消費税の仕入税額控除を受けるには要件がありますよ!!




今回は仕入税額控除の要件について紹介いたします。

★仕入税額控除ってなに??

仕入税額控除とは、消費税の納付額・還付額の計算上、収入に対する消費税から控除する経費に対する消費税のことを言います。この仕入税額控除は一定の要件のもと控除が認められます。

仮に、要件を満たしていない場合には仕入税額控除が受けられないことになり、還付が納付に、納付額の増加になるというとんでもないことが起こる可能性があります!!

 

ですが、要件に従って仕入税額控除を受ければ仕入税額控除がなかったものとされることはございませんので、要件がどんなものなのかを知っておくことが有益なことだと思います。

 

★仕入税額控除の要件

仕入税額控除を受けるためには、帳簿や請求書等の保存をしておくということになります。

簡単なことですよね?

 

加えて保存期間がありますので、確認してみたいと思います。

保存期間は、帳簿・請求書等を整理し、7年間保存しなければなりません。

余談ではありますが、このブログを書いている現在で法人税では9年間保存義務があります。

それで、現実問題としては、消費税法の中に帳簿や請求書等といった内容まで事細かに書いてあるわけではありません。

 

また、税務調査時にどのような資料を提示すればよいのかといったことも明示されていませんので、実務上、よくわからない状況となってしまいます。

ちなみに、帳簿の記載内容について国税庁のタックスアンサーがあります。

http://www.nta.go.jp/taxanswer/shohi/6497.htm

上記サイトにて、帳簿への記載方法などが書いてありますので、参考になります。

 

★税務調査時の対応はどうすればよい?

先日受けた税務調査時の時のことを少し、お話しさせてください。

その税務調査では請求書はなく、請求明細書なるものが存在して処理を行っていました。

その場合には、実は消費税法で定めている請求書には該当しないことになりますので、仕入税額控除が受けられないという判断を調査官がしたようで、不正還付に関する調査として協力していただけませんか?といったことを言われました。

税理士としては思うところや突っ込みがいろいろあるのですが、それはおいておくことにしまして・・・

 

そこで、上記のタックスアンサーの出番です。

このタックスアンサーの5で仕入税額控除の要件としての帳簿代用書類の保存の可否という部分があります。この部分の【ただ】以降に、帳簿代用資料のうち、課税仕入れの相手方から受け取ったものは通常【請求書等】に該当すると考えられますから、申告時にその書類を個々に確認することなく仕入税額控除額を計算できる程度に課税仕入れに関する法定事項が帳簿に記載されていれば、その書類と帳簿を保存することで仕入税額控除の要件を満たすことになります。

という部分を説明したところ、不正還付ということも言われなくなりました。

 

特に調査の場面では、調査官がすべてのことを知っているわけではありませんのでこういった国税庁が一般向けに出しているタックスアンサーも知らないことがあります。

こういったものも反論材料となりますので、いろいろ調べてみる価値はあります。

 

★税務判断の注意点として・・・

上記のように、帳簿や請求書等の保存が必要なわけなのですが、1年に何百回、何千回とある仕入や経費の処理についてすべてを完璧にできるのか?という問題が生じます。納税者の立場からすれば、私が思うに、税務調査時に説明できる状態であればいいのではないかと思っております。

 

そこで、過去の最高裁の判例では、「税務職員による検査に当たって適時に帳簿や請求書等を提示することが可能なように態勢を整えて保存していなかった場合は、【事業者がその課税期間の課税仕入れ等の税額の控除に係る帳簿又は請求書等を保存しな場合】に当たり、事業者が災害その他やむをえない事情によりその保存をすることができなかったことを証明しない限り、その保存がない課税仕入れに係る課税仕入れ等の税額については、適用されないものというべきである」となっています。

ですから、税務調査時に処理に関する資料の提示さえ行っていれば問題ないよ!ということのようです。

 

納税者においては、資料を提示できないかったことに関して相応の理由はあるかと思いますが、提示できないと困る状況となりますので、資料のすべてにおいて完璧にするのではなく、適用ができる程度に資料の確認と保存、整理を行っていただければいいかなと思います。

 

 

 

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編集後記

 

あと1週間で退職となります!!

ただ、来週早々に税務調査が控えておりますので、調査立会になります。

どうなるのかわかりませんが、論点を絞って後任の方に

無事に引き継げたらいいなと思います。




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齋藤 幸生税理士・行政書士・経営革新等支援機関・ブロガー
都内税理士事務所にて7年間の勤務後独立。 2017年に税理士として独立後は建設業、フォワーディング業、IT業に特化した税務を行っています。また財務支援として資金繰り支援(会社の資金繰りと資金調達支援)を行っています。行政書士としては建設業許可、利用貨物運送事業の許可業務に特化しております。