【自分でやる経理】作成する、集める、処理する、分析する




自分でやる経理

経理を自分でやる人がだんだんと

増えていっている昨今ですが、

 

そうした人たちの帳簿を見ていると

残念ながらめちゃくちゃです。

 

まず、ルールを決めていないで処理をしたり、

法律行為なのに資料が無かったり・・・

 

自分で責任を取るからとの考えなのか

お手盛りで経費を計上するなんてことも・・

 

自分で経理をすること自体は良いことですが、

まずルーツの明確化があって、処理の前段階に

資料の作成と収集があります。

 

この後に処理することができて、

ようやく分析をすることができるのです。

 

全部が中途半端だと中途半端な結果となり

最悪は税務調査でえらい目に合うことにも

繋がってしまいます。

 

自分で経理をやる場合にはルールが必要

自分で経理をやる場合には、

まずは客観的なルールが必要です。

 

どのようなルールが必要なのかですが、

次の2つについて規則を作るのです。

 

☆資料の作成と収集について

☆処理の方法について

 

資料の収集について

まずは資料の収集のルールについて

考えてみたいと思います。

 

自分で経理をやる場合には、

資料作成、収集も自分でやらないと

いけなくなります。

 

経理は資料がそろっていなければ処理できず、

従って資料があるかどうかが重要です。

 

ルールとしては、どのようなことが

言えるのかというと・・・

 

まずはその日に前日の経費を台帳に張る

交通費はチャージしても実際に移動した

交通費明細を付けるなど経費に関する

けん制機能も付けてあげるのが良いです。

 

つまり、決まったルールに基づくのですが、

それは客観的なものでなければなりません。

 

経費については個人事業主だと

個人的なものか、事業的なものか?

判断をすることが重要です。

 

ですから、事業として売上につながるものや

売上につながりそうなものは経費にするなどを

しないとお手盛りの経費ということになります。

 

飲食代など微妙な判断が必要なものが

ありますが、それでも判断は必要なのです。

 

これは法人でも当たり前のように必要で

使った費用が法人のものかどうかも

自分で判断しないといけません。

 

自分の判断では客観性が足りませんから

やはりルールが必要なのです。

 

ですから事業的なのかというルールです。

 

逆説的ではありますが、個人的でない

というルールでも良いわけです。

 

何かブレない判断ルールを作っておく

ということが必要なのです。

 

処理について

私が税理士として関与していて、

中小企業や個人事業主の最初は、

 

処理についてのルールがないのが

実情です。

 

処理とはどのようなことか?

次のようなものです。

 

・売上の計上基準
・仕入の計上基準
・費用の計上基準
・損失の計上基準
・固定資産の減価償却

 

つまり、経理処理をするためのルールが

明確化されていません。

 

特に重要なのは売上と仕入のルールが

重要となります。

 

というのは税務調査では毎回必ずチェック

される項目だからです。

 

では実際にルールを決めようと考えても

どのようなルールが良いのかはわからないと

思われます。

 

これは原則的な基準があって、

売上は実現主義というルールがあります。

 

流れで申し上げると

①商品の注文
②商品の仕入
③商品の出荷
④商品の納品
⑤相手方で商品の検品

 

上記のうち、③で売上を計上することが

大原則となっています。

 

逆に仕入の計上は、②の商品の仕入れ時と

なるのが大原則となります。

 

上記の流れで最も重要な要素が在庫という

考え方です。

 

ここが理解できないと適切な処理ができません!

 

決算日が3月31日だとして、

上記の②が3月31日になり、③が4月1日であると

 

3月までには仕入の商品は売れ残りとなって

しまいますので、②の商品は在庫となります。

 

ですから、4月1日に売れた売上と一緒に

仕入として計上しないといけません。

 

これが期末棚卸というルールです!

 

つまり、売上と仕入はそれぞれ同じ年度であれば、

一緒に計上して問題ないのですが、

 

別々の年度に起こると売上の方に仕入が

よってしまうことになります。

 

ですから、個別的な対応が必要な処理ルールが

必要となるのです。

 

経費については、発生主義というルールに

基づいて処理が行われることになります。

 

発生主義とは、費用の発生のつど計上する

処理の方法です。

 

お金で支払ったかどうかは関係ありません!

