達支援)を行っています。行政書士としては建設業許可、利用貨物運送事業の許可業務に特化しております。