【資金繰り】会社が最低限守るべきお金の使い方は貸付金をしないこと
こんにちは!
税理士・行政書士・社会保険労務
の齋藤幸生です!
今回は・・・
資金繰りのための銀行融資では
貸付金をしないことについて
解説した記事です。
それでは、スタートです!!
貸付金をしてはいけない理由
銀行が融資をしてくれない可能性がある
からです。
コロナ前に戻ってきた昨今
銀行融資で会社から社長へ
貸付金が行われていると
融資が不調になる可能性があります。
程度、金額は銀行によりますし
貸付金があったとしても
融資を受けられる場合はありますが
貸付金があることで要望の通りの
金額を借りることはできない可能性
があります。
銀行目線から会社の貸借対照表に
貸付金がある場合の考え方は
会社のお金を社長個人へ迂回して
お金を出していると見えます。
お金には色はついていないものの
一般的なお金の流れを考えると
銀行→会社→社長というお金の
流れが想定されます。
言ってみれば、会社を隠れ蓑にした
社長個人へ融資をしていることと
同じになります。
銀行は事業のためにお金を
貸しているのであって
社長のためにお金をしている
わけではないため
貸付金があると融資では
厳しい結果になる可能性があります。
このことから会社が守るべき
最低限のコンプライアンスは
会社は一切、貸付金をしないこと
になります。
貸付金をしてしまった場合の解消法
とはいっても貸付金が生まれて
しまう可能性があります。
貸付金の解消法は社長が
会社へお金を返済することです。
返済方法は2つあります。
①社長の個人のお金を会社へ入れて返済する方法
②社長の給与から一部天引きして返済する方法
①はわかりやすいです。
社長がお持ちのお金を会社の
銀行口座へ入れて返済します。
ただ、現実には難しいと
考えます。
そもそも、会社から社長への
貸付金が発生する前提として
社長が個人的にお金が必要で
使うお金を会社から引き出して
使っているため
社長は会社に返済する資力を
お持ちでない可能性が高いです。
結果として①は実現できない
可能性があります。
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実務上では②で対応するのが
現実的だと考えます。
やり方は簡単です。
現在の社長の給与を増加して
手取りを増やします。
増やした手取りから貸付金の
返済金額を差し引いて給与の
振込をするだけです。
これで貸付金の返済部分が
経費に落ちるような形になり
貸付金の返済もできる
一石二鳥の方法です。
デメリットは社会保険と税金が
上がることです。
しかし、会社から引き出した現金
を何に使ったのかわからない状況
を作り出したのは社長です。
このくらいのデメリットは受容
する必要があると思います。
社長の個人キャッシュフローも考えておく
以上のことから事業のキャッシュ
フローでは事業だけの資金繰りを
考えるだけでは不十分だとわかります。
結局、会社のお金が貸付金に
変わる原因は社長個人のお金が
回っていないからです。
言い換えると資金繰りを計画
するときには社長の資金繰りも
考えておくことが必要です。
例えば、社長の生活費が月に
50万円必要なのに事業を黒字に
したいがために
月給を35万円にした場合には
社会保険と税金を差し引いた
手取りは30万円前後になり
月々15万円足りない状況です。
そうすると足りない15万円を
補うために法人口座から
お金を15万円引き出して
何に使ったのかわからない
使途不明金がでます。
会計上では使途不明金のままに
しておくことはできませんから
貸付金として処理します。
これが返済されれば問題は
ないことになりますが
返済できないとすると
15万円×12か月=年180万円の
貸付金が増えていきます。
また、会社のお金が月々15万円
減りますので事業資金も減ります。
こういったお金の悪い循環に
なるため最初から社長が必要
としているお金は
月給で設定しておくことが
必要になります。
編集後記
貸付金が出てくるような会社では
資金繰り表は出てきません。
社長自身でいくら使っている
のかわからないのに
資金繰りの管理ができている
わけないのです。
資金繰りは財務の知識が必要で
営業がうまく売上をもってくる
ことができる能力とは別物です。
では税理士・行政書士・社会保険労務士
の齋藤幸生でした!!
それでは、また!
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この記事は、その時の状況、心情で書いています。
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