 

ですから、ツケでものを購入したとしても

購入の事実+当社に届いた

 

以上の2つの事実に基づいて計上を行う

ということになります。

 

法律的に申し上げれば行為と事実の両方が

そろって初めて経費計上ができるのです!

 

こうした感覚は重要で、税務調査時にも

生きてきますね。

 

さて固定資産の減価償却方法は、

法人であれば、資産によりますが、

原則定率法となります。

 

個人では原則定額法となりますので、

そのように処理すればいいのです。

 

こういったルールを作っていき、

その通りにやっていくことが

経理には求められるのです。

 

ご自身で経理をやる際には、必ずルールが

必要である認識を持っていただければと思います。

 

 

作成、集める、処理する、分析する

さて、続いてはようやく経理的な

話をすることができます。

 

自分で経理をやる際には資料を作成、

資料収集、処理、分析に至るまですべて

やらないといけなくなります。

 

先ほどのルールを明確にした前提で

話を進めていきます。

資料を作成、集める

資料を作成となると自社の内部資料ですね。

対外的な資料と本当の内部資料に分かれます。

 

対外的な資料としては、見積書、請求書、納品書

売上に関係する資料が多いと思います。

 

内部資料としては現金管理表、経費台帳、

交通費明細書、在庫管理表といったあたりでしょうか?

 

本格的な法人や事業となるもっとありますが、

自分で経理をする規模だと上記で十分だと

思われます。

 

中でも、規模が大きくても、小さくても

お手盛りとなるのが現金管理です。

 

すごく雑だなあと思うことが本当に

多いと感じています。

 

現金管理は面倒なのですが、現金を扱うと

決めた場合には管理せざるを得ません。

 

必ずルーズリーフなどで収支を付ける

ルールを継続することをオススメします。

 

上記のような資料を作成していただき、

上記の資料を集めます。

 

同時に、外部からの資料も集めます。

外部からの資料としては、

 

仕入の請求書、納品書や注文書、経費の請求書

などを集めていきます。

 

これでようやく処理をすることができます!

 

 

 

処理、分析する

さて、資料を集め終わったところで、

ようやく処理をすることになります。

 

一応私がオススメしているのは、

毎日経理なのですが、恐らくできないのが

現実だと思われます。

 

ですから、最低月次決算だけはする

という前提で話をします。

 

処理に関しても順番があると便利です!

 

私が実際に記帳代行をするときにやっている

順番としては次の通りです。

 

①預金の入力
②売上と仕入の入力
③経費の入力
④現金の入力

 

なぜ、預金の入力が最初なのかというと

一番意思が表れているからです。

 

つまり、預金だとお金を支払う、もらうが

一番明確だからということです。

 

現金だと現金管理表に書き忘れた

ということがあった場合にはもう分かりません。

 

ですが、預金の場合には必ず記録が残り、

その記録は嘘をつくことができません。

 

ここから不明な取引と資料を合致させて

行為と事実をつなげていくわけです。

 

自分で経理でもこの流れでやっていくと

忘れていたものを思い出すことになります。

 

後の順番はどうでもいいのですが、

売掛金と買掛金の残高を早く合わせたいなあと

思うものですから、②で入力しています。

 

継いで③と④へと入力を行っていきますね。

最後にチェックとして入力されたかどうか?

を確認することにしています。

 

チェックしたものから原始資料に『処理済み』

のハンコを押していくのが私のスタイルです。

 

別にハンコでなくても、赤ペンや青ペンで

数字にチェックをするだけでも良いです。

 

入力後のチェックは欠かさずにしておいた方が

良いと思います。

 

入力漏れを発見するために行うので、

オススメですね。

 

この後に分析をすることとなります!

 

分析は難しいことはしなくても大丈夫!

 

まずは、売上総利益をみて粗利をチェックです!

自分の想定した粗利が出ているかを見ましょう!

