【確定申告書のチェックどうしてる?】完全ペーパレスと効率化の先に考える




確定申告書のチェックどうしてる?

さて、税理士業に関わっていると、

必ず通る道の確定申告書チェックについてです。

 

皆さんはどうやってチェックしてますか?

 

私は、勤務時代には、ペーパーで出力して

チェックして、所長へのチェック出しという

順番でした。

 

その時には、これが一番楽だと思っていました。

 

独立して、ペーパレスや効率化を考えるうちに、

アプリでデータを共有して、PDFでチェック

という流れになっていきました。

 

こうすることで、自然と3画面方式で、

資料を見ながらチェックできることになりました。

 

現在はこの方法をちょっとパソコンだけで

やろうかなあと検討中です。

 

さて、今回は、確定申告書のチェックについて

流れややり方を考えて、

 

完全な自動化ができた世界ではなにが

起こるのかということを税理士として

考えてみたいと思います。

 

それでは、スタートです!

 

多くはペーパーでのチェック

多くの税理士事務所、会計事務所では、

確定申告書のチェックを紙ベースで

行っていると思います。

 

まあ、時代遅れなのですが、

確定申告書の流れを考えると

次のようになっていると思います。

 

①申告書の元データ、資料の収集

②申告書への入力

③印刷と自己チェック(ペーパー)

④所長税理士へチェック依頼(ペーパー)

⑤電子申告

⑥お客様へ控えの返却(ペーパー)

 

主に紙となる状態は、③、④と⑥だと思います。

 

差し当たって、⑥は百歩譲って

しょうがないと思います。

 

紙で保存ということになっているので、

どうしようもないわけです。

 

私が、洗脳されていたなあと思うことは、

③と④がペーパーで7年近くやってきたことです。

 

紙でないとチェックしたように思わなくなっていた

ということです。

 

紙とPDFには大差はありません。

同じものです。

 

画面で出力するのか?

現実に出力するのか?

これだけの違いです。

 

もともとはデータなので、

同じもののはずですね。

 

ですが、紙を良しとする税理士が多い

ということなのでしょう。

 

また、事務所保存用まで紙でやっている

昔ながらの事務所もあると思います。

 

棚にしまわれた多くの申告書の束、

5期分までは取っておかないと・・・と

思って取ってあったりするわけです。

 

今後、青色欠損金の控除をできる年が

伸びれば伸びるほど、申告書を取っておく

ということになるでしょう。

 

特に紙が悪いということではありません。

災害が起こったときにどうするのか?

データだと誤って消した場合にはどうするのか?

 

など、紙やデータそれぞれに良い面や悪い面は

あるわけです。

 

しかし、効率化の面を考えると、

紙でのチェックは時間をロスして、

資源をロスしてということになると

私は個人的に考えています。

 

 

ぼっち税理士、ペーパレスでチェックす!

さて、私の独立後のやり方です。

初めは、紙でのチェックでやっていました。

 

間違えるとまずい・・・

と思っていたからです。

 

職員時代と違って、

税理士としての自覚が出てきた頃です。

 

ですが、そういった感覚は1年しないうちに

薄れていきます。

 

2018年の繁忙期を経験してから、

あれ?PDFで良くね?

という考え方にようやくなってから、

 

iPadを購入して、Onenoteで共有して

PDFでチェックするようになりました。

 

チェックする状態にできた時には

正直感動しましたね。

 

こんなに簡単なのに、どうして今まで

やらなかったんだろう・・・

紙といっしょじゃん的な感覚でした。

 

 

 

 

データでのチェックでよかったことは、

紙を使わないので、無駄な用紙を使わなくなった

ということです。

 

私はチェック用の申告書を印刷するために、

裏紙になるような紙をためていました。

 

また、チェック用に印刷した紙を廃棄するため、

シュレッダーも購入しました。

 

上記は今では、完全な無駄となっています。

シュレッダーは使わなくなりましたね。

加えて、紙ゴミも減りました。

 

全部データ上でやるので、A4用紙の場所を

デスクに確保する必要性がなくなりました。

 

つまり、ゴミ、設備、場所を減らすことが

できるようになったということです。

 

税理士事務所、会計事務所で繁忙期ともなると、

シュレッダーされた大量の紙ゴミや、

紙を溶解する業者への段ボールがいっぱいになると思います。

 

データでチェックをするだけで、

ゴミを減らすことができます。

 

正直、勤務だと所長税理士の意向が反映されるので、

上記のようなことは実行に移せないと思います。

 

ですが、独立すれば話は別です。

 

全部自分でやろうと考えたらすぐに

実行に移すことができます。

 

完全な自動化はチェックすることを要求させる

さて、もうちょっと話を未来に移して

申告書の作成とチェックついて考えたいと

思うわけです。

 

確定申告書が完全に自動化されたらどうなるのか?

