不服申立前置主義と税務争訟の関係




夜に出かけると悪いことをしてるような
気持ちになります。自分だけかな(笑)

不服申立前置主義と税務争訟の関係

税務争訟までたどりつくには、前提として、
不服申立の後でなければ、提起することが
できないとする法律があるので、不服申立
後に訴訟手続きをすることになります。

上記のことを不服申立前置主義といいます。

現在ですと、税務署長からの課税処分に
異議があって国側と争うということに
なると、処分から3ヶ月以内に再審査請求
又は国税不服審判所に審査請求すること
なります。

 

ただ、再審査請求しても税務署長自身が
行った処分が覆ることはありませんから
現実的には、直接国税不服審判所へ審査
請求をすることが手間がなくていいです。

国税不服審判所の決済でも納税者の主張
が通らなかった場合には、裁決から6ヶ月
以内に訴訟手続きをしませんと税務争訟
をすることができません。

また、不服申立を経てからでないと訴訟
ができないという法律となっていますので、
納税者が異議のある部分すべての処分と
課税期間の不服を申し立てませんと、
訴訟では却下されてしまいます。

 

ですから、例えば、青色申告取消処分と
それに伴う課税処分がされた場合には、
取消しの無効と課税処分の無効の両方の
不服申し立てをしなければならないこと
になりますので、注意が必要です!

 

不服申立とは?

不服申立とは、訴訟の前段階の納税者の
救済手続きになります。

つまり、課税当局が行った課税処分に
納税者が不服があるときは、不服を
申し立てることで、その課税処分が
妥当なのかを国税不服審判所が判断
するということです。

 

この不服申立てで心配になるのは、
課税処分以上の処分がされるのでは?
ということです。

どういうことかというと、審査請求では
担当審判官は、納税者の帳簿等を検査する
ことができるのです。

もし、この検査にて新たな課税処分の
部分が見つかった場合には、その課税処分
が追加でされるのは?という疑問です。

ですが、心配はいりません。
国税不服審判所は課税処分の変更をできます
が、国税通則法98条3項にて請求人の不利益に
その処分を変更することはできないとの
規定があります。

当然に、争っている
部分の範囲内でしか裁決できないです。

 

加えて、課税処分に不服があるので申立てる
訳なので、その部分の納税はしなくとも良いか
という疑問があります。

それは、原則できません。
国税通則法105条1項にて処分の執行と手続きを
妨げないと規定されているからです。

ただし担保を提供するといった行為を行わない
と納税猶予は認められないないため、一般的に
納税を行ってもらうことになります。

 

税務争訟とは?

税務争訟とは、上記の不服申立ての決済が
納税者の異議に沿ったものでない場合に、
納税者ができる訴訟手続となります。

手続としては、行政事件訴訟法といった
法律に沿って行うこととなります。

一般的には、取消訴訟になります。
というのは、課税処分という行政処分が
違法であることを理由にその処分の取消し
を求める訴訟になるからです。

 

ですから、訴訟になるのかもしれない前提
であれば、争う課税処分のすべてについて、
不服申立てを行う必要があります。

税務訴訟では、国側の代理人として・・
訟務検事(刑事事件で出てくる検事と一緒です)

訟務官(法務局の職員)

国税訟務官(国税局の職員)

という3人と対峙することになります。

 

ここからは、通常の税理士は関与できません。
弁護士が引き継いで訴訟を行うことになります。

税理士が法廷に立つ場合には、税務補佐人に
なっていなければなりませんので、税務補佐人
になっている税理士と弁護士がタッグを組んで
訴訟代理をするということになります。

 

まとめ

不服申立前置主義があるので、訴訟まで考えて
いる場合には、課税庁が行ったすべての処分に
ついて不服申立てする必要があります!

不服申立ては最初の処分以上の処分はされません
が、課税庁の処分に関する納税は必要です。
この点は考慮に入れておく必要があります!

税務争訟まで行くと税理士が関与できなくなる
場合があるので、税法に明るい弁護士が必要な
ときが来るかもしれません。
税務補佐人であれば弁護士と一緒に法廷に
出ることができます。

注意すべき点は、弁護士に依頼できない場合の
少額の訴訟です。
この場合には、税務補佐人と言えども、法廷に
出ることが制度上できません。

弁護士と一緒でないと税務補佐人として
法廷出ることができない制度だからです。

その場合には、裁判長が気を利かせてラウンド
法廷にしてくれる場合もあるかもしれません。

その時に裁判官との交渉次第では、税務補佐人
である税理士も同席できる可能性があるようです。


編集後記

昨日は、メアリと魔法の花を見てきました!

前のジブリに戻っていっているような感じが
したのですが、どうなんでしょうかね?

研究するように見ていたわけではないのですが
とりあえず楽しめる映画だったなと思います!

夏は週ごとに新作の映画が上映されるので
できる限り見てみたいと思います。

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ABOUT US
齋藤 幸生税理士・行政書士・経営革新等支援機関・ブロガー
都内税理士事務所にて7年間の勤務後独立。 2017年に税理士として独立後は建設業、フォワーディング業、IT業に特化した税務を行っています。また財務支援として資金繰り支援(会社の資金繰りと資金調達支援)を行っています。行政書士としては建設業許可、利用貨物運送事業の許可業務に特化しております。