【成年後見人等養成研修】東京税理士会研修、1日目をまとめてみた!




税理士としての活動して成年後見人を

やった場合にどうなるのかが知りたくて

今回の研修に参加しました。

 

実際には相続案件が増えることもなく

成年後見人の大変さが分かる研修となってます。

成年後見人等養成研修とは?

研修について

成年後見人等養成研修とは、

東京税理士会が開催している認定研修で、

 

主に、公益活動部が軸となって

行っています。

 

料金は、3日間で3,000円で振込です。

 

開催日時は、2018年では、

11月3日~11月5日までとなります。

 

場所は東京税理士会館です。

 

因みに、座席は指定席となり、

当日は受付票(FAXのもの)と研修カード

が必要となります。

 

注意点など

注意点は、以下の通りです。

・連続18時間の受講が義務です。
・テキストは当日配布で、2日目と3日目の
テキストは置いて来ても大丈夫です。
・昼食は現地調達

 

この研修後に所定のテーマでのレポート課題を

提出すると東京税理士会の研修終了簿に名前が

掲載されることになります。

 

税理士として3年間活動していれば、

東京家庭裁判所の成年後見人推薦名簿へ

名前を載せることができます。

 

ただ、東京税理士会の常会、役員会を

経て承認されるシステムとなります。

 

また、3日間無遅刻無欠席が義務です。

全部でないと研修を修了したとはならず、

 

認定研修としては出席した分だけ認められ、

成年後見人等養成研修を修了したとはなりません。

 

1日目の内容とは

1日目の内容とは、次のことを

行いました。

 

1日目の全容

・ガイダンス
・税理士の関わり、実務相談事例
・成年後見制度概論
・関連規定、民法と成年後見制度

 

時間は、ガイダンスと、税理士の関わりが

1時間となります。

成年後見制度概論と関連規定は2時間です。

 

税理士が行った講義

ガイダンスは、成年後見制度についての

初歩的なことをまとめた講義でした。

 

基本理念、制度の制定、機関、制度の内容

とざっくりとしたことをやります。

 

これの趣旨としては、税理士によりますが、

民法を学習していないことを前提に、

 

本研修で使われる用語や基礎的な法律、

内容を知ってもらって、本論の講義に

支障をきたさないようにするためです。

 

次に、税理士の関わりとして実務相談事例

としての講義がありました。

 

こちらは、現在成年後見人となっている

税理士自身の話を聞くことができました。

 

実際に現在進行中の事案で、かかわっている

内容がまとめられたものです。

 

法定後見制度の申し立て手続き、必要書類

職務、財産・負債の引継ぎ業務、スケジュール

 

就任中の職務や身上保護の内容、家庭裁判所への

連絡方法、申し立て手続き、実務事例で解説が

行われました。

 

自分が後見人となったときのイメージに

つなげてもらいたいということだと思います。

 

ここまでの2つの講義は、税理士が担当します。

 

 

学者が行った講義

成年後見正誤概論は、中央大学法学部教授

新井誠氏です。

民法学者で成年後見人制度の大家です。

 

内容は成年後見人の歴史や法律制定までの

流れを確認して、現在のシステムの問題点まで

言及した講義でした。

 

あとはご自身のライフワーク活動である

成年後見法世界会議の運営状況を

話すといったことでしたね。

 

成年後見制度の問題点としては、

任意代理と成年後見制度の役割分担が

行われていないということです。

 

要するに、任意代理だと一回代理権を

付与された場合には、本人の判断能力の有無は

問題とならない点があります。

 

つまり、判断能力がない人を支援する目的の

成年後見制度を形骸化させているのです。

 

また、税理士の税務申告についても、

本人(納税者)が判断能力をなくしても

基本的に税理士が税務申告はできる

といった職権の乱用のような状況が

 

税理士以外にも起きていることを

指摘していました。

 

ですから、任意代理は本人が判断能力を

失ったときにいったん終了して、

 

成年後見制度への移行が通常の流れ

という趣旨の発言がありました。

 

また、障害者権利条約というものがあり、

日本の成年後見制度とこの条約との適合性も

問題があるかもしれないという話もありました。

 

問題点は、障害者といえども自由意思が存在し、

それを尊重するという考え方です。

 

しかし、成年後見制度は自動的・画一的能力制限

期間の限定がない、多数の欠格条項がある点で、

 

条約との整合性が取れているのか?