これを考えたいと思います。

 

例えば、法人の確定申告書です。

 

会計ソフトから会計データをそのまま入れて、

自動的に法人の確定申告書ができました。

というソフトがあったとします。

 

当然、全国の法人は皆さん喜ぶと思います。

自分で経理をやって申告書までできるからです。

 

では、その自動化で作られた申告書の整合性は

誰がチェックするのでしょうか?

 

つまり、その申告書があっていると判断できる

人が会社内部にいるのか?という疑問です。

 

自動化で完全な申告書できるといっても、

そのソフトを提供する会社の約款には、

きっと、次のような文言が出てきます。

 

当ソフトウエアによって作成された確定申告書の整合性は、

お客様のご判断で行って頂き、最終的な責任は、

当社には帰属しないものとします。

 

さて、申告書は完璧に作られていると

言っているソフト会社の営業パーソンの説明が

ありますが、果たしてどうしますか?

 

悩ましい問題だと思いますね。

 

このように、完全な自動化は、

人にチェックすることを要求するのです。

 

すでに世間で言われているように、

税理士の仕事がなくなるようです。

 

それもAIの出現によってということらしいです。

 

本当にそうなるのかは分かりませんが、

私の想定する未来は、税理士のお仕事の中身が

変わるのではないかと思います。

 

また、会社が作ってきた申告書の整合性を判断する

といった税理士には責任をどうやってとるのか?

この部分も問題が出てくるものと思われます。

 

つまり、期中で一度も帳簿の内容、原始資料のチェックを

行っていない税理士が、例えば申告書の整合性だけの

チェックをした場合に、もし、税務調査で非違事項が

出てきた場合にはどうなるのか?

 

通常であれば、善管注意義務違反になると思われます。

税理士のような専門家には、高度な善管注意義務が

あると言われているからです。

 

この部分をないがしろにして、チェックをする

税理士が出てくると、私は思っています。

 

やっぱり税務顧問はなくならない?

こうなってくると、やはり税務顧問というものは

なくならないのではないか?

と思うわけです。

 

確かに、帳簿のチェック、原始資料のチェックなど

切り分けての関与ということになると思います。

 

それぞれで値段を付けて、積上げてやっていく

ということになろうかと思います。

 

現状でも、上記のように値段を付けて

やっている税理士先生もいらっしゃいます。

 

AIは便利で、効率的で、色々なものの値段を

変化させたり、仕事を変化させたりしますが、

 

人間の不安解消、全責任を取ることは、

AIにはできません。

 

私は、人間的な仕事がAIによって浮き彫りとなり、

専門家にどのような仕事をするのが良いのか

ということを気が付かせてくれると思っています。

 

その意味で、早くAIで楽できないかなあと

思っているわけです。

 

 


編集後記

今日は、午後から訪問となります。

昨日、日経電子版に切り替えました。

 

初めて、iPadでもアプリを入れて、

新聞ビュアーを使ってみたのですが、

新聞よりも見やすいなあという印象です。

アプリの評価はさておき、私は満足です。

 

 

ではぼっち税理士の齋藤でした~
それではまた👍

 

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この記事は、その時の状況、心情で書いています。
また、法令に関しては、その後改正された場合には、
異なる取り扱いになる可能性があります。

 

 




ABOUT US
齋藤 幸生税理士・行政書士・経営革新等支援機関・ブロガー
都内税理士事務所にて7年間の勤務後独立。 2017年に税理士として独立後は建設業、フォワーディング業、IT業に特化した税務を行っています。また財務支援として資金繰り支援(会社の資金繰りと資金調達支援)を行っています。行政書士としては建設業許可、利用貨物運送事業の許可業務に特化しております。