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給料の前払制度と源泉徴収を税理士が解説!

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給料の前払制度と源泉徴収を税理士が解説!

最近、給料の前払制度が広まってきている

という報道がありました。

 

今回は、給料の中でも源泉徴収制度に特化して、

給料を前払した場合には、どうなるのか?

ということを解説していきます!

 

それでは、スタートです!!

 

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給料の前払制度について

給料の前払とは、給料日を待たずに、

給料を受け取れる制度です。

 

この点、給料は労働の対価としての性質を

持っている観点から、色々な情報を集めて、

支払い可能な金額を決めないといけません。

 

会社としては、働いていない人に対して

前払で給料を支給するわけにはいきません。

 

労働者側にとっても、働いていない分の

給料をもらった場合には、労働の対価ではないので、

基本的にはお金を借りるようなことになります。

 

現在のシステムでは、フィンテックを通して、

給料の前払を実現させているようです。

 

給料の前払を代行する会社では、

本人の氏名、勤怠データを預かって、

支払い可能な金額を算定して、

その従業員の口座へ送金するサービスもあります。

 

昨今の人手不足の中で、給料の前払制度は

人の確保の役立っているようで、

導入している会社が700社を超えているようです。

 

それでは、このような支給で、税金の問題は

無いのでしょうか?

 

この問題を以下で考えてみます!

 

 

給料の前払と源泉徴収(従業員編)

通常の給料について

給料の前払の前に、給料の源泉徴収制度を

理解しておかないと前払についての税金を

考えることができません。

 

まずは、給料の税金について考えます!

 

給料は源泉徴収の対象となります。

 

源泉徴収とは、所得税のことです。

給料から社会保険を控除した金額が

源泉徴収の対象となる給料です。

 

源泉徴収をしなければならないのは、

給料を支給する会社や事業主です。

 

では、いつ源泉徴収するのか?

⇒給料を支給する日です。

 

支払う時に源泉徴収するということになります。

 

それでは、給料の前払はどうなるのでしょうか?

 

 

 

 

前払の源泉徴収は?

まず、前払の給料は、給料なのか?

この点について考えます。

 

なぜかというと、

所得税に定める給料でないなら、

源泉徴収をする必要性がないからです。

 

所得税法28条で次のようになっています。

給与所得とは、俸給、給料、賃金、歳費及び賞与並びにこれらの性質を有する給与に係る所得をいう。

 

ということなので、従業員がもらう給料の範囲内に

入っていそうです。

 

この点、金融庁からは、貸付に該当する可能性がある

との指摘が入っているようですが、

 

税金計算上は、上記の所得税の規定に照らして、

実質的に給料に該当するのであれば、

給料ということになります。

 

今回は、給料となる前提で、話をします。

 

上記の判断により、源泉徴収しなければ

ならない可能性が浮上しました。

 

なぜ可能性なのかというと、

従業員は、基本的に月給制がとられています。

 

ですから、源泉徴収する金額は、月額を基準として

計算することになるのです。

 

基本的には、従業員の場合には、給料の締め日と

支給日が就業規則によって決まっています。

 

この観点から、支給日が到来した時に、

一括で源泉徴収すれば良いと思いがちです。

 

しかし、国税庁における通達においては、

以下の通りの見解となっています。

 

給与等の概算払をする場合のように、支給総額が確定する前に給与等を支払う場合の各支払の際徴収すべき税額は、最初に給与等を支払う際には、その支払額に対して法第185条又は第186条の規定を適用して計算し、第2回以後に給与等を支払う際には、その直前までに既に支払った給与等の累計額とその時に支払う給与等の額との合計額に対してこれらの条の規定を適用して計算した税額からその直前までに徴収した税額の累計額を控除して計算するものとする。

つまり計算上では、次のようになります。

 

①前払の段階での源泉徴収

②本来支給するべき金額の源泉徴収ー①

 

2段階で源泉徴収を行うということになりますね。

 

基本的には、所得税法185条の規定によって

計算することになります。

 