 

もし出ていなかったら、値引きや利率の低い

商品を売っているかもしれませんね。

 

続いては営業損益ですね。

こちらは事業の本業での稼ぐ力です。

 

こちらが赤字だと会社の固定費を賄えていない

ということになりますので、

 

早急にコストカット、売上増加などの対策を

とならないとじり貧になります。

 

そのあとは税引前当期純損益です。

こちらは法人税の対象となる利益です。

 

所得税の事業所得で言えば、専従者給与控除の

所得合計ということになります。

 

税金の対象となりますので、想定の利率を乗じて

税金の見積をしてみることが必要です。

 

法人ですと25%、個人ですと所得によりますが

30%で良いと思います。

 

収支についても分析をすることが大事です。

収支については、次のようにやりましょう!

 

今月の売上金額ー今月の仕入ー今月の販売費一般管理費

+今月の減価償却費=来月の予想収支

 

来月の予想収支がマイナスだと、来月の売上を

頑張る必要が出てきますね。

 

来月の予想収支はその次の月に影響しますので、

収支予想を計算しておくことで、

 

事業の立て直しへの情報となります。

毎月やってみましょう!

 

どうしようもなければ外注もありだが

では、上記のことなんてできないよ!

という人であれば外注化という選択です。

 

では何が外注化できるのかということを

申し上げます。

 

基本的には経理処理については外注化を

することができます。

 

記帳代行であれば安くかってくれる

というところもあります。

 

しかし、資料作成と資料収集は自分で

やらないといけません。

 

また、そのあとにまとめた資料を保管する

という業務も実は隠れています。

 

自分で経理とするときに何がボトルネックと

なるのでしょうか?というと・・・

 

資料の作成と集めることがボトルネックです!

 

要するに煩雑なのです。

やりたくない作業なのです。

 

ですから、ご結婚されていれば、

奥様に頼んでみたりすると思います。

 

すべてを外注化することができれば

良いのかもしれませんが、そうも言ってられません。

 

それだと経理の人材を雇っていることと

違いはありませんからコストが増えます。

 

加えて、外注先の書式があって、

それに従って資料を送らないといけません。

 

あなたにあったやり方でなんとかしてくれる

ということではないのです。

 

税理士という立場から申し上げると

資料の作成と収集ができれば、

 

ほとんど経理の仕事は終わっている

といっても過言ではありません。

 

その理由はあとは入力するればなんとかる

ということだからです。

 

入力する時間が惜しいということで

外注化もありですが、そうでなければ、

依頼する前にちょっと考えた方が

良いのではないかと思います。

 

なお、外注化で有名なところは、

次の2社が有名ですね。

 

・STREAMED(ストリームド)
・メリービズ

 

どうしても外注化なのであれば、

依頼してもいいのかもしれません。

 

自分で経理は自分の事業を知れる機会

私は昨年独立してから、自分の経理を

自分でやっています。

 

税理士だから当然じゃん!と

思われるかもしれませんが(笑)

 

ですがやってみないと自分の事業が

よくわからなかったと思います。

 

というのは、いつ頃売上が来て、

その売上金の入金が来て、どれくらい

経費を使って・・・

 

など自分でも自分の事業についてが

分かっていなかったということが

自分で経理をやってみてわかりました。

 

実際に動いている流れと数字は同じではなく、

多少なりともずれが生じてくるのです。

 

そのためにどうしたらよいのかを

考える機会を得たと思っています。

 

自分の事業を知る機会ととらえて、

ぜひ自分で経理をやる人が増えたら良いなあと

思っています。

 

 


編集後記

本日はちょっと体のメンテナンスに行って

リフレッシュしてきたいと思います。

 

要するにちょっと仕事を休むという

ことですね。

 

 

では国際税務の税理士齋藤でした~
それではまた👍

 

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この記事は、その時の状況、心情で書いています。
また、法令に関しては、その後改正された場合には、
異なる取り扱いになる可能性があります。

 

 




ABOUT US
齋藤 幸生税理士・行政書士・経営革新等支援機関・ブロガー
都内税理士事務所にて7年間の勤務後独立。 2017年に税理士として独立後は建設業、フォワーディング業、IT業に特化した税務を行っています。また財務支援として資金繰り支援(会社の資金繰りと資金調達支援)を行っています。行政書士としては建設業許可、利用貨物運送事業の許可業務に特化しております。