法人と個人事業主の違いを税理士が解説
こんにちは!
税理士・行政書士の齋藤幸生です!
今回は・・・
法人と個人事業主の違いの基礎的な
部分を解説した記事になります。
それでは、スタートです!!
代表取締役と個人事業主の違い
事業には代表者がいます。
法人の代表者は代表取締役
個人の代表者はあなた自身
になります。
事業の器として
法人(会社)という器になり
個人はあなたが器になります。
法人(会社)が事業を行いますが
個人はあなたが事業を行います。
法人は法人という器に人がいて
器に入っている人が事業を行う
という建付けになります。
個人はあなたやあなたが雇った
人が事業を行うことになります。
税務上の代表者の収入も変化します。
法人では社長がいまして
社長が代表取締役になります。
法人と代表取締役の関係は
委任契約になり
法人→代表取締役に給与支給する
ことになるため収入の種類は
給与所得になります。
個人はあなたがあなたへ給与を
支給することはできません。
ですから収入の分類は事業所得
になります。
まとめると
法人
①法人が事業を行う器になり、法人を設立した方が一般的には代表取締役になります。
②法人から代表取締役に給与が支給されるため、給与所得になります。
個人
①あなたが器になり、事業を行いますし、あなたが個人事業の代表者です。
②事業収入があなたのもとに入って来るため、事業所得になります。
個人事業主から法人になる
法人成りが行われると
個人事業から法人に事業が移り
個人事業主であるあなたは
法人の代表取締役になります。
税務上の収入は事業所得から
給与所得に変化することになります。
経費の範囲の違い
法人と個人では税務上において
経費の範囲が違います。
法人は法人として発生したり
支払うことを前提に
発生した金額や支払った金額が
すべて法人の経費になります。
個人は事業のための経費と
プライベートの経費を分けることが
現実的に無理なものがあるため
事業に関係する部分だけを
必要経費にします。
事業とプライベートを分ける
ことが無理な経費としては
賃貸において自宅兼事務所を
やっている場合の賃料、光熱費
といったものが一般的です。
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法人は一般的に事業に関する
経費であれば全部経費になります。
しかし、法人ならではの経費制限が
あります。
2つに絞って解説を行います。
①法人の役員(代表取締役など)に支払う給与や賞与の制限
②交際費の損金不算入
法人の役員に支払う給与は
原則、年に1度金額を定めて
1年間ずっと同じ金額を支給
しなければなりません。
言い換えると年の途中で役員の
給与の金額を変更できないのです。
役員への賞与も原則支給できません。
このような制限がある理由は
役員は自分の給与を自由自在に
変更することが可能です。
そうすると今年は大きな黒字が
でたので給与の金額を一気に
上げてみたり
賞与を決算月にいきなり支給したり
といったことができてしまいます。
法人は法人税を納付するわけですから
給与や賞与で経費を爆上げして
法人税の金額を意図的に下げることが
できてしまうのが国の問題点になります。
こうしたことから役員への給与や
賞与に関しては制限があります。
交際費ついても制限があります。
税務上で交際費になった経費は
年間800万円を上限に経費になります。
例えば、交際費が900万円の場合には
900-800=100万円は法人税の計算で
利益に足して法人税の課税対象に
含める計算を行います。
現実的には800万円を超える
交際費を支出することは
あまりありませんが
こういった法人独自の経費制限が
いくつか存在するため注意です。
確定申告手続きの違い
法人と個人では確定申告手続きに
違いがあります。
まずは個人の確定申告手続きを
確認してみましょう。
個人は所得税の確定申告をします。
上記で申し上げた事業所得の申告と
納付を毎年3月15日までに行うわけです。
個人の事業期間は所得税で
定められている通り
1月~12月になります。
それから消費税の納税義務者
である場合には消費税の申告と
納付も行います。
申告と納付期限は毎年3月31日
までになります。
一般的には所得税の確定申告期限
までに一緒に行うことが多いです。
対して法人の事業期間は法人を
設立したときに作成する定款で
定めることになります。
3月決算、10月決算など12か月
以内の期間であればどの月を
選択してもよいことになっています。
法人税と消費税の申告期限は
決算月の翌日から2か月以内が
原則になります。
確定申告書は所得税と異なり
法人税の確定申告書で別表
という形式で申告を行います。
かなり複雑な確定申告に
なっていますので基本的には
税理士に依頼して作成される
ことをお勧めします。
私の経験上、一人社長さんの
会社で社長さんがご自身で
申告書まで作成しているケースが
ありますが
申告書の記入ミス、決算書との
数字の不整合があるなど
税務署から連絡が入り
私のところにご相談に来られる
といった事例がありました。
法人の申告をするにも一定の
知識は必要になることを知って
おくとよいと思います。
編集後記
現在は法人や個人ともに電子
申告が普及してきているので
間違い申告を税務署が見つけるのが
早いように思います。
法人、個人ともにちょっと
自分でやるのが不安になる場合
早めに税理士に相談して
顧問契約を行い対策をしたほうが
後々の税務トラブル防止になると
考えます。
では税理士・行政書士の齋藤幸生でした!!
それでは、また!
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この記事は、その時の状況、心情で書いています。
また、法令に関しては、その後改正された場合には、
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