【フィンテックと給料の前払】月給制はいつなくなってもおかしくない!でも法律は後手になっていることに注意!




送金業務の難しさよ・・・

フィンテックと給料の前払

フィンテックと給料の前払が拡大しています。

 

どういったことかというと、

働いた分だけすぐに現金を受け取れる!

というサービスが拡大しているのです。

 

イメージとしては、

①会社は勤怠データを業者へ送信

②従業員は業者へ前払を申請

③業者が従業員の口座へ送金

 

どういったところがフィンテックなのかですが、

フィンテックとはITと金融の融合です。

 

この場合だと、勤怠データはITにより集約され、

そのデータにより給料を自動計算し、

それを銀行等から金融サービスで出金

という流れでフィンテックと給料の前払が

構築されています。

 

給料の前払は、急な出金があったとしても

従業員は借入や消費者ローンに頼らずに

給料として現金をもらうことができる

というスキームなのです。

 

日経の記事によれば、

前払を導入しているのは700社、

月間の利用は10万件を超えるとのこと。

 

どのような業種や従業員から要望があるのかは

学生や外国人が現金で欲しいそうで、

非正規従業員にも拡大しているようです。

 

また、給料の前払サービス導入後に

求人応募者が導入前と比べて、

3倍になったケースもあったようです。

 

月給制はいつなくなってもおかしくない

この記事を読んで私が思ったことは、

もはや月給制はいつなくなっても

おかしくはないシステムだということです。

 

勘違いしてほしくないのは、

月給制というシステムがなくなる

ということではないです。

 

月給で一括でお金をもらうシステムを

給料の前払が崩壊させるということです。

それに拍車をかけているのが、

フィンテックということなのです。

 

どういうことかというと、

企業ではすでに給料の前払は

商慣行として行われてきています。

 

 

例えば、建設業界です。

現場を転々とする大工は、

宿舎、家具が必要となります。

 

その中で、お金がない場合には

属している会社から前渡しでお金をもらい

それを月給の支払い時に相殺ということが

商慣行として行われてきました。

 

この相殺については、お互いの承諾がないと

無効とされると取引となります。

 

それが今は、他の業界にも波及、

ITで勤怠管理が楽に、

給料計算も自動ででき、

後はお金を振り込むだけとなっています。

 

つまり、勤怠管理と給料計算のコストが

下がっているので、給料の前払の敷居が

低くなってきているということなのです。

 

それが、昨今の若者や外国人、

非正規の考えとマッチして、

企業もやりやすくなったのだと思われます。

 

ただ、社会保険や源泉所得税の徴収については

月給を原則としているので月給という考えと

そのシステムが残ることになります。

 

法整備が後手になっている現実

ただ、現状では問題点も指摘されています。

法律が後手に回り、脱法行為をしている

業者も出始めているということなのです。

 

まず問題となる行為としては、

銀行等以外の無登録者が、

手数料をもらって給料の前払をしているケース。

 

この場合に、給料を業者が立替えて

手数料を取るという行為は、

銀行業しかできない貸付となる可能性があります。

 

また、給料という点でも問題があります。

労働基準法による給料とは、

 

通貨で直接に労働者に全額毎月一回以上

期日を決めて支払うもの

 

とされているので、

給料の前払という認識自体は、

労使ともに持っていても、

本当に給料なの?

貸付では?と疑問が出てきてしまいます。

 

まとめると、

送金業者と労使間の2つの問題点があり、

双方とも法整備が追い付いていない

現状があるのです。

 

ですから、今後の法整備のによっては、

まずは送金業社の事業に影響がある

法整備が行われることがありますし、

 

労使間では、金利ゼロの貸付とみなした

法整備が行われる可能性があります。

 

もし貸付とみなされた場合には、

お互いの承諾がないと、

給料を全額従業員へ支払ったのち、

 

前払の給料相当を返してもらう

という不都合が出てきてしまいます。

 

フィンテックの進化が世の中を動かしている

他にもフィンテックの進化によって、

お金の流動性を加速させているものがあります。

 

例えば、最大2万円までスマホのアプリ上から

プリペイドカードにチャージできるシステムも

存在しています。

 

ただ、法律的には注意点があって、

2か月以内の後払いでプリペイドカードの

残高を購入する取引に分類されるようで、

貸金業の上限金利の適用を受けないようです。

 

つまり、以前はやったグレーゾーン金利で

過払い請求の対象となった部分が適用されず、

より借入を促進する可能性がある取引のようです。

 

お金の流動性が上がることは歓迎しますが、

誰かが困ってしまうようなシステムや

ややこしい法律は何とかしてほしいと思います。

 

最終的には自己責任ではありますが、

それでも、消費者を守る法整備は必要で、

その中でみんながハッピーになれる

進化をしてほしいと思います。

 

 


編集後記

今日は東京は台風一過のようですが、

事務処理が残っているのでかたずけて

行きたいと思っています。

 

要するに引きこもりです。

後はバンドの動画を何とかしたいと

思っているんですが、そこまで

手が回りません。

今日は本腰を入れてやろうと思います。

 

 

 

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この記事は、その時の状況、心情で書いています。
また、法令に関しては、その後改正された場合には、
異なる取り扱いになる可能性があります。

 

 




ABOUT US
齋藤 幸生税理士・行政書士・経営革新等支援機関・ブロガー
都内税理士事務所にて7年間の勤務後独立。 2017年に税理士として独立後は建設業、フォワーディング業、IT業に特化した税務を行っています。また財務支援として資金繰り支援(会社の資金繰りと資金調達支援)を行っています。行政書士としては建設業許可、利用貨物運送事業の許可業務に特化しております。