【個人の青色申告取り消し事由】青色申告承認申請書だけ提出すればOKではない

青色申告 個人




【個人の青色申告取り消し事由】青色申告承認申請書だけ提出すればOKではない

こんにちは!

 

税理士・行政書士・社会保険労務

の齋藤幸生です!

 

今回は・・・

国税庁が行う青色申告取り消し

事由について解説します。

 

それでは、スタートです!!

 

青色申告取り消しの事由は原則3つある

①帳簿書類を提示しない場合

②税務署長の指示に従わない場合

③隠ぺい又は仮装の場合等

以上が原則的な取り消し事由

になっています。

 

こういった取り消し事由は

国税庁の事務運営指針として

公表されています。

 

さて、上記を現実で起こることに

当てはめて考えてみます。

 

帳簿を提示しない場合とは

税務調査のときに調査に来た

税務署の担当者に帳簿資料を

見せないことです。

 

青色申告の要件として帳簿書類

の保存があるのですが

 

こちらについては単に物理的な

帳簿があって保存するだけでなく

税務調査などのときに

 

税務署の担当者に帳簿書類を

見せることも含むと国税庁は

解釈しています。

 

そもそも、税務調査などでは取引

を確認するために税務署の担当者が

来るため帳簿書類が保存されている

ことは前提として

 

帳簿書類を見せないと調査に

ならないからですね。

 

税務署長の指示に従わない場合とは

青色申告をしていて作成している帳簿に対して、何かしらの必要がある場合には税務署長は帳簿書類に対して必要な指示をすることができる

とされています。

 

実務上でであったことはないので

私見になりますが

 

税務調査で帳簿を全く見せない

納税者がいた場合の最終手段として

税務署長名義による帳簿の開示を

指示するなどがあると考えられます。

 

隠ぺい又は仮装はわかりやすく

申し上げると脱税レベルのことを

していたときです。

 

隠ぺい又は仮装に近い状態として

例示されている1つを紹介すると

帳簿資料への記載等が不十分である等のため、推計課税による方法でないと適正な税額計算ができない状況であること

があります。

 

前提として帳簿には内容を書く

摘要欄があります。

 

こちらに何も書いておらず

日にちと金額のみが計上されて

 

こちらに対応するレシートなど

の証憑がないといった場合で

あったとしても税務署がいきなり

 

あなたの税金は○○万円と

推計で計算できません。

 

推計で計算するためには一度

青色申告を取り消しして白色申告

にする必要があるため

 

このような考え方が国税庁のサイト

で公表されていると考えられます。

 

 

個別事由と電子帳簿保存法による取り消し事由

上記で紹介した3つのいずれか

に該当するような場合には

青色申告を取り消します!!

となるのですが

 

現実は納税者の状況などもあり

画一的な処理をしてしまうと

 

納税者の権利を侵害する

結果になります。

 

こうしたことからもう少し

具体的な事実が出てきたときに

青色申告を取り消します!

という考え方があります。

相当の事情がある場合の個別的な取り扱い

 

次のようなことが想定されます。

①税務調査では何ら問題なく帳簿書類の提示があり進んでいた

②ある取引から少しおかしな金額の動きが発見できたが提示された帳簿に書かれていなかった

③いろいろと取引内容や事実を確認しているとどうやら経費を水増しして過少申告をずっとやっていた

というようなことです。

 

このような事実が確定して

これは青色申告の承認を与える

人としては不十分だ!と

 

判断された場合には

青色申告を取り消しますという

ことです。

 

上記以外にも二重帳簿を作成して

いた事実が発覚したなどの場合にも

同様の処理が行われる可能性があります。

 

 

では、電子帳簿保存法と青色申告

の取り消し事由について解説します。

 

電子帳簿保存法のうちデータ保存は

令和6年1月1日の取引から義務化

されているところです。

 

データ保存には要件があって

①改ざん防止

②日付・取引先名・金額の2以上で検索できるようにしておくこと

③ディスプレイやプリンターなどの備え付け

があります。

 

こういった要件に従って

いない場合には青色申告を

取り消しますというものです。

 

個人を考えると令和6年度分

の調査は早くても令和7年以降

に行われるため

 

本ブログ記事の執筆時の

令和6年9月12日では

まだ実務上で運用されてはいません。

 

これに対しては要件に従っていない

というだけの画一的な判断ではなく

 

今後の改善可能性等を総合勘案の上、真に青色申告を提出するにふさわしいと認められるどうかを検討してから青色申告の取り消しを適用する

ことになっています。

 

 

青色申告取り消しにならないための対処法

以上を読んでいただけると

取り消し事由に該当しないよう

に対象すれば問題ないと考える

ことができます。

 

例えば、二重帳簿を作成していても

税務調査などでバレなければ問題が

ないように考える人がいそうです。

 

基本的な対応指針としては

①取引が発生した書類(請求書、レシート、契約書など)は保存する

②①を基に帳簿を作成して保存する

③売上は隠さず、申告対象にする

④個人的な経費を入れて水増ししない

⑤二重帳簿を作らない

になると考えています。

 

そもそも二重帳簿を作成する

ような場合は見せることができない

裏のお金があるためつけている

と思います。

 

例えば、不正に得た収益を確認

するために作成するとかです。

 

税金の課税対象は正当な収入

だけではなく不正に得た収入も

課税対象になります。

 

とどつまり

不正はダメ絶対!!

なのです。

 

 


編集後記

青色申告が取り消しされると

結構大変なことになります。

 

青色申告では青色申告特別控除

を適用するわけなのですが

 

こちらがなくなるため

青色申告特別控除×所得税率分

所得税が増えます。

 

これが最低3年分にわたるため

仮に青色申告特別控除が65万円

税率20%だとしたら

 

1年間に13万円×3=39万円

追加で納税になります。

 

これを一括金銭納付になるので

かなりの出費になりますね。

 

 

では税理士・行政書士・社会保険労務士

の齋藤幸生でした!!

 

それでは、また!

 

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この記事は、その時の状況、心情で書いています。
また、法令に関しては、その後改正された場合には、
異なる取り扱いになる可能性があります。

 

 




ABOUT US
齋藤 幸生税理士・行政書士・経営革新等支援機関・ブロガー
都内税理士事務所にて7年間の勤務後独立。 2017年に税理士として独立後は建設業、フォワーディング業、IT業に特化した税務を行っています。また財務支援として資金繰り支援(会社の資金繰りと資金調達支援)を行っています。行政書士としては建設業許可、利用貨物運送事業の許可業務に特化しております。