事業所得で青色申告特別控除を適用する場合に提出する決算書の添付とは?
こんにちは!
税理士・行政書士の齋藤幸生です!
今回は・・・
青色申告特別控除とその要件の
一つである決算書について
解説した記事です。
それでは、スタートです!!
青色申告特別控除とは?
青色申告を行っている事業者が帳簿の作成などを行って適用できる特典
青色申告特別控除は
①10万円の控除
②55万円の控除
③65万円の控除
以上の3つが現行制度で
適用できます。
それぞれに要件があり
10万円の控除については
一定規模以下の事業者が現金処理(収支計算)で記帳することなどによって適用できます。
55万円の控除については
①複式簿記により記帳していること
②①に基づいて決算書を確定申告書へ添付していること
③申告期限までに申告すること
65万円については
①55万円の要件に該当していること
②以下のいずれかに該当していること
・仕訳帳や総勘定元帳について、電子帳簿保存を行っていること
又は
・電子申告を行っていること
実務的には会計ソフトで記帳し
決算書を確定申告書へ添付し
電子申告をして65万円控除にする
といったことが多いと思います。
決算書の作成と記帳との関係性
さて、青色申告特別控除を55万円
にするためには決算書の作成をして
それを確定申告書に添付して
確定申告期限までに
提出することが要件になります。
実務上で決算書を作成する
前の段階があります。
それが複式簿記による
帳簿作成になります。
複式簿記とは
借方と貸方という帳簿を作成して処理すること
になります。
例えば、売上が発生した場合
借方勘定科目 | 借方金額 | 貸方勘定科目 | 貸方金額 | 摘要 |
売掛金 | 100円 | 売上高 | 100円 | 売上 |
このような帳簿を作成する
というのが複式簿記です。
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決算書の作成は上記のような
複式簿記に基づいて作成される
必要があります。
仮に先ほどの売上高の場合で
決算書を作成すると
貸借対照表の場合
資産 | 金額 | 純資産 | 金額 |
売掛金 | 100円 | 元入金 | 100円 |
損益計算書の場合
売上高 | 100円 |
青色申告特別控除適用前所得 | 100円 |
こんな感じになります。
こういった集計や表示を
自動的に行ってくれる
というのが会計ソフトです。
決算書の添付要件を満たすには
①記帳を適正にすることと
②①に基づいた決算書を作成すること
が必須になるわけですね。
こんな決算書はダメ!絶対!
では、絶対ダメな決算書を
確認していきます。
個人の帳簿では事業主貸と
事業主借という便利な
勘定科目があります。
極論、上記の科目を使いながら
色々な処理をすることは不可能
というわけではありません。
しかし、事業主貸と事業主借
を使って調整する記帳では
損益計算書の勘定科目は処理
できるのですが
貸借対照表の勘定科目は
適切に処理できないことに
なります。
例えば、事業主貸を売上の処理で
無理やり使おうとすると
上記の売掛金が事業主貸になり
貸借対照表上だと資産に
事業主貸が残ります。
通常は売上の請求の後に
事業用口座へ売上金の入金
が起こるはずなので
その取引の記帳を飛ばして
しまうことになります。
事業用通帳も帳簿に記帳
されないことになり
申告書に表示されていない
隠し資産になります。
言い換えると事業主貸や
事業主借だけで完結させると
適切な記帳をしていない
となるわけです。
こういった記帳や処理を
わかった上で意図的にすると
最悪、青色申告が取り消される
可能性があるため
やってはいけない記帳になります。
編集後記
最後の絶対ダメな記帳の話は
極端だと思うかもしれませんが
帳簿や記帳方法がわかっている
人ほど楽をしたいためにして
しまう可能性があります。
税理士の立場として申し上げると
一般的な処理をしておけば
青色申告を取り消される
という心配はいらないのです。
では税理士・行政書士の齋藤幸生でした!!
それでは、また!
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この記事は、その時の状況、心情で書いています。
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