【キャリアアップ助成金】令和6年度版の基礎を社労士が解説

助成金 厚生労働省




【キャリアアップ助成金】令和6年度版の基礎を社労士が解説

こんにちは!

 

税理士・行政書士・社会保険労務

の齋藤幸生です!

 

今回は・・・

令和6年度版のキャリアアップ助成金

の基礎を解説します。

 

中小企業を前提にするため

大企業は省略します。

 

それでは、スタートです!!

 

キャリアアップ助成金とは

正社員化、処遇改善の取組をした事業主に対して助成される制度

になります。

 

大きな区分けとして

・正社員化支援

・処遇改善支援

の2つがありそれぞれ次の

ように分かれています。

 

正社員化支援

・正社員化コース
→有期雇用を無期雇用に転換すること

・障害者正社員化コース
→有期雇用の障害者を無期雇用に転換すること

 

処遇改善支援

・賃金規定等改定コース
→有期雇用者の賃金規定等を改定して3%以上増額

・賃金規定等共通化コース
→有期雇用と無期雇用の共通の賃金規定等を新たに規定・適用

・賞与、退職金制度導入コース
→有期雇用者を対象に賞与又は退職金制度を導入し、支給又は積み立てを実施

・社会保険適用時処遇改善コース(令和8年3月31日まで)
→有期雇用者を新たに社会保険に加入させて、収入を増加させる又は週所定労働時間を延長し、社会保険に適用させる

 

助成金の金額は主に次の

ようになっています。

正社員化前雇用形態 有期雇用労働者
助成金の金額 80万円(40万円×2期)

上記には加算額があり

 

措置内容によって加算額が

最大40万円まで上乗せになる

ことがあります。

 

賃金規定等改定コース

賃金引き上げ率 3%以上5%未満 5%以上
助成金の金額 5万円 6.5万円

 

賃金規定等共通化コース

助成金の金額 60万円

 

賞与、退職金制度導入コース

導入制度 賞与又は退職金を導入 賞与と退職金を導入
助成金の金額 40万円 56.8万円

 

社会保険適用時処遇改善コース

で手当等を支給した場合

取組年度 1年目 2年目 3年目
助成金の金額 40万円(10万円×4期) 10万円

 

労働時間を延長した場合

延長時間 4時間以上 3時間以上4時間未満 2時間以上3時間未満 1時間以上2時間未満
賃金引き上げ率 なし 5%以上 10%以上 15%以上
助成金の金額 30万円

 

労働時間を延長した場合は

延長した労働時間によって

 

賃金を引き上げる率が決まる

ことがポイントです。

 

 

申請までの流れ(電子申請についても)

申請前での検討事項はどの

コースを会社で行うのかを

決めることになります。

 

正社員化また処遇改善なのか

両方とも行うのかなどを決めます。

 

次にキャリアアップ計画の作成

と提出をします。

 

キャリアアップ計画の提出を

しないと支給申請ができませんので

必ず作成と提出を行います。

 

正社員化コースでは就業規則等に

正社員への転換規定がない場合

 

就業規則等に正社員への転換規定

を新たに設けることになります。

 

各制度ごとに6か月の賃金の

支払を行って支給申請をします。

 

申請期限は取組後6か月の賃金

を支払った日の翌日から起算して

2か月以内です。

 

 

次にキャリアアップ助成金を

電子申請する流れを確認します。

 

確認の前に注意点です。

すでに紙でキャリアアップ計画を

提出して取組をしている場合は

その後、電子申請はできません。

 

言い換えると、電子申請の場合は

最初から最後まで電子申請をする

ことになります。

 

それでは、流れを確認します。

①GビズIDの取得をする
→IDの取得申請後1か月程度で使えることになります。ただし、取得申請をする時期によってはもっと時間がかかることがあります。

②GビズID取得後はログインして事業所情報が正しいかどうかを確認します。

③雇用関係助成金ポータルサイトに行ってGビズIDでログインします。
→雇用保険番号の入力があるため、事前に番号を用意しておく、事業所情報も入力する

④画面上部の助成金を探すをクリック後、キャリアアップ助成金と検索

⑤取り組みを予定しているコースのキャリアアップ計画を電子申請で作成し提出

⑥⑤の計画の認定を確認後、計画したコースの取組を実施

⑦6か月分の給与を支給後、雇用関係助成金ポータルサイトにアクセス

⑧画面上部のマイページ内の申請一覧からキャリアアップ計画の行の右側にある支給状況詳細をクリック

⑨支給申請書の新規作成をクリックして、フォームに沿って内容を入力

⑩添付資料をアップロードして申請

 

電子申請では必ず、GビズIDを

取得しないとできません。

 

GビズIDを取得していない場合には

GビズIDの取得を行うことになります。

 

GビズIDはフォームの沿って

取得申請書を作成し

 

印鑑証明書と実印を押印して

取得することになります。

 

雇用関係助成金ポータルサイト

は雇用保険関係の助成金を

電子申請するためのサイトです。

 

電子申請するためにはこちらの

サイトで最初から最後まで手続きを

行うことになります。

 

電子申請では以下の内容は

記載省略になります。

・事業主名

・住所

・雇用保険適用事業所番号

・労働保険番号

・主たる事業

・従業員数

 

電子申請のメリットは記載省略

になることや

 

すべてネットでの入力で完結する

ということになります。

 

 

キャリアアップ助成金の税金計算上の取り扱い

キャリアアップ助成金の支給を

してもらった場合の税金計算上

の取り扱いを確認します。

 

所得税と法人税ではそれぞれ

収入になります。

 

具体的には所得税や法人税の

会計処理で雑収入に計上します。

 

つまり、所得税と法人税の課税対象

になります。

 

一方、消費税の課税事業者になっている

場合では助成金は単なる収入になるため

消費税の課税対象にはなりません。

 

この点、一般的な会計ソフトで

雑収入に計上すると

 

課税売上10%の消費税の税区分

になっているので

 

消費税の税区分は対象外に修正

しておかないと消費税の課税対象に

なるため損をします。

 

 


編集後記

キャリアアップ助成金で支給される

金額を確認するとわかりますが

 

会社が従業員へ支給する給与の

一部負担としての性質になります。

 

このことからキャリアアップ助成金

をもらっている会社が賃上げ促進税制

の適用を受ける場合には

 

キャリアアップ助成金は

給与等に充てるため他の者から

支払を受ける金額になり

 

給与等から控除する助成金の

対象になります。

 

賃上げ促進税制の計算上で

キャリアアップ助成金を差し引く

ようにしておかないと

 

税額控除の金額を間違って申告する

ことになります。

 

 

では税理士・行政書士・社会保険労務士

の齋藤幸生でした!!

 

それでは、また!

 

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この記事は、その時の状況、心情で書いています。
また、法令に関しては、その後改正された場合には、
異なる取り扱いになる可能性があります。

 

 




ABOUT US
齋藤 幸生税理士・行政書士・経営革新等支援機関・ブロガー
都内税理士事務所にて7年間の勤務後独立。 2017年に税理士として独立後は建設業、フォワーディング業、IT業に特化した税務を行っています。また財務支援として資金繰り支援(会社の資金繰りと資金調達支援)を行っています。行政書士としては建設業許可、利用貨物運送事業の許可業務に特化しております。