【税務調査のための法律論】税務調査を交渉だけと考えない!法律知識も持とう!!




税務調査ってどうなってるのか?

税務調査は刑事手続きではありません。

調査官には逮捕権もありません。

 

しかし、マルサのような組織への世の中の

イメージから抵抗してはいけないものと

思われています。

 

しかし、それはちょっと違います。

租税は納税者の権利なのです。

 

その権利を助けることができるのは

税理士だけです。

ですから、調査においても法律論を

知っていることは有効となります。

税務調査のための法律論とは

税務調査のための法律論とは

一体何かというと・・・

 

税務調査のための法律論は?

基本的には国税通則法の学習をする

この1点に尽きます。

 

残念ながら、税理士試験では国税通則法は

試験範囲となっていません。

 

従って税理士試験で税理士となった試験組は

国税通則法を税理士になった後で学習する

ということになろうかと思います。

 

対して、大学院で学習している方は、

国税通則法を学問として学習する方が

多いのかもしれません。

 

ただ、それも行政法としての考えと

憲法からの考えの両方から見ている

ことが必要なのかなあと思います。

 

税務調査の法律を具体的に考える

さて、税務調査で条文がすぐ出てくるのは

国税通則法74条の2になります。

 

これは、任意調査とされています。

しかし、納税者は受忍義務を負うことになります。

 

受忍義務も国税通則法127条にて罰則があり、

これを根拠に受忍義務としています。

 

因みに、罰則は1年以下の懲役または50万円以下の

罰金となっています。

 

現在では上記のように国税通則法に

調査が法定化されており、行政手続きである

調査は国税通則法を基に行われています。

 

しかしながら、国税通則法に法定化されることで

調査件数は法定化される前よりも減少しているので、

 

ハイブリット調査といわれる調査権限が

横行しているのが実情です。

 

現実は通常調査以外もある

つまり実地調査以外の調査です。

 

税務調査の実務では調査とお尋ねの

両方にて接触を試みることが多くなっています。

 

お尋ねは行政指導としての性質があり、

例えば、消費税の還付に関しての資料の提出

といった部分にて効果を発揮します。

 

上記に応じないと消費税は還付されないので

実質的な任意調査ということです。

 

上記以外には呼び出し状を送付して

税務署内に納税者を呼び出して行う

呼び出し調査なるものがあります。

 

最近ですと呼び出し調査で接触率を

増やすことをする場合が多いと思います。

 

私も今年に入って1件呼び出し調査に

対応したことがあります。

 

行政指導と調査の区分は?

それでは、行政指導と調査との区分て

一体どこなのかが分かりません。

 

これを考えるためには、調査通達が有効です。

もちろん通達は国民を拘束しませんが、

 

国側がやっていることが行政指導なのか

調査なのかを国民として判断する材料として

調査通達を知っていることは利益となります。

 

実際には調査通達1-1にて次のように

調査の意義が書かれています。

 

 

そして、調査通達1-2にて行政指導として

次の6つの項目があげられています。

 

 

以上の区分を知っておくといいことが

あるということです。

 

つまり、更正の予知の範囲には

行政指導が含まれません

 

ですから加算税の対象となるのか

ならないのかの判断ができます。

 

つまり、行政指導によって申告書を

提出したとしても加算税はつかない

ということなのです。

 

私の経験では行政指導なのかそうでないのかは

一応税務署の担当者は説明してくれます。

 

そうしないと後々トラブルとなると

税務署もわかっているからです。

 

しかしながら、近年税務署の担当者の質が

落ちてきていますので、念のために

確認だけはいつもしておくことが肝要だと

私は思っています。

 

 

実務における対応を考えよう

さて、それでは、実務における対応を

考えてみようと思います。

 

事前通知を知っておこう!

実務においては事前通知が当たり前です。

国税通則法74条の9にて規定されています。

 

以前から税理士業をやっている人ほど

事前通知の確認や資料に残すことを

やっていない人が多いのではないか?

と私は思っています。

 

事前通知の内容を資料に残していますか?

例えば、次のような文書となります。

 

なぜ事前通知が重要なのかというと

事前通知をしていない調査は違法調査です。

 

事前通知の確認で漏れがあればその時点で

調査を断ることになります。

 

これで断っていも調査拒否とはなりません。

なぜなら調査自体が違法だからです。

 

適正な調査とは法定されていることを

行政側がすべて行わないと違法となるのです。

 

一応、事前通知項目も見てみたいと思います。

次の表のとおりです。

 

 

必要があるときを考えよう!

それでは、国税通則法74条の2における

『必要があるとき』とはどんな時でしょうか?

 

なぜこれが問題となるのかですが、

必要があるときに調査官は質問や

資料収集をすることができると

法定されているからです。

 

つまり、必要がないのであれば、

質問できません、資料収集できません。

 

ですから、必要があるときが非常に重要

ということになるのです。

 

では必要があるときとは、どんなときなのか?

というと・・・・

 

昭和48年7月10日の最高裁判決、

いわゆる荒川民商事件の判例が生きています。

 

判例では諸般の事情にかんがみ、客観的な必要性が

あると判断される場合とされています。

 

調査の現場で調査官に必要性は何ですか?

と質問したことはありますか?

 

恐らくそういった質問をしたことが

無い方の方が多いのではないかと思います。

 

質問検査の範囲を知ろう!

