【令和5事務年度の調査等】所得税及び消費税の調査等の状況を税理士が解説

税務調査 状況




【令和5年事務年度の調査等】所得税及び消費税の調査等の状況を税理士が解説

こんにちは!

 

税理士・行政書士・社会保険労務

の齋藤幸生です!

 

今回は・・・

国税庁から公表された令和5事務年度

調査等の状況について解説します。

 

それでは、スタートです!!

 

所得税の調査等の状況

国税庁は令和6年11月29日に

個人の調査等の状況を公表しました。

 

令和5事務年度とは

令和5年7月~令和6年6月までの期間

になります。

 

今回から調査対象を選ぶのに

AIを活用するなどをしたようです。

 

これにより実地調査とよばれる

現地に行って行う調査の件数

 

非違件数、追徴課税の総額と

1件当たりの追徴税額は増加した

ようです。

 

簡易な接触という調査手法があります。

これは税務署に納税者を呼び出すなど

して内容を確認する実質的な調査です。

 

こちらにおいても申告漏れの総額

1件当たりの申告漏れの金額は

増加したようです。

 

実地調査における申告漏れなどの

非違件数の割合は次のようになります。

実地調査件数が47,528件、非違件数が40,131件であったので84.43%になります。

 

この割合は税務調査が10件あった

場合には少なくとも8件で何かしら

の申告漏れなどの非違が発見された

ということです。

 

簡易な接触と非違の割合をだすと

簡易な接触では557,549件あり、非違件数は271,133件になっているので46.94%です。

 

簡易な接触があった場合には

50%弱で申告漏れなどの非違が

発見されたことになります。

 

所得税では還付を目的にした

申告も行われています。

 

このうち不正な還付申告書を作成し

不正還付を受けたものに対しても

調査が行われています。

 

今回は597件について課税処理を行い

1件当たりの追徴税額は107万円でした。

 

所得税の還付は売上について

源泉徴収されるような事業者が

行われます。

 

例えば、経営コンサルタント業や

会社員が副業で行っているとした

事業です。

 

売上を抜くとか、副業の所得を

わざと赤字にするといった手法で

所得税を低く計算して

 

源泉徴収で還付される金額を

多く還付してもらうといった手法

があると考えます。

 

今回、申告漏れとなった所得

つまり、申告漏れになった税法上

の利益が大きかったのは

以下の業種です。

 

上位5位まで確認します

①経営コンサルタント

②ホステス、ホスト

③コンテンツ配信

④くず金卸売業

⑤ブリーダー

 

上記のうち令和4事務年度では

経営コンサルタントは1位で

 

くず金卸売業が2位、ブリーダーは3位

となっています。

 

前年の上位3位までになっている

事業者は今回も狙われたと言えます。

 

近年、経営コンサルタントは

令和3事務年度から3年連続で

1位を獲得しています。

 

おそらくコロナやほかの助成金

などのアドバイス業務にて

 

儲けているのだと推察しますが

会計処理や税法にもある程度

精通しているので悪質なのかなと

思います。

 

個人事業者の消費税の調査等の状況

次に消費税についても確認して

みたいと思います。

 

先ほどと同様に実地調査に占める

非違件数の割合は次の通りです。

実地調査件数は26,576件、非違件数は22,014件で82.83%でした。

 

所得税と同じく実地調査になると

8割の確率で何かしらの非違が生じ

申告漏れなどを指摘されることになります。

 

簡易な接触と非違件数の割合は

次の通りです。

簡易な接触は93,919件、非違件数は55,533件で59.12%でした

 

所得税と比べると10%ほど

高くなります。

 

つまり、所得税とかぶっていない

消費税だけで指摘されたものが

10%くらいあると考えられます。

 

おそらく、仕入税額控除ができない

ものを仕入税額控除していて

 

それが指摘されるといった

ことなのだと思います。

 

 

消費税では無申告者に対する

調査も行われており

 

追徴税額と1件当たりの追徴税額が

過去最大なのだそうです。

 

一応、無申告についても実地調査と

簡易な接触はされています。

 

所得税とは異なる割合がでたのは

無申告者が貢献した部分もあるわけです。

 

今回は7,827件調査等が行われて

1件当たりの追徴税額は274万円

だったようです。

 

消費税は税額計算をする仕組み

のため無申告で3年分とか

泳がされると1年間に100万円くらい

たまることがあります。

 

泳がされてためられて一気に

消費税をお支払いくださいと

なるので無申告はやめた方が

よいと考えます。

 

 

国税庁が強化している調査対象とは?

毎年のことになりますが

国税庁が強化している調査対象は

①富裕層

②海外投資等

③ネット取引

④無申告者

⑤不正還付

になります。

 

上記のうち普通の人でも

あり得るものとしてネット取引

について確認します。

 

ネット取引ではシェアリングエコノミー

仮想通貨といった取引を調査しています。

 

仮想通貨では1件当たりの追徴課税は

全体の2.4倍になっているらしく

次のようになっています。

 

・調査件数 535件

・非違件数 491件

・申告漏れの所得(総額) 126億円

・追徴税額(総額) 35億円

・1件当たりの申告漏れ所得 2,356万円

・1件当たりの追徴税額 662万円

 

令和4事務年度よりも下がっている

傾向はあります。

 

1件当たりは総額部分を調査件数で

割った金額なのですべての人が

1件当たりの追徴税額になっている

わけではありません。

 

仮想通貨は取引が国税庁に把握

されなかったとしても

 

あなたの銀行口座に海外から

お金が振り込まれたり

 

国税庁が感知できる仮想通貨

業者から提出される取引履歴を

を通じて取引があったことが

明るみになるケースがあり得ます。

 

仮想通貨の場合は通常のお金に

換金してしまうと課税される

特性をもっていることから

 

ほぼ経費なしで課税される

ことになるので申告漏れがあると

大変なことになります。

 

 


編集後記

いつも申し上げることなのですが

国税庁は国税の調査が担当です。

 

地方税は市区町村の管轄になり

市区町村が調査をします。

 

しかし、個人住民税の調査は

ほぼ行われません。

 

理由は、所得税の申告漏れが

発見された時点で住民税も

自動的に申告漏れになり

 

住民税でも追徴課税が発生する

ことになるからです。

 

申告漏れになり追徴税額が

発生しているということは

 

所得税で確定申告書の提出を

しているため、そのデータが

 

あなたのお住いの市区町村に行き

住民税は計算されてあとで

 

住民税のお支払いをお願いします

という書類と納付書が送られてきます。

 

住民税も合わせるとかなりの

納付額になるので申告漏れや

 

無申告というのはなしにした

方が金銭的、精神的に良いと

思います。

 

 

では税理士・行政書士・社会保険労務士

の齋藤幸生でした!!

 

それでは、また!

 

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この記事は、その時の状況、心情で書いています。
また、法令に関しては、その後改正された場合には、
異なる取り扱いになる可能性があります。

 

 




ABOUT US
齋藤 幸生税理士・行政書士・経営革新等支援機関・ブロガー
都内税理士事務所にて7年間の勤務後独立。 2017年に税理士として独立後は建設業、フォワーディング業、IT業に特化した税務を行っています。また財務支援として資金繰り支援(会社の資金繰りと資金調達支援)を行っています。行政書士としては建設業許可、利用貨物運送事業の許可業務に特化しております。