私の私見ではありますが、甲欄の日額表を

用いて源泉徴収額を計算して、

 

支給日には、甲欄の月額表を用いた計算をする

ということになろうかと思います。

 

 

給料の前払と源泉徴収(役員篇)

これまでは、従業員に対する給料の前払を

考えてきました。

 

役員へ給料の前払をすることが果たして

できるのか?という問題を考えます。

 

会社法を見てみると、次のようになっています。

取締役の報酬、賞与その他の職務執行上の対価として株式会社から受ける財産上の利益についての次に掲げる事項は、定款に当該事項を定めていないときは、株主総会の決議によって定める。

実務上は、定款に報酬について定めていることは

ないと言っても過言ではないです。

 

基本的に、株主総会の決議によって決めますね。

 

この点、法人税法では、期首から3か月以内に

役員の報酬を定めないといけません。

 

では、報酬を株主総会で決めたとして、

前払が可能なのか?ということになります。

 

こちらは、2つの問題を切り分ける必要が

あるのだと思います。

 

すなわち、法人税と所得税です。

 

所得税では、源泉徴収の問題ですので、

従業員と同様となります。

 

残すは法人税の場合です。

 

結論としては、法人は前払を選択しません。

 

なぜかというと、法人税では、定期給与で、

事業年中の各支給時期における支給額が同額でないものは、

損金に算入しないとなっているからです。

 

前払だと支給日の支給額がいびつになってしまいます。

例えば、月給100万円の報酬で、前払10万円と

して考えてみましょう。

 

1.通常では、

支給日に100万円の総支給額が経理で処理されますので、

これが各支給時期(支給日)で同額となりますね。

 

2.前払をした場合

①支給日以外に10万円を経理処理、

②支給日に90万円を経理処理

 

支給日に計上されている金額がいびつになる

ということが分かって頂けると思います。

 

ですから、源泉徴収の上、10万円部分だけが

損金に計上されません。

 

年間だと10万円×12=120万円が

経費とならない計算となりますね。

 

2019年の法人実効税率は、約30%ですので、

120万円×30%=36万円の法人税を負担して、

役員へ前払をするメリットがあるのか?

ということになりますね。

 

この点、どうしても経費関係でお金が足りない

といった場合も想定できますので、

 

給料の前払ということではなく、

仮払金で支出して、後日経費処理したのち、

 

仮払金が余ったら、お金を戻して、

仮払金で足りなくなったら、給料の支給と同時に

振り込むといった処理を行うことで

問題を解決することができます。

 

前払と前貸は異なることに注意!

最後に、前払と前貸は異なります。

 

給料の前払は、給料の締め日前に、

働いた分に対する労働の対価ですので、

 

貸付金という疑義があるとしても、

基本的には、給料の前払という認識が

お互いに共有できると思います。

 

しかし、給料の前貸しは、完全に貸付です。

個人と会社との間の金銭消費貸借契約となります。

 

特に、建設業だと、前貸しのような前渡金で

いったん処理しておいて・・・

というケースが多いように思われます。

 

この点、特に契約書は交わさずに、

日常業務としてやっていることが多いです。

 

しかしながら、実態は消費貸借契約ですから、

そのまま借りた本人が逃げることもあります。

 

この場合には、法人としては、なかなか前渡金を

損金に計上できない現実があります。

 

実質は貸付金ですが、現場の経費に使ってね

という名目で資金供与しているわけで、

経費に計上できないジレンマが出てきます。

 

給料の前払と前貸しには違いがある

ということを覚えておいて欲しいと思います。

 

 


編集後記

今日は、午後から顧問先へ訪問に行ってきます!

それと、早いもので7月は納期の特例ですね。

 

これから、集計作業を一気にしていこうかなあと

思っています!!

 

 

ではぼっち税理士の齋藤でした~
それではまた👍

 

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この記事は、その時の状況、心情で書いています。
また、法令に関しては、その後改正された場合には、
異なる取り扱いになる可能性があります。

 

 

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