また、質問検査の範囲についても同判例で

解釈されるものがあります。

 

質問検査の範囲等実定法上特段の定めのない

実施の細目については、質問検査の必要性があり、

かつ、これと相手先の私的利益との衝量において、

社会通念上相当な程度にとどまるかぎり、

税務職員の合理的な選択にゆだねられている。

 

つまり、質問検査権を利用した質問検査は、

社会通念上の範囲内であれば、調査官の裁量

ということになるわけです。

 

従って、社会通念から逸脱した質問検査は

ダメということです。

 

この社会通念と同様にちょっとわかりにくい

任意調査の任意の部分もあります。

 

これについても一応確定判決があり、

平成7年3月27日の北村事件において、

 

承諾の原則(人の承諾がないとできない)

というとについて相手方の明確な承諾が必要で、

黙示ではなく明治の意思表示が必要とされています。

 

ですから、質問検査権を使って事業用に供して

いない部分に立ち入るなどといったことは

納税者の明確な意思表示が必要なのです。

 

居宅での調査という発想の転換を!

これでよくあるのが、相続税の調査では、

なぜか自宅で調査を行うなんてことが

実務で行われていますよね?

 

北村事件を参考とするなら、

居住用部分に無断でたちったりするような

調査をした場合には即違法調査となります。

 

まあ、税理士の対応として自宅で調査を

するという発想自体を転換することが

一番いいと私は思いますが。

 

因みに、調査場所についてはかなり柔軟な

方針を税務署は持っています。

 

私の経験だと自宅兼事務所や居宅兼事務所

といった場合には税理士事務所内でやったり、

 

未だと貸し会議室を借りて、資料を持ってきて

やってみたりとしています。

 

因みに、私はコピーするのが嫌なので、

貸し会議室でやる場合には、

 

コピー機がない貸し会議室を選んで、

コピーは近くのコンビニで調査官の自腹で

コピーさせたりしますね。

 

調査で必要なコピーなのでしょうから、

自腹を切るのは当たり前だと思います。

 

それが嫌なら、法定されている写しを

実行すればいい話です。

要するに書き写すということです。

 

まとめると次のことをまずは実務で

実行してはいかがでしょうか?

 

・必要性を確かめる

・社会通念に合っているか

・客観性があるか(主観的ではないか)

・自宅では調査に応じない

 

このくらいはやっても調査妨害と

なり得ません。

 

ぜひ実践をして頂ければと思います!

 

税務調査は交渉だけにしない

さて、税務調査だとよくある交渉という

意味不明なやり取りです。

 

他事考慮を知っておく

弁護士や司法書士の方々だと知っている

かもしれない概念があります。

 

それは他事考慮という概念です。

これが税務調査ではよく乱用されます。

 

つまり、こっちは認めるから、

そっちは見逃してという交渉です。

 

これも現場では場合によることは

言うまでもありません。

 

しかし原則的には上記のような交渉は

他事考慮に当たるのでできません。

 

例えば、費用の過大計上があった期間に

棚卸資産の過大計上があったら調査官の心理として、

 

費用だけで修正申告の勧奨をしたら、

他事考慮となるので、それは認めないと

突っぱねても大丈夫です。

 

原則的には費用は費用の法理、

棚卸資産は棚卸資産の法理が別個に

規定されているわけです。

 

費用だけ過大計上否認で修正申告することは

おかしいに決まっています。

 

棚卸資産の過大計上を適正額にして、

課税所得に加味したうえで、修正か更正か

といった判断をするべきなのです。

 

こうしたことから私が思うことは

税務調査は交渉だけにしないことが

重要だということです。

 

上記のような交渉をしてくる調査官が

いた場合には他事考慮の問題となると

言えば、すぐに言及を取り下げると思います。

 

それか、審理に確認させれば済む

話だと思います。

 

現実には交渉もやむなしの場面がある

ただ、現実にはそうも言ってられない

そんなときもあるかもしれません。

 

そういったときには交渉もやむなしです。

ただ、昨今の調査事情は昔とは違います。

 

調査官の質が明らかに低下しているので、

まるでロボットのように法律の要件だけで

判断する調査官もいます。

 

そういった調査官相手にどうやって

立ち回り、対応することができるのか?

それは税理士としての腕の見せ所です。

 

税務調査を苦手としないために

税務調査は苦手・・・

そういった税理士が多いと思います。

 

ですが、慣れてくるとそうでもなくなります。

そりゃ、イラっと来るときはありますけど。

 

しかし苦手という言っても関与をしていれば

どこかでやらないといけない場面が来ます。

 

そういったときにわからないと

放っておいてもしょうがないです。

 

調査官が一体何を話しているのか、

それによって一体何が起こるのかを

知っていることだけでも違います。

 

苦手意識を克服するとは難しいですが、

相手を知ることはできます。

 

税理士として法律家の活動をするには、

まずは法律を知ることから始めてみる!

 

そうしたちょっとずつの積み重ねが

苦手意識克服につながるのではないでしょうか?

 

 

 


編集後記

今日も夕方から研修です。

今日は支部の情報システム部の研修で

私は委員なので強制参加ですが(笑)

 

まあ、ペーパレスについてやる研修なので

ためになる研修だと思います。

 

 

では国際税務の税理士齋藤でした~
それではまた👍

 

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この記事は、その時の状況、心情で書いています。
また、法令に関しては、その後改正された場合には、
異なる取り扱いになる可能性があります。

 

 




ABOUT US

創業・起業支援、税務調査に特化した新宿区の税理士です! 今までは、海外から日本へ進出する会社様の創業・起業支援を行ってきました!また、外国法人や外国法人の子会社の税務調査に対応してきた知見(国税局・特別国税調査官・通常の調査官への対応経験)を生かして税務調査対応も支援しています! ブログの運営方針は、0to1になるような情報発信をしていきます!