という問題があることを指摘されていました。

 

最後に関連規定です。

こちらは青山学院大学法学部教授

熊谷士郎氏です。

民法と消費者法の研究者です。

 

憲法と成年後見制度との関係、

民法と成年後見制度との関係、

消費者法との関連といった分野での

講義でした。

 

ちょっと幅広くて講義をやるのが

大変そうでしたね。

 

憲法から見た成年後見制度では

自由権、自己決定権、平等権といった

分野からの考察がありました。

 

つまり、成年後見においては、

本人の自由意思が尊重されて、

自己決定権もあり、平等であるという

ことを確認したのちに、

 

成年後見の自己決定権の制約という

矛盾について、考察がありました。

 

民法については改正後の内容を中心として

成年後見に関連する解説がありました。

 

また、消費者契約法も改正されたことで、

どういった問題点が今後出てくるのか?

という考察もありました。

 

基本的には本人の自由意思の尊重と

制限行為についてどう考えるか?

本当に制限があって良いのかということを

考察したかなりレベルの高い話でしたね。

 

このように、1日目とはいえ内容は

濃くかなり勉強となるものでした。

 

1日目で役に立ったこと

私が1日目で役立ったなあというのは、

税理士の実務解説でしたね。

自分がやることになった場合のイメージが

かなり湧きました。

 

成年後見人の実務って大変

スケジュールを見ると3か月の間に

結構なことをしているわけです。

 

始めは、東京税理士会からの推薦があり、

その後、家庭裁判所へ行き、受任を伝え、

 

本人や家族と面談していっています。

また、相続でもめている事案なので、

 

何を主張していくのかも決めないと

いけない事案となります。

 

成年後見人の財産管理はかなり怖いかも

かなり面倒だなあと思ったのは、

財産関連です。

 

預貯金や有価証券、借入金などの

財産の把握と引継ぎが必要なのです。

 

この部分こそが成年後見人の職務ですが、

こちらを完全にコントロール下において

本人の意思を制限してしまうことが

かなり衝撃的でした。

 

着服してしまう弁護士や司法書士が

多いイメージでしたがそりゃ人によっては

やってしまうよなあと思いました。

絶対やっちゃダメな行為です!

 

成年後見人の報酬について

また、報酬も付与されるので、

自由に報酬をもらうことはできません。

 

家庭裁判所へ報酬の申し立てはできますが、

家庭裁判所が決めてきます。

 

それと知らなかったのですが、

成年後見人の報酬は税理士だと雑所得に

なるとのことです。

 

あれ?事業付随収入じゃないんだ!

と感じましたね。

 

この辺りもちょっと税理士会は何とか

した方が良いと思います。

 

因みに、税理士が後見人として行った

本人(被後見人)の税務申告も

 

成年後見人報酬となりますので、

付与報酬になりますので、自分で決めて

それをもらうことはできません。

 

まとめ

本日入れて後2日間の研修があります。

あと12時間残っているわけです。

 

スケジュール的にはかなりキツキツで

やっている印象があります。

 

3日間の連続ではなく、毎週開催など

もうちょっと余裕がある研修が良いと

私は思っています。

 

アンケートがあるので書いてこようと

思っています。

 

また、いろいろ詰め込んだ講義もしない

方が良いと思うのです。

 

予算があることは知っていますが、

1日目の最後の駒の熊谷教授の範囲は

ちょっと詰め込みすぎでした。

 

講義時間内に終了しなかったことが

その証左です。

 

 


編集後記

今日は研修2日目ですが、

終わったらバンド練習です。

 

私のスケジュールもハードです。

しかも今日は雨が降るようで・・・

 

 

では国際税務の税理士齋藤でした~
それではまた👍

 

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この記事は、その時の状況、心情で書いています。
また、法令に関しては、その後改正された場合には、
異なる取り扱いになる可能性があります。

 

 




ABOUT US
齋藤 幸生税理士・行政書士・経営革新等支援機関・ブロガー
都内税理士事務所にて7年間の勤務後独立。 2017年に税理士として独立後は建設業、フォワーディング業、IT業に特化した税務を行っています。また財務支援として資金繰り支援(会社の資金繰りと資金調達支援)を行っています。行政書士としては建設業許可、利用貨物運送事業の許可業務に特化しております。