【令和5年分年末調整】年末調整の電子化はやらない方が良い理由

年末調整




【令和5年分年末調整】年末調整の電子化はやらない方が良い理由

こんにちは!

 

税理士・行政書士の齋藤幸生です!

 

今回は・・・

年末調整の電子化について

の記事です。

 

電子化が必ずしも効率化に

ならないため電子化するための

考え方も交えて解説します。

 

それでは、スタートです!!

 

年末調整の電子化とは?

年末調整で必要な書類をデータで完結できる方法

になります。

 

現在、国税庁では年末調整ソフト

が公表されています。

 

年末調整ソフトは毎年

アップデートされています。

 

さて、年末調整ソフトでできる

ことは

①扶養控除等異動申告書

②保険料控除申告書

③基礎控除兼配偶者控除兼所得金額調整控除申告書

の作成ができます。

 

上記の中でどうしても

外部のデータが必要なのは

①保険料関係

②住宅ローン関係

になります。

 

保険料は生命保険料控除と

地震保険料控除

 

中小企業共済等掛金控除

などになり

 

住宅ローン控除は

住宅ローンの残高証明書と

 

住宅ローン控除の計算明細書

になります。

 

これを取得するためには

年末調整を行う個人ごとに

 

マイナポータル連携にて

必要な情報を取得して

 

さらに年末調整ソフトへ

反映を行うことになります。

 

最終的に従業員ごとに

年末調整ソフトで

各種申告書を作成して

 

データを落として給与計算ソフト

に取込年末調整計算を行う

という流れです。

 

 

どうして年末調整の電子化はやめたほうがいいのか?

私が年末調整の電子化に反対

の立場にある理由は効率化に

ならないからです。

 

その理由は

①年末調整を行うすべての方が年末調整ソフトを使う必要がある

②マイナポータル連携がすべてに対応しているわけではない

③年末調整ソフトの研修をする必要がある

④年末調整ソフトのデータを取り込むことができる給与ソフトを使う必要がある

といったことがあります。

 

一般的に事業で電子化をする場合

業務効率化が目的になることが

多いと思います。

 

年末調整ソフトはオフィスソフト

とは異なり、年末調整の基礎的な

知識が必要になります。

 

その上で、年末調整ソフトの

使い方研修もする必要があります。

 

法人形態であれば社長も

年末調整ソフトを使う必要があり

 

全ての方が年末調整ソフトを

使うのかが懐疑的です。

 

 

 

マイナポータル連携はすべての

保険会社のデータに対応している

というわけではありません。

 

近年の保険会社は新たな保険を

販売する場合には既存の会社

ではなく新たに法人を立ち上げて

 

新しい保険を販売する手法が

主流になっています。

 

問題は新しい保険を販売している

保険会社がマイナポータル連携に

対応しているのかです。

 

2023年10月11日現在だと

大手保険会社は対応していますが

 

大手保険会社のグループ企業は

対応していないことが多いです。

 

同じことが住宅ローン控除でも

起こっていて

 

住宅ローン控除は住宅金融支援機構

のみが対応しています。

 

これ以外は紙媒体で年末調整

ソフトに手入力しなければ

ならなくなります。

 

また、紙だと会社へ原本を提出し

会社が保管することになります。

 

こうなると電子化されたものと

紙での場合を分けて考えて

行動しなければならなくなり

 

手数が増えると言っても

よい状況になります。

 

年末調整は性質上個人ごとに

年末調整ソフトをインストールし

使う必要があります。

 

個人情報になりますので

ある程度は個人で作成してもらう

必要もあります。

 

一般論ですがソフトを使う研修まで

してやる必要があるのか?

という疑問に適正な答えは出せない

と思います。

 

すべて紙に手書きをしてもらった

方が楽だと思います。

 

年末調整ソフトはxml形式で

作成データが出力されます。

 

給与ソフトではxmlデータを

取り込む必要があるため

 

取り込むことができるソフトを

事業主が用意することになります。

 

ここまでくると年末調整の

電子化はやらない方がまし

と判断することが多いです。

 

年末調整の電子化で効率化できる場合とは?

年末調整の電子化によって

効率化する場合には

 

給与ソフトですべて完結

できる仕組みが必要になります。

 

例えば、マネーフォワード給与や

freee給与についてはクラウド上で

各種申告書の作成が可能で

 

質問形式で金額や会社名を入力し

最後までネット上で完結できます。

 

クラウド会計の場合のデメリットは

ソフトごとに販売しているわけではなく

 

会計ソフトなどが一緒になっていて

全ての料金を支払う必要があること

になります。

 

電子化での効率とお金の

天秤になるわけです。

 

現状の手続き関係だと

電子化が手続きに合わせて

 

行われる都合上

電子化によって効率的になるのは

ちょっと先になると思います。

 

 


編集後記

私は年末調整を行う場合

すべて紙で行うことにして

います。

 

理由は、申告書の記載ミスが

多いからです。

 

ミスが起こりがちなのは

所得、保険料控除計算が

多いです。

 

ミスを訂正する必要がある

都合上、紙ベースがやりやすい

ということになります。

 

 

では税理士・行政書士の齋藤幸生でした!!

それでは、また!

 

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この記事は、その時の状況、心情で書いています。
また、法令に関しては、その後改正された場合には、
異なる取り扱いになる可能性があります。

 

 




ABOUT US
齋藤 幸生税理士・行政書士・経営革新等支援機関・ブロガー
都内税理士事務所にて7年間の勤務後独立。 2017年に税理士として独立後は建設業、フォワーディング業、IT業に特化した税務を行っています。また財務支援として資金繰り支援(会社の資金繰りと資金調達支援)を行っています。行政書士としては建設業許可、利用貨物運送事業の許可業務に特